皆さんこんにちは、当サイト「建築LIFE」を運営しているたけと言います。
今回は、日本最北端の都道府県「北海道」に存在する、人生で一度は訪れた有名建築物を20作品ご紹介したいと思います。
安藤忠雄や黒川紀章など、世界的建築家が手がけた作品も多数ご紹介しているので、是非最後までご覧ください。
では早速本題に移ります。
北海道の有名建築物20選【一度は訪れたい名建築をご紹介します】
1.水の教会【安藤忠雄】





- 設計:安藤忠雄
- 竣工:1988年
- 用途:教会
- 住所:北海道勇払郡占冠村字トマム
- URL:公式ページ
水の教会は、北海道のほぼ中央に位置する巨大なリゾート地「星野リゾート トマム」内に建つ教会施設である。
設計を務めたのは、コンクリートで幾何学的な造形を持った建築を設計することで知られる、日本で最も有名な建築家「安藤忠雄」だ。
コンクリートでできた箱型の建物が、人工湖に接するように配置されており、水深15㎝ほどの人工湖の中には「十字架型」をした鉄骨が設置されている。
安藤忠雄は、教会建築を数多く手がけているが、その中でもこの「水の教会(北海道)」「光の教会(大阪)」「風の教会(兵庫)」の3作品は『安藤忠雄の教会三部作』として建築界ではかなり有名である。
2.真駒内滝野霊園頭大仏【安藤忠雄】








- 設計:安藤忠雄
- 竣工:2015年
- 用途:礼拝施設
- 住所:北海道札幌市南区滝野2
- URL:公式ページ
真駒内滝野霊園頭大仏は、北海道札幌市「真駒内滝野霊園」内に建つ礼拝施設である。
設計を務めたのは、水の教会と同様に、コンクリート建築で知られる建築家「安藤忠雄」だ。
高さ13.5mある大仏様が、コンクリートでできた「人口の丘」に覆いかぶされ、頭の先端だけが丘から飛び出している様子が特徴的な建築物となっている。
また、大仏様まで至るアプローチ空間が魅力的で、前半は外に開けた広大な道を歩いていき、途中にある水庭を回り込み、最後に約40mに及ぶ薄暗いトンネルの道を抜けると大仏様が姿を見せるという壮大な構成になっている。




3.札幌ドーム【原広司】








- 設計:原広司
- 竣工:2001年
- 用途:サッカー場 野球場 多目的觀覽場
- 住所:札幌市豊平区羊ヶ丘1番地
- URL:公式ページ
札幌ドームとは、北海道札幌市に建つ、サッカーと野球兼用のドーム型スタジアムである。
設計を務めたのは「梅田スカイビル」や「京都駅ビル」など大規模建築を数多く手がけることで知られる建築家「原広司」だ。
この建築最大の特徴は、用途に合わせて、天然芝をドームから出し入れできる「ホヴァリングシステム」というものを世界で初めて採用している点にある。
2枚目の写真を見ていただけるとわかるが、ドームの前に天然芝でできたサッカーフィールドが設置されており、サッカーの試合が開催される際はこのフィールドがドーム内に移動する仕組みになっている。
4.旭川駅【内藤廣】








- 設計:内藤廣
- 竣工:2012年
- 用途:駅舎
- 住所:北海道旭川市宮下通
- URL:参考ページ
旭川駅は、北海道旭川市にある駅舎であり、JR北海道の鉄道高架化に伴う建て替えにより2011年に新駅舎が完成した。
設計を務めたのは「海の博物館」「とらや赤坂店」など、木材を使用した魅力的な空間を数多く手がけることで知られる、日本を代表する建築家「内藤廣」である。
コンセプト「駅らしい駅・川のある駅」
このコンセプトを基に、隣に流れる忠別川に沿うようにして「樹状架構によって支えられた大屋根」と「ガラスのファサード」によって囲まれた魅力的な駅舎空間が完成している。




5.北海道立帯広美術館【アトリエaku】




- 設計:アトリエaku
- 竣工:1991年
- 用途:美術館
- 住所:北海道帯広市緑ヶ丘2
- URL:公式ページ
北海道立帯広美術館は、ひがし北海道にゆかりのある芸術家の作品や、国内外の版画やポスターを収集・展示することを主目的として、北海道帯広市に建設された美術館建築である。
設計を務めたのは、北海道札幌市に本社を置く設計事務所「アトリエaku」である。
本施設は、おびひろ動物園や帯広市児童会館、帯広百年記念館など様々な施設がある「緑ヶ丘公園」内に建てられており、そういった敷地条件を考慮し「敷居の低い美術館」を目指して設計されている。
具体的には、周辺の緑に溶け込むように高さやボリューム感を落としたり、建物を細かく分割し、できた隙間に中庭を設けるなど、周辺環境との調和を第一に考えた建築となっている。
6.とかち帯広空港ターミナルビル【黒川紀章】




- 設計:黒川紀章
- 竣工:1997年
- 用途:空港
- 住所:北海道帯広市泉町西9線中8-41
- URL:公式ページ
とかち帯広空港ターミナルビルは、北海道帯広市の南東部に建つ「十勝の空の玄関口」として親しまれている空港ターミナルビルである。
設計を務めたのは「国立新美術館」「豊田スタジアム」などを設計したことで知られる、世界的建築家黒川紀章だ。
建築としては、飛行機の翼をイメージしたと言われる「黒色の勾配屋根」と、空港建築とは思えないような「レンガタイル仕上げの外壁」が印象的な外観を作り出している。
十勝地方を訪れる際には、必ず注目しておきたい建築物だ。
7.公立はこだて未来大学【山本理顕】








- 設計:山本理顕
- 竣工:2000年
- 用途:大学
- 住所:北海道函館市亀田中野116-2
- URL:公式ページ
公立はこだて未来大学は、システム情報科学部の1学部(2学科)で構成される、北海道函館市に建つ公立大学である。
設計を務めたのは、「横須賀美術館」や「名古屋造形大学」を手掛けたことで知られる、日本を代表する建築家山本理顕である。
コンセプト「情報のネットワークは人のネットワークである」
このようなコンセプトを基に、ガラスでできた箱型建築の中に、人々の視線や活動がまじりあう大空間が作り出されている。




8.釧路市立博物館【毛綱毅曠】




- 設計:毛綱毅曠
- 竣工:1984年
- 用途:博物館+埋蔵文化財センター
- 住所:北海道釧路市春湖台1-7
- URL:公式ページ
釧路市立博物館は「釧路市埋蔵文化財調査センター」を併設する形で、1984年・北海道釧路市に建設された博物館である。
設計を務めたのは、「石川県能登島ガラス美術館」「くびき駅」など、建築とは思えないような作品を数多く手がける異色の建築家「毛綱毅曠」だ。
冬季に「タンチョウ」が飛来することで有名な釧路市という敷地を考慮し、建築は「タンチョウが翼を広げた姿」をイメージして設計されたと言われている。
この建築は、1984年に「日本建築学会賞」を受賞しており、毛綱毅曠の代表作としても知られている。
9.釧路フィッシャーマンズワーフMOO/EGG【毛綱毅曠】








- 設計:毛綱毅曠
- 竣工:1989年
- 用途:旅客ターミナル・商業施設
- 住所:北海道釧路市錦町2
- URL:参考ページ
釧路フィッシャーマンズワーフMOO/EGGは、1989年・北海道釧路市に建設された複合商業施設である。
設計を務めたのは、釧路市立博物館と同じ、異色の建築家「毛綱毅曠」である。
施設全体としては「商業施設のMOO」「全天候型植物園のEGG」の2つの棟で構成されており、その2つの棟が前面に流れる釧路川に沿うようにして配置されている。
建築としては、全面ガラス張りのドーム型建築「EGG」が特徴的だが、この内部は植物園となっており、寒さが厳しい釧路の冬であっても、人々が緑を堪能できる空間をつくることを目的として建設された。
また、商業施設が入る「MOO」の方の建築は、外観に鉄骨ウィングや鉄骨トラスなどが突き出しており、毛綱毅曠らしさが漏れ出ている。
10.岩見沢複合駅舎【ワークヴィジョンズ】








- 設計:ワークヴィジョンズ
- 竣工:2009年
- 用途:駅舎など
- 住所:北海道岩見沢市有明町南1-1,1-14
- URL:公式ページ
岩見沢複合駅舎は、北海道岩見沢市に建つ、市役所サービスセンターや市民ギャラリーなどを併設した駅舎建築である。
設計を務めたのは、東京大学工学部土木工学科出身の建築家「西村浩」が代表を務めるデザイン事務所「ワークヴィジョンズ」である。
この駅舎は、細長い大きな「ガラスの箱」の中に、2つの「レンガの箱」が入った『入れ子構造』になっており、両者の箱の間は市民活動の場として開かれている。
このような入れ子構造を見ると、建築に詳しい方は、安藤忠雄設計の「兵庫県立美術館」「ランゲン美術館」などと共通点を感じるのではないだろうか。
11.ガラスのピラミッド【イサム・ノグチ】








- 設計:イサム・ノグチ
- 竣工:2003年
- 用途:ギャラリー レストラン 公園 管理事務所
- 住所:札幌市東区丘珠町
- URL:公式ページ
ガラスのピラミッドは、北海道札幌市の市街地に隣接する位置にある「モエレ沼公園」の中に建つ、ギャラリーやレストランなどの機能が入った施設である。
モエレ沼公園全体の基本設計を務めたのは、日本の父とアメリカの母を持つ彫刻家「イサム・ノグチ」であり、このガラスのピラミッド自体も本計画の最重要施設として、イサム・ノグチが基本設計を務めた。
建築としては「ピラミッド」と「変形直方体」を組み合わせた幾何学的な形態をしており、イサム・ノグチの友人であるイオ・ミン・ペイが設計した「ルーブル美術館」のオマージュだともいわれている。
残念ながら、マスタープランが完成した直後にイサム・ノグチは急逝してしまい、彼の遺志を実現するために、イサム・ノグチ財団(ショージ・サダオ)監修のもとで本施設は竣工した。
12.トマム ザ・タワー【株式会社観光企画設計社/クライン・ダイサム・アーキテクツ】








- 設計:株式会社観光企画設計社/クライン・ダイサム・アーキテクツ
- 竣工:1987・1989年
- 用途:ホテル
- 住所:北海道勇払郡占冠村中トマム
- URL:公式ページ
トマム ザ・タワーは、過疎化が進んでいた占冠村(しむかっぷむら)の復興を目指して、1987年と1989年に建設された2棟の「超高層ホテル建築」である。
本施設の設計を務めたのは「株式会社観光企画設計社」であるが、2008年に行われた外壁改修の際には「柏の葉T-SITE」などを設計したことで知られる「クライン・ダイサム・アーキテクト」が設計を担当している。
トマム ザ・タワーを構成する2つの棟は「高さ121m」を誇り、これほどの超高層ビルが、山に囲まれた大自然の中に建つ様子は壮観である。
また、クライン・ダイサム・アーキテクトによる外壁改修が行われる前まで、本施設は「レンガタイル」で覆われた落ち着きのある外観をしてたが、現在は赤や緑といった色が混ざる外壁がシンボリックな外観を形成している。
13.札幌聖ミカエル教会【アントニン・レーモンド】




- 設計:アントニン・レーモンド
- 竣工:1960年
- 用途:礼拝施設
- 住所:北海道札幌市東区北19条東3丁目4−5
- URL:公式ページ
札幌聖ミカエル教会は、世界160ヵ国に広がる伝統的キリスト教会「聖公会」の教会として1960年に建設された建築物である。
設計を務めたのは、前川國男や吉村順三といった日本人建築家を育て、日本建築界に多大なる影響を与えたことで知られる、チェコ出身の建築家「アントニン・レーモンド」である。
札幌聖ミカエル教会は、北海道に唯一残るレーモンドが設計した建築物であり、木造モダニズム建築の最高傑作としても名高い。
建築としては「レンガを積み上げた壁」や「大きな勾配屋根」、「幾何学形態をした和紙で装飾されたガラス」など、近代建築と日本伝統を融合したかのような作品となっている。
14.日本銀行旧小樽支店「金融資料館」【辰野金吾】




- 設計:辰野金吾
- 竣工:1912年
- 用途:銀行(現・資料館)
- 住所:北海道小樽市色内1丁目11番16号
- URL:公式ページ
日本銀行旧小樽支店金融資料館は、日本銀行の小樽支店として1912年に建設された建物であり、現在は金融資料館として利用されている。
設計を務めたのは「東京駅」「日本銀行本店」などを設計し、日本近代建築の父として知られる建築家「辰野金吾」である。
西洋の「ルネサンス様式」を取り入れた歴史主義建築であり、レンガ造の壁にモルタルを塗り石造り風に仕上げた荘厳な外観は、街のシンボルともなっている。
辰野金吾の代表作であると共に、日本近代建築の代表作としても知られる名建築だ。
15.北海道立釧路芸術館【象設計集団】




- 設計:象設計集団
- 竣工:1998年
- 用途:芸術館
- 住所:北海道釧路市幸町4丁目1番5号
- URL:公式ページ
北海道立釧路芸術館は、美術作品の収集・展示のみならず、コンサートや映画会といったあらゆるイベントを開催することを目的に、北海道釧路市に建設された芸術館である。
設計を務めたのは、「名護市庁舎」や「宮代町立笠原小学校」などを手掛けたことで知られる設計事務所「象設計集団」である。
この芸術館が建つ敷地周辺は、かつて「レンガ倉庫街」として栄えた地域であり、その歴史をふまえた上で、本施設は当時のレンガ倉庫をモチーフとして設計されている。
また、施設前面には整備された緑地と太平洋に注ぐ釧路川が存在しており、それらの自然環境とも調和するかのような、落ち着きのある施設となっている。
16.IKEUCHI GATE【伊東豊雄】




- 設計:伊東豊雄
- 竣工:2022年
- 用途:店舗 事務所
- 住所:北海道札幌市中央区南一条西2-18
- URL:参考ページ
IKEUCHI GATEは、北海道札幌市にある百貨店「丸ヨ池内」の商業ビルとして、2022年に建設された建築物である。
設計を務めたのは、「せんだいメディアテーク」や「ぎふメディアコスモス」など、数多くの公共施設を手掛けることで知られる建築家「伊東豊雄」だ。
本施設はファサード(立面)に特徴があるが、これは「大地から立ち上がる力強い植物」をモチーフとしており、伊東豊雄はこの構造体のことを「葉形構造体」と呼んでいる。
また、この葉形構造体は「柱」と「耐震壁」の役割を担っており、造形的な形態で視覚的魅力を付加しながらも、しっかりと構造体として機能させているあたりは、さすが伊東豊雄としか言いようがない。
17.北海道立近代美術館【太田実】








- 設計:太田実
- 竣工:1977年
- 用途:美術館
- 住所:北海道札幌市中央区1条西17丁目
- URL:公式ページ
北海道立近代美術館は、アートの普遍的価値の継承・発展などを目的として、1977年に北海道札幌市の中心部に建設された美術館建築である。
設計を務めたのは、長年、北海道大学で教鞭をとっていたことで知られる建築家「太田実」だ。
本施設は、上から見ると「十字型平面」をしているが、南北方向から見ると「山型立面」をしており、ちょっと特殊な形態の美術館建築になっている。
しかし、初めからこのような形態の建築物にしようと決めて設計したわけではないそうで、機能面・設備面・構造面など、あらゆる条件を総合的に判断した結果、このような形態に着地したという。
18.札幌コンサートホール【株式会社ドーコン】




- 設計:株式会社ドーコン
- 竣工:1997年
- 用途:コンサートホール
- 住所:北海道札幌市中央区中島公園
- URL:公式ページ
札幌コンサートホールは、「Kitara」という愛称で親しまれる、北海道札幌市に建つコンサートホールである。
設計を務めたのは、北海道札幌市内に本部を持ち、北海道を基盤として活動する総合建設コンサルタント会社「ドーコン」である。
上空写真を見るとわかるが、本施設は扇形をした「大ホール」と、そのホールから伸びるようにして細長く展開される「エントランス空間」、そして直方体ボリュームに収まる「小ホール」、最後にそれら3つの要素に囲まれた「中庭空間」という全体構成になっている。
特に魅力的なのは、緩やかに曲線を描き、両面がガラスで覆われ、床には大理石が敷かれている、荘厳ながら軽やかさを兼ねそなたエントランス空間である。
19.エスコンフィールドHOKKAIDO【大林組・HKS】








- 設計:大林組・HKS
- 竣工:2022年
- 用途:観覧場
- 住所:北海道北広島市Fビレッジ1
- URL:公式ページ
エスコンフィールドHOKKAIDOは、2022年・北海道北広島市に建設され、日本ハムファイターズの新本拠地としても使用される屋内型野球場施設である。
設計は、日本最大手のスーパーゼネコン「大林組」と、ダラスに本社を置き、数多くのスタジアム建築を手掛けてきた実績を持つ「HKS」による共同設計となっている。
本球場は「切妻型の大屋根」と「ガラスのファサード」に囲まれた球場としては珍しい構成をしているが、実はこの大屋根は開閉式となっており、状況に合わせて屋根をスライドすることで屋外野球場としても機能する仕組みとなっている。
また、北海道の球場の場合、雪荷重に対しても配慮しなくてはならないのだが、この球場では柱断面2.5m×4m、梁断面4m×3mに及ぶ「ガーダー架構」を採用しており、もはや土木構造物のような力強い建築となっている。
20.函館アリーナ【大建設計・ティーアンドパルス】




- 設計:大建設計/ティーアンドパルス
- 竣工:2015年
- 用途:観覧場
- 住所:北海道函館市湯川町1-32-2
- URL:公式ページ
函館アリーナは、北海道函館市に建ち、2つの楕円形アリーナを有する「スポーツ&コンベンション施設」である。
設計は、組織設計事務所「大建設計」と函館市を拠点として設計業を行う「ティーアンドパルス」の共同設計となっている。
建築としては、長方形平面を持つ「メインアリーナ」と「サブアリーナ」を囲うようにして、楕円形を描く壁が立ち上がり、アリーナと楕円形の間にできた隙間の空間には、観客席やトレーニングルームなどの機能が収められている。
またその2つの楕円形アリーナは、美しい曲線を描くホール空間で接続されており、一体的な使用ができる構成にもなっている。
コメント