象設計集団とは?
- 1971 結成(東京)
- 1988 台湾事務所設置
- 1990 東京から北海道十勝へ事務所移転
- 1994 新たに東京事務所設置
象設計集団とは、昭和期を代表する建築家「吉阪隆正」の事務所で働いていた「5人の建築家」によって設立された設計集団である。
設立メンバーは「富田玲子」「樋口裕康」「重村力」「有村桂子」「大竹康市」の5人。
2023年現在も「富田玲子」「樋口裕康」の2人は象設計集団で活動しており、「重村力」は象設計集団から派生した『いるか設計集団』の代表取締役を、「有村桂子」「大竹康市」に関しては、残念ながら他界している。
象設計集団の代表作としては、沖縄県に建つ「名護市庁舎」がよく挙げられる。
今回は、そんな象設計集団が手がけた建築作品6選をご紹介したいと思います。
【代表作】象設計集団の建築作品6選
1.名護市庁舎

- 住所:沖縄県名護市字名護905番地
- 竣工:1981年
- 用途:市役所
- URL:公式ページ
名護市庁舎は、象設計集団の代表作としても知られる、沖縄県名護市に建つ市役所である。
建築としては、2色のコンクリートブロックで構成された「立体格子状の形態」が象徴的。
さらに、広場に面した立体格子部分などは「半屋外空間」になっており、「広場→テラス→ロビー→事務室」とシームレスに内と外をつなぐ構成も魅力の一つである。
その他にも、屋根に土を敷くことで断熱効果を得たり、ルーバーで遮光をするなど、沖縄の気候に対応するための工夫がいくつも施されている。
2.小牧市立図書館・2代目(現存せず)




- 住所:愛知県小牧市大字小牧1763の2
- 竣工:1977年
- 用途:図書館
小牧市立図書館・2代目は、1969年に開館した初代小牧市立図書館の施設が老朽化したことで、2代目の建築として建設された図書施設である。
この建築の外観を見ると、壁面からギザギザと飛び出た構造体のようなものが特徴的だが、これは日射を適度に遮るルーバーとして設置されたものである。
さらに、上の写真からはわからないが、実はこの建物の中央には、三層吹き抜けでトップライトを持った「光路」と呼ばれる空間が存在する。
この光路から、外界を内側へ取り込もうとしているわけだ。
3.宮代町立笠原小学校




- 住所:埼玉県南埼玉郡宮代町
- 竣工:1982年
- 用途:小学校
- URL:公式サイト
宮代町立笠原小学校は、崔為券南埼玉郡宮代町に建つ、公立小学校である。
建築としては「瓦葺屋根」「朱色の外壁」「芝生の広場」などが特徴的で、学校施設とは思えない構成となっている。
この小学校に通う子どもは、この建築を『竜宮城』のようだという子もいるそう。
こんな好奇心を刺激される学校施設があるとは驚きだ。
4.縄文真脇温泉(現存せず)




- 住所:石川県能登町
- 竣工:1993年
- 用途:公衆浴場
- URL:公式ページ
縄文真脇温泉は、縄文時代の集落跡「真脇遺跡」の背後にある、真脇遺跡公園内に建設された公衆浴場である。
建築としては、浴室・脱衣室・受付・休憩室・ロビーなどの機能が入った「七つの棟」からなり、それぞれ特徴的な屋根形状を持つ。
最も象徴的な「天に向かって伸びる屋根」は男性をイメージした形状となっており、さらに瓦屋根を持つ棟の中には女性をイメージして設計されたものもある。
5.石川県九谷焼美術館




- 住所:石川県加賀市
- 竣工:2001年
- 用途:美術館
- URL:公式ページ
石川県九谷焼美術館は、石川県九谷地方で作られる磁器「九谷焼」を収集・展示することを目的に建設された施設である。
施設全体としては、赤瓦葺が象徴的な5つの棟によって構成されており、隣接する「加賀市立中央図書館」や「杜親水公園」との関係を考え配置されている。
さらに、棟間には「2つの中庭」が設置されており、光や風などで季節を感じながら九谷焼を鑑賞することもできる。
6.冬山河親水公園








- 住所:台湾宜蘭縣五結郷
- 竣工:1994年
- 用途:公園
- URL:公式ページ
冬山河親水公園は、台湾宜蘭で5番目に大きい川「冬山河」流域に展開される公園である。
象設計集団は、冬山河とその流域を含めた12.5kmの地域の全体計画を担当している。
全体計画としては「屋外の水態博物館」をテーマとし、全長24mの冬山河の流域にスポーツやレジャーなどが楽しめるような構造物等が設置されている。
象設計集団の関連書籍




今回はこれで以上になります。
今回ご紹介した建築は、象設計集団が設計した建築のほんの一部です。
そのため、今後も随時情報を更新していきたいと思っています。
気が向いたら、また本記事をご覧ください。
ではまた。
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