茨城県の有名建築物17選【SANAA・内藤廣・磯崎新など】

みなさんこんにちは、たけです。

今回は、茨城県の有名建築物17選をご紹介します。

SANAA・内藤廣・磯崎新といった有名建築による建築作品を多数紹介しているので、是非最後までご覧ください。

では早速本題に入ります。

目次

茨城県の有名建築物17選【SANAA・内藤廣・磯崎新など】

1.松見タワー【菊竹清訓】

松見タワーは、茨城県つくば市の松見公園内に建つ、高さ45mの展望施設である。

建築の設計は、メタボリズムの第一人者として知られる建築家「菊竹清訓」が担当した。

本施設は、展望塔の形状が栓抜きにも見えることから「栓抜き塔」の愛称で親しまれている。

さらに、松見タワーの下で池に張り出すように建っている「レストハウス棟」は、展望塔の垂直性と対比しているのだろうか、水平ラインをかなり強調しており、スタイリッシュでかっこいい。

2.JR日立駅【妹島和世】

日立駅は、総合電機メーカー「日立製作所」創業の地として有名な茨城県日立市に建つ駅舎建築物である。

建築の設計は、国内外で活躍する世界的建築家「妹島和世」が担当した。

「日立市の顔となるような施設」「元々東西に分かれていた駅舎を連携させること」

クライアントからこれらの要望を受けた妹島和世は、全面ガラス張りによる橋上駅舎というインパクトのある構成を採用することによって、要望に沿った日立市のシンボルとなる建築物を作り出している。

建築詳細ページ

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3.日立市役所【SANAA】

photo by papakuro/CC 表示-継承 3.0
  • 設計:SANAA
  • 住所:茨城県日立市助川町
  • 竣工:2019年
  • 用途:市役所
  • URL:公式ページ

日立市役所は、総合電機メーカー「日立製作所」創業の地として有名な茨城県日立市に建つ庁舎建築物である。

建築の設計は、妹島和世と西沢立衛による建築ユニット「SANAA」が担当した。

本施設の特徴は「みんなの広場」と呼ばれる、ボールト屋根に覆われた屋外広場があることだ。

この優しく包み込むようなボールト屋根によって、地域住民が親しみやすい市役所施設を作り出している。

さらに、この建物と大屋根は、山側から海側へと緩やかに下る地形に沿って建てられているため、周辺環境に調和しつつ、庁舎棟からは日立市の特徴的な地形や風景が見渡せる配置計画となっている。

4.つくばカピオ【谷口吉生】

photo by Wiiii/CC 表示-継承 3.0

つくばカピオは、茨城県つくば市に建つ、劇場や体育館などが入った多目的施設である。

建築の設計は、世界的建築家「谷口吉生」が担当した。

本施設最大の特徴は、写真左側にある、門型の構造体によって覆われた半屋外空間である。

この空間を覆う門構えは、高さ14m・幅83mの構造体となっており、魅力的な大空間を作り出している。

このような門構えは、「丸亀市猪熊弦一郎現代美術館」や「法隆寺宝物館」でも似たような構成が取られており、谷口吉生が好んで採用したデザインであることがわかる。

5.笠間日動美術館【芦原太郎】

笠間日動美術館は、日動画廊創業者である長谷川仁・林子夫妻により、茨城県笠間市に建設された美術館である。

建築の設計は、芦原義信の息子「芦原太郎」が担当した。

施設全体としては、「フランス館」「パレット館(旧日本館)」「企画展示館」など複数の建物によって構成され、それらの棟がなだらかな丘陵地にある敷地内に分散配置されている。

さらに、その広大な敷地の中には「野外彫刻庭園」なども整備されており、自然・美術・建築が三位一体となり、魅力的な美術館を作り出している。

6.茨城県近代美術館【吉村順三】

茨城県近代美術館は、茨城県にゆかりのある作家の作品を始め、国内外約4,000点の美術作品を収蔵・展示することを目的として建設された美術館である。

建築の設計は、昭和期を代表する建築家「吉村順三」が担当した。

コンセプト「公園の水と緑に溶け込む建築」

このコンセプトを基に、周囲の景観に溶け込むような「緑青色の銅板葺きの大屋根」と「茶色系の自然石からなる外壁」が落ち着いた雰囲気を作り出す、魅力的な建築となっている。

7.真壁伝承館【設計組織ADH】

  • 設計:設計組織ADH
  • 住所:茨城県桜川市真壁町真壁
  • 竣工:2011年
  • 用途:図書館・歴史資料館・集会施設
  • URL:公式ページ

真壁伝承館は、公民館・図書館・歴史資料館など、複数の機能を内包した茨城県桜川市真壁町に建つ複合施設である。

建築の設計は、渡辺真理と木下庸子が共同主宰する設計事務所「設計組織ADH」が担当した。

本施設が建つ桜川市真壁町は「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されており、江戸時代からの伝統的な町家などによって、風情のある街並みが形成されている。

そのため建築全体は、複数の住宅規模のボリュームを中庭を囲うようにして分棟配置し、さらに外構を白と黒で対比的に仕上げることによって、徹底した街並みとの調和を図っている。

8.古河総合公園 飲食施設【SANAA】

  • 設計:SANAA
  • 住所:茨城県古河市鴻巣
  • 竣工:1998年
  • 用途:飲食店
  • URL:参考ページ

古河総合公園 飲食施設は、茨城県古河市にある都市公園「古河総合公園」の中に建つ飲食店である。

建築の設計は、妹島和世と西沢立衛による建築家ユニット「SANAA」が担当した。

建築全体は「約100本の細い柱」「フラットルーフ」「ガラス壁」「鏡面の耐震壁」という4つの要素で構成されており、SANAAらしい洗練された建築空間が作り出されている。

建築に詳しい方ならこの構成を見ると、SANAAの代表作「海の駅なおしま」を思い出すかもしれない。

しかし、海の駅なおしまが竣工したのは2006年であるため、この古河総合公園飲食施設は、海の駅なおしまの原形となった作品なのかもしれない。

9.古河総合公園 管理棟【内藤廣】

古河総合公園 管理棟は、茨城県古河市にある都市公園「古河総合公園」の管理棟として建設された公園施設である。

建築の設計は、木材をふんだんに使用した作品を数多く手がけることで知られる建築家「内藤廣」が担当した。

本施設は、古河総合公園内にある池に向かって一直線に伸びる細い「水路(写真中央に小さな滝ができている部分)」を跨ぐようにして、水路と直交する形で細長い建築ボリュームが建てられている。

そして、建物内を貫通するその水路の部分には、屋根と柱だけで囲われた中庭が存在し、周囲の自然を堪能できる魅力的な空間を形成している。

10.水戸芸術館【磯崎新】

  • 設計:磯崎新
  • 住所:茨城県水戸市五軒町
  • 竣工:1990年
  • 用途:コンサートホール・美術展示室など
  • URL:建築詳細ページ

水戸芸術館は、コンサートホール・劇場・ギャラリーなど、複数の機能を内包した茨城県水戸市に建つ複合施設である。

建築の設計は、日本を代表する建築家「磯崎新」が担当。

建築全体は、中央に設けられた大きな正方形の広場を取り囲うようにして、劇場やギャラリーなどが入った建物が配置されており、広場の東側には展望室が入った「シンボルタワー」が建てられている。

このシンボルタワー(高さ100m)は、計56面の正三角形がねじれるような形で積み上げられており、光り輝くチタンパネルがより一層、シンボルタワーに象徴的要素を付加している。

水戸市と聞かれたら、まずこのタワーを想像する人も少なくないのではないだろうか。

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11.吉田正音楽記念館【内井昭蔵】

photo by Papakuro/CC 表示 3.0

吉田正音楽記念館は、茨城県日立市出身の作曲家・吉田正の顕彰を目的として、2004年に建設された記念館建築物である。

建築の設計は、昭和期を代表する建築家「内井昭蔵」が担当。

本施設は、キューブ状の形態が印象的な外観を形成しているが、この構成は「塔という概念」をモチーフとしてデザインされており、どの方向から見てもシンボリックな形態が浮かび上がる、まさしく塔のような建築作品となっている。

また、施設内部は中央のエレベーターシャフトを中心として、全体が螺旋状に展開されており、吉田正の生涯を時代ごとに螺旋を登りながら感じることができる構成となっている。

12.結城市民情報センター【三上建築事務所】

photo by Qurren/CC 表示-継承 3.0

結城市民情報センターは、JR水戸線・結城駅の駅前広場に面する位置に建つ、図書館を中核とした公共施設である。

建築の設計は、東京や水戸にオフィスを構える設計事務所「三上建築事務所」が担当した。

本施設は、建物や広場全体を覆う「1枚の大屋根」がシンボリックな外観を形成しており、施設全体として統一感を出しつつも、外部と内部の境界を曖昧にする重要な役割を果たしている。

また、JR結城駅と結城市民情報センターは、アプローチブリッジによって接続されており、駅と一体的に活用できる構成となっている。

13.水戸市立西部図書館【新居千秋】

水戸市立西部図書館は、茨城県水戸市に建つ公立図書館である。

本施設の設計は、日本各地で数多くの公共建築を手掛ける建築家「新居千秋」が担当。

本施設は、図書館の中核となる「大きな円形の棟」と、その周りに付随する形で配置された複数の「家型の棟」、そして建物全体を囲うようにして設置された「楕円形の柱廊」という3つの要素によって構成されている。

また、写真ではわかりづらいが、円形の棟の天井部分はドーム型となっており、楕円形の柱廊と合わせて、西洋建築を想起させるような荘厳な作りになっている。

映画『図書館戦争』のロケ地として利用されたことでも有名な図書館である。

14.日立シビックセンター【坂倉建築研究所】

photo by Asturio Cantabrio/CC 表示-継承 4.0
  • 設計:坂倉建築研究所
  • 住所:茨城県日立市幸町
  • 竣工:1990年
  • 用途:展示館・音楽ホール・図書館
  • URL:公式ページ

日立シビックセンターは、展示館・音楽ホール・図書館など、複数の機能を内包した茨城県日立市に建つ複合文化施設である。

建築の設計は、坂倉準三によって設立された設計事務所「坂倉建築研究所」が担当した。

本施設は写真を見て分かる通り、建物にあけられたボイドと、建物に埋め込まれる形で設置された球体状の「天球劇場」がシンボリックな外観を形成。

また、天球劇場の外壁には光を反射するチタンパネルが張られており、竣工は本施設よりも後になるが丹下健三の代表作「フジテレビ本社ビル(1996年)」を彷彿とさせる構成となっている。

15.日鉱記念館【松田平田坂本設計事務所】

photo by のりまき/CC 表示 3.0

日鉱記念館は、茨城県日立市発展の原点となる「日立鉱山」に関する資料を展示する施設として、1986年に建設された博物館建築物である。

建築の設計は、国内に複数の事務所を展開する設計事務所「松田平田設計」が担当した。

建築全体は、どっしりととした基壇層の上にチューブ状の展示空間が乗っかった構成となっており、中央に設けられたボイド空間によって、チューブが浮かび上がるような不思議な外観を形成している。

このような細長いチューブが浮かび上がるような構成は「ホキ美術館」や「高知県立坂本龍馬記念館」などでも見られるが、ここまで重量感と軽快さを兼ね備えたチューブ建築はなかなかないだろう。

16.水戸市民会館【伊東豊雄・横須賀満夫】

水戸市民会館は、水戸市にある磯崎新の代表作「水戸芸術館」の南隣に位置する、劇場・展示室・店舗などが入った複合施設である。

建築の設計は、日本を代表する建築家「伊東豊雄」と茨城県出身の建築家「横須賀満夫」が共同で行った。

伊東豊雄の建築作品では、代表作「せんだいメディアテーク」や「台中国家歌劇院」のように、外構は比較的シンプルな形態でまとめつつ、内部にインパクトのある空間を作り出すというスタイルが多々見られる。

そして、この水戸市民会館でもそのスタイルが現れており、外構は比較的シンプルな箱型にまとめつつ、内部では大規模な木組みの架構によって、木の温もりであふれた魅力的な空間が形成されている。

水戸市民会館の詳細

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17.水戸市植物公園植物館【瀧光夫】

photo by Samaxsofia/CC 表示-継承 4.0
  • 設計:瀧光夫
  • 住所:茨城県水戸市小吹町
  • 竣工:1994年
  • 用途:展示・研修施設

水戸市植物公園植物館は、茨城県水戸市にある「水戸市植物公園」の展示・研究施設として、1994年に建設された建築物である。

建築の設計は、広島県出身の建築家「瀧光夫」が担当。

建築全体は、石張りの外壁によって周囲の豊かな自然環境と調和する落ち着いた外観を形成しつつ、ポリカーボネートの円筒に囲われた外部階段を設置することによって、外観にアクセントをつけている。

また、内部空間は、わずかに弧を描いたスロープによって展開されており、外部の円筒階段と合わせて、回遊動線が魅力的な建築作品ともなっている。

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今回はこれで以上になります。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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