建築家

建築家磯崎新の建築作品10選

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磯崎新とは?

photo by Manel Armengol/ CC 表示-継承 2.0
  • 1931 大分県大分市に生まれる
  • 1954 東京大学工学部建築学科卒業
  • 1967 日本建築学会賞作品賞
  • 1975 著書『建築の解体』
  • 2019 プリツカー賞受賞
  • 2022 12月30日死去

磯崎新は、「建築の解体」を始めとする多くの著書や実際の建築物によって、自身が持つ建築論を世に発信し続けた建築家である。

代表作としては、「北九州市立美術館」「ロサンゼルス現代美術館」「由布院駅舎」などが挙げられる。

2019年には、建築界のノーベル賞といわれるプリツカー賞を受賞し、長年の功績が世界中で再認識された。

北九州市立美術館

  • 所在地:福岡県北九州市
  • 竣工 :1974年
  • 用途 :美術館
  • 構造 :RC造

磯崎新の初期作にして代表作である北九州市立美術館。

建築の特徴は、「丘の上の双眼鏡」という愛称からもわかるように、2本の筒状の形態とシンメトリーによる荘厳な外観である。

さらに、この美術館は、映画デスノートの撮影現場として、利用されたことでも一躍話題となった。

アートプラザ

  • 所在地:大分県大分市
  • 竣工 :1998年
  • 用途 :複合文化施設
  • 構造 :RC造

磯崎新の代表作「大分県立大分図書館」を改装し、1998年に新しくオープンしたのがこのアートプラザである。

図書館という施設は、時の経過とともに蔵書も増えていく。これに対応するためには、本を収納する建築も成長していくことが最も合理的である。

その考えを建築的に表したのがこのアートプラザである。

突き出た筒状の梁が将来的に伸びていき、新たな空間を作り出していく。このメタボリズム的考えが現れている建築である。

なら100年会館

  • 所在地:奈良市三条宮前町7番1号
  • 竣工 :1999年
  • 用途 :多目的ホール
  • 構造 :RC造、SRC造、S造
photo by 663ハイランド / CC バイ 2.5

コンセプト「奈良の文化を育て、世界に発信する文化の船」

このコンセプトをもと設計された楕円形の黒い外観は、まさに文化の船のようである。

さらに、この建築は、組み立て方も特徴的で、外壁と屋根を地上で組み立ててから持ち上げる「パンタドーム構法」を採用している。

この構法は安全性、工期短縮などの点で優れた工法になっている。

由布院駅

  • 所在地:大分県由布市湯布院町
  • 竣工 :1990年
  • 用途 :駅舎
  • 構造 :木造

温泉で有名な大分県由布市。その由布市の玄関口となるのがこの由布院駅である。

この駅舎は、礼拝堂をイメージして設計されており、木造黒塗りの外観と交差ボールトの屋根が駅舎らしからぬ荘厳な雰囲気を作り出している。

さらに、由布院駅の横には、有名建築家の坂茂ばんしげるが設計した、「由布市ツーリストインフォメーションセンター」が建っている。

この建築は、磯崎新さんの由布院駅の交差ボールトと呼応した形状にもなっているため、ぜひ一緒に訪れたい施設になっている。

群馬県立近代美術館

  • 所在地:群馬県高崎市綿貫町
  • 竣工 :1974年
  • 用途 :美術館

この建築では、立方体がいくつも並べられて一つの美術館を構成しており、この立方体が増殖していくというメタボリズ的な考え方が取り入れられている。

立方体は、一辺12メートルのフレームを基本構造とし、外壁のアルミパネルやガラスグリッド、大理石パネルもその12mグリッドに合わせた寸法で構成されている。

代表作の北九州市立美術館と同時期に設計され、構成もある一つのグリッドを基準としている点がそっくりな建築となっている。

京都コンサートホール

  • 所在地:京都市左京区下鴨半木町
  • 竣工 :1995年
  • 用途 :コンサートホール
  • 構造 :RC造 S造

この建築は、京都という伝統的な街に、クラシック音楽を演奏する空間をつくるという、相反する条件をもとに設計されている。

構成としては、大ホール、小ホール、ホワイエという3つのブロックが京都固有の3つの軸線(平城京の条里、北山通、賀茂川)に沿って配列されている。

さらに、3つのブロックはそれぞれ、「直方体」「円筒形」「立方体格子」という異なる幾何学的基本形を基に構成されている。

山口情報芸術センター

  • 所在地:山口県山口市中園町
  • 竣工 :2003年3月
  • 用途 :図書館・美術館
  • 構造 :鉄骨造

この建築は、「北九州市立美術館」や「アートプラザ」といった磯崎新らしい幾何学的な建築とは明らかに種類が違う作品になっている。

その違いが顕著に表れているのが、有機的な山並みのような大屋根である。

この大屋根は、周辺の自然豊かな環境や背後に見える山並みと調和した形態となっている。

さらに、内部空間は、あらゆる場所がアート作品の展示・発表、制作の場となるような「フレキシビリティ(柔軟性)」のある構成となっている。

日本美術技術博物館 マンガ館

  • 所在地:ポーランド
  • 竣工 :1994年
  • 用途 :博物館

この施設は、日本料理を楽しめるカフェやマンガショップ、資料室、茶室といった施設が併設された、ポーランドの日本文化センターである。

ここでも「山口情報芸術センター」のように、有機的な曲線の大屋根が特徴的な建築物となっている。

しかし、「山口情報芸術センター」では周辺の山並みに呼応する形であったが、ここでは日本画で伝統的に表現されてきた波をイメージした外観となっている。

セラミックパークMINO

  • 所在地:岐阜県多治見市東町
  • 竣工 :2002年
  • 用途 :美術館、イベントホールなど
  • 構造 :S造 SRC造 RC造

この建築は小高い丘の上に立っている。

普通、建物を丘の上に建てるとなると、いったん地面を平らにしてそこに建築するが、この建築はできるだけ自然環境を残し、隙間を縫うように建物が建っている。

さらに、丘の上に隙間を縫うように立っていることと、様々な用途のある複合施設であることなどが要因でこの建築には様々な顔、空間が存在する。

そのため、どの場所を写真に切り取っても、どれも違う建物ではないかと思うような構成も魅力的である。

ロサンゼルス現代美術館

  • 所在地:アメリカ ロサンゼルス
  • 竣工 :1986年
  • 用途 :美術館
photo by ミンナート / CC BY-SA 3.0

この美術館は「MOCA」の愛称で親しまれている。本館は磯崎新さんの設計であるが、別館は海外の有名建築家フランク・ゲーリーが設計している。

建築の特徴としては、赤砂岩の赤い石張りの外観が特徴的であるが、展示スペースがほぼ地下に埋まっているという特徴もある。

さらに、展示室は大きな天窓からの自然光の入る部屋、人工光を利用して自由自在に光をコントロールできる部屋などがあり、用途に合わせた柔軟な対応ができるようにもなっている。

最後に・・・

以上が建築家磯崎新の建築作品10選でした。

モダニズム的な建築から、有機的な山のような建築まで、様々な特徴のある作品があったと思います。

2022年12月30日に磯崎新さんはお亡くなりになってしまいましたが、彼は建築界に多大なる影響を与えたことは間違いないでしょう。

ご覧いただきありがとうございました。

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