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建築家磯崎新の建築作品10選

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磯崎新とは?

  • 1931年 大分県大分市に生まれる
  • 1954年 東京大学工学部建築学科を卒業
  • 1960年 丹下健三研究室で東京計画1960に関わる
  • 1967年 日本建築学会賞作品賞(大分県立大分図書館)
  • 1975年 著書『建築の解体』
  • 2019年 プリツカー賞受賞

建築家の磯崎新さんは、黒川紀章さんと同様、学生時代に丹下健三さんの研究室で学び、建築家として活躍された人物の一人である。

2019年には、建築界のノーベル賞といわれるプリツカー賞を受賞したが、磯崎さんはプリツカー賞設立に関わり、以来10年近くにわたってプリツカー賞を審査する側にいた。

また、磯崎さんの著書「建築の解体」は、1970年から1980年にわたって建築界で起こったポストモダンの傾向に大きく影響を与えた

たけひこ
たけひこ

そんな磯崎新さんの建築作品10選をご紹介します!

北九州市立美術館

所在地:福岡県北九州市戸畑区鞘ヶ谷21
竣工 :1974年
用途 :美術館
構造 :RC造

この美術館の特徴は、2本の筒による、双眼鏡のような形態とシンメトリーによる外観である。筒の中は常設展示室となっている。

この建築の面白いところは、将来的に基壇の部分が緑に包まれ、2本の筒の部分だけが丘の上に乗っかているような将来的イメージを持って設計されている点である。

さらに、この建物全体が1辺9.6mの正方形を基本ユニットとして構成されているというのも魅力的な点である。

さらに、この美術館は、映画デスノートの撮影現場として、利用されたことでも話題となりました。

アートプラザ

所在地:大分県大分市
竣工 :1998年
用途 :複合文化施設
構造 :RC造

この建築にも「北九州市立美術館」に似た、筒状の形態がみられる。ここでの筒は構造上必要な梁として機能している

図書館という施設は、時の経過とともに蔵書も増えていく。これに対応するためには、本を収納する建築も成長していくことが最も合理的である。その考えを建築的に表したのがアートプラザである。

突き出た梁が将来的に伸びていき、新たな空間を作り出していく。このメタボリズム的考えが現れている建築である。

アートプラザの3階には、磯崎新さんの模型や資料の展示スペースもあるため、建築好きの方はぜひ訪れたい場所でもある。

なら100年会館

所在地:奈良市三条宮前町7番1号
竣工 :1999年
用途 :多目的ホール
構造 :RC造、SRC造、S造

この建築のコンセプトは、「奈良の文化を育て、世界に発信する文化の船」である。このコンセプトをもとにした楕円形の黒い外観はまさに文化の船のようである。

多目的ホールの構成としては、大ホール、中ホール、小ホールがあり、それぞれの用途に合わせて使い分けられている。

さらに、この建築は、組み立て方も特徴的で、外壁と屋根を地上で組み立て持ち上げる「パンタドーム構法」を採用している。この構法は安全性、工期短縮などの点で優れている。

由布院駅

所在地:大分県由布市湯布院町川北8-2
竣工 :1990年
用途 :駅舎
構造 :木造

この駅舎には、他の駅舎では見られない特徴が多数存在する。次の5つがその主たる特徴である。

  1. 礼拝堂をイメージした木造の駅舎
  2. 交差ボールトによる屋根
  3. 木造で黒塗りの落ち着いた外観
  4. ホームの端に設けられたテーブル付きの足湯
  5. 改札口がない構造

さらに、由布院駅の横には、有名建築家の坂茂ばんしげるさんが設計した、由布市ツーリストインフォメーションセンターがある

この建築は、磯崎新さんの由布院駅の交差ボールトと呼応した形状にもなっているため、ぜひ一緒に訪れたい施設である。

群馬県立近代美術館

所在地:群馬県高崎市綿貫町992-1
竣工 :1974年
用途 :美術館

パブリックドメイン
パブリックドメイン

この建築は、立方体がいくつも並べられて一つの美術館を構成している。さらに、立方体が増殖していくという、メタボリズム的な考え方も取り入れられている。

立方体は、一辺12mの立方体フレームを基本構造とし、外壁のアルミパネルやガラスグリッド、大理石パネルもその12mグリッドに合わせた寸法で構成されている。

最初に紹介した、北九州市立美術館と同時期に設計され、構成もある一つのグリッドを基準としている点がそっくりである。また両者は、磯崎新さんの代表作としても知られている。

京都コンサートホール

所在地:京都市左京区下鴨半木町1-26
竣工 :1995年
用途 :コンサートホール
構造 :RC造 S造

この建築は、京都という伝統的な街に、クラシック音楽を演奏する空間をつくるという、相反する条件をもとに設計されている。

構成としては、大ホール、小ホール、ホワイエという3つのブロックが京都固有の3つの軸線(平城京の条里、北山通、賀茂川)に沿って配列されている

さらに、3つのブロックはそれぞれ、次のように異なる幾何学的基本形となっている。

  • 大ホール → 直方体
  • 小ホール → 円筒形
  • ホワイエ → 立方体格子

また、2枚目の写真に見られる曲線の外観が楽譜のようになっている、京都の風水に従って設計している、小ホールはUFOや宇宙をイメージしているなど、様々な工夫がされている。

山口情報芸術センター

所在地:山口県山口市中園町7-7
竣工 :2003年3月
用途 :図書館・美術館など
構造 :鉄骨造

この建築は、「北九州市立美術館」や「アートプラザ」といった磯崎新さんのモダニズム的建築とは明らかに種類が違う作品になっている。

その違いが顕著に表れているのが有機的な山並みのような大屋根である。この大屋根は、周辺の自然豊かな環境や背後に見える山並みと調和した形態となっている。

さらに、内部空間は、あらゆる場所がアート作品の展示・発表、制作の場となるような「フレキシビリティ(柔軟性)」のある構成となっている。

日本美術技術博物館 マンガ館

所在地:ポーランド
竣工 :1994年
用途 :博物館

この施設は、日本料理を楽しめるカフェやマンガショップ、資料室、茶室といった施設が併設された、ポーランドの総合的な日本文化センターである。

この建築でも「山口情報芸術センター」のように、有機的な曲線の大屋根が特徴的である。

しかし、「山口情報芸術センター」では周辺の山並みに呼応する形であったが、ここでは日本画で伝統的に表現されてきた波をイメージした外観である。

セラミックパークMINO

所在地:岐阜県多治見市東町4丁目2番地の5
竣工 :2002年
用途 :複合施設(美術館、イベントホールなど)
構造 :S造 SRC造 RC造

この建築の特徴は、周辺の尾根をそのまま残し、自然と調和した建築というものである。

普通、建物を丘の上に建てるとなると、いったん地面を平らにしてそこに建築する。しかし、この建築はできるだけ自然環境を残し、隙間を縫うように建物が建っている

さらに、丘の上に隙間を縫うように立っていること、様々な用途のある複合施設であることなどからこの建築には様々な顔、空間が存在する。

そのため、どの場所を写真に切り取っても、どれも違う建物ではないかと思うような構成でもある。

ロサンゼルス現代美術館

所在地:アメリカ 250 South Grand Avenue Los Angeles, California
竣工 :1986年
用途 :美術館

この美術館は「MOCA」の愛称で親しまれている。本館は磯崎新さんの設計であるが、別館は海外の有名建築家フランク・ゲーリーが設計している。

建築の特徴としては、赤砂岩の赤い石張りの外観が特徴的であるが、展示スペースがほぼ地下に埋まっているという特徴もある。

さらに、展示室は大きな天窓からの自然光の入る部屋人工光を利用して自由自在に光をコントロールできる部屋などがあり、用途に合わせた柔軟な対応ができるようにもなっている。

最後に・・・

以上が建築家磯崎新さんの建築作品10選でした。

モダニズム的な建築から、有機的な山のような建築まで、様々な特徴のある作品があったと思います。しかし、どの作品も、ある明確なコンセプトをもとに設計されているのが磯崎さんの建築の特徴でもあります。

また、磯崎さんは建築の設計のみならず、著書や審査員、思想家としても知られているため、日本の建築界を引っ張ってきた人物ともいえるでしょう。

閲覧していただきありがとうございます。

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