【建築解説】水戸市民会館|伊東豊雄+横須賀満夫

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みなさんこんにちは、本サイト「建築LIFE」を運営しているたけです。

今回は、茨城県水戸市に建つ「水戸市民会館」の建築的特徴について解説していきたいと思います。

磯崎新の代表作「水戸芸術館」の隣に建つ芸術文化施設です。

是非最後までご覧ください。

目次

水戸市民会館の建築的特徴

茨城県水戸市に建つ芸術文化施設

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水戸市民会館は、東日本大震災によって使用できなくなった水戸市・旧市民会館の建て替え計画として2022年に建設された芸術文化施設である。

施設内には、大中小ホール・展示室・会議室・カフェレストランといった複数の機能が併設されている。

また、施設南隣には磯崎新の代表作「水戸芸術館」が建っており、両者が連動しながら水戸市の芸術文化の中枢を担っている。

伊東豊雄と横須賀満夫の共同設計

伊東豊雄 photo by Jerome Tobias/CC 表示 2.0

水戸市民会館の設計は、伊東豊雄建築設計事務所と横須賀満夫建築設計事務所の共同企業体が行った。

伊東豊雄は、言わずと知れた日本を代表する建築家である。日本のみならず海外でも数多くの公共建築を手掛けており、2023年現在も現役で設計活動を行っている。

横須賀満夫は、1962年に日本大学理工学部建築学科を卒業し、現在は水戸市を中心に設計活動を行っている建築家である。

この両者は、2016年に行われた公募型プロポーザルで「代表企業」と「市内企業」の最優秀者に選ばれた2社となっており、その2社がタッグを組む形で水戸市民会館は設計されたのである。

建物外周部をぐるりと囲い込む集成材架構

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水戸市民会館最大の特徴は、建物外周部を囲い込むように設置された集成材架構である。

最大スパンは20m、高さは3層吹き抜けの19.25mという、耐火木部材を使用した建築物としては最大規模の空間が作り出されている。

この耐火集成材の柱梁によるダイナミックな木組みは、縄文時代の「櫓(やぐら)」の構造を参考にしており、このことから上の写真にある大きな広場には「やぐら広場」という名前がつけられている。

やぐら広場と吹き抜けを介して繋がる「ラウンジギャラリー」

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やぐら広場の大きな吹き抜けに面した位置には、勉強や休憩場所として利用ができるラウンジギャラリーが配置されている。

このラウンジギャラリーは、奥に行くほど床が下がった階段状の空間になっており、静と動の性質を併せ持った魅力的なパブリックスペースとなっている。

また、周囲にはやぐら広場から連続する大断面の集成材架構が展開されており、木の温もりを身近に感じられる暖かみのある空間になっている。

「MitoriO(ミトリオ)」を構成する3つの施設

京成百貨店 photo by Miyuki Meinaka/CC 表示-継承 4.0
水戸芸術館

水戸市民会館の南北に隣接する「京成百貨店」と「水戸芸術館」。

この3つの施設は合わせて「MitoriO(ミトリオ)」という愛称が付けられおり、水戸市における市街地活性化拠点として重要な役割を果たしている。

水戸芸術館の建築的特徴については、以下の記事で詳しく解説している。

水戸芸術館の特徴

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水戸市民会館の建築データ

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