SANAAとは?
- 1995 SANAAを設立
- 1996 日本建築学会賞作品賞
- 2006 日本建築学会賞作品賞
- 2010 プリツカー賞
SANAAは、建築家である妹島和世と西沢立衛による建築家ユニットのことである。
代表作としては、ルーブル美術館の分館である「ルーブル・ランス」や、「ニューミュージアム」といった美術館作品が多くあげられる。
また、SANAAでお二方は建築界のノーベル賞であるプリツカー賞を受賞し、今後さらなる活躍が期待されている。

そんなSANAAの建築作品を9つ厳選して、今回紹介したいと思います!
金沢21世紀美術館
- 所在地: 石川県金沢市広坂
- 竣工 :2004年9月
- 用途 :美術館
- 構造 :S造 SRC造 RC造

金沢21世紀美術館とは、21世紀の新しいモデルとなるように設計された、石川県金沢市に建つ美術館である。
設計コンセプト「明るい開放的な美術館」
年々減少する美術館への来館者数に対して、21世紀にはどのようなことが求められているのか、美術館スタッフ・アーティストと共に三位一体となって議論したという。
ロレックスラーニングセンター
- 所在地:スイス
- 竣工 :2009年12月
- 用途 :学習センター
- 構造 :RC造 S造 W造


ロレックスラーニングセンターは、スイス連邦工科大学ローザンヌ校のキャンパス内にある、図書館、オフィス、カフェ、レストランなどが入った建物である。
フランスとスイスの国境にあるレマン湖沿いに位置し、背後にはアルプス山脈も望める。
この自然豊かな環境を生かした、丘のように上下に隆起する建物と、四角い建物に点在する穴が特徴的な建築になっている。
ツォルフェライン・スクール
- 所在地:ESSEN GERMANY(ドイツ)
- 竣工 :2006年7月
- 用途 :デザイン学校
- 構造 :鉄筋コンクリート造

ツォルフェライン・スクールは、ドイツのエッセンという街に建つ、デザインとマネージメントの学校である。
ツォルフェラインとは、かつて炭坑で栄えたエッセンの街に存在する工業地帯の名称である。
ツォルフェライン一帯は現在、ユネスコの世界遺産として登録されている。
ツォルフェラインには、炭坑のためにつくられた巨大な建物が多く残り、それらの建物と炭坑遺跡が作り出す景観に調和するよう巨大なキューブ状の建物が計画された。
ルーヴル・ランス
所在地:フランス
竣工 :2012年12月
用途 :美術館
構造 :RC造 S造


ルーヴルランスは、フランス北部の街「ランス」に、かの有名なルーヴル美術館の分館として建設された建物である。
敷地の周囲には、世界文化遺産に指定されている「炭坑遺構」が広がり、その景観との調和が目指された。
そこでSANAAは周辺に溶け込むような、低層の建物を水平に長く連続させ、外壁に周囲の環境を映すアルミパネルを使用することで環境との調和を図った。
ニューミュージアム
- 所在地:アメリカ
- 竣工 :2007年11月
- 用途 :美術館
- 構造 :S造 RC造


ニューミュージアムは、ニューヨークという建物が積層化された街に建てられた美術館であるため、この建築も当然積層させることが求められた。
しかし、積層された建物は外部に対してのつながりが薄れてしまう。
そこでSANAAは、いくつかの箱が積み重なり、それぞれが少しずつずれた構成をとった。
これにより、ずれた空間にテラスやトップライトを設けることで、外部に対してつながりを作り出している。
荘銀タクト鶴岡(鶴岡市文化会館)
- 所在地:山形県鶴岡市馬場町
- 竣工 :2017年8月
- 用途 :文化会館
- 構造 :S造 RC造

この建築の特徴は、中心の棟から周囲に広がる曲線の屋根群である。
この屋根は外側に行くにつれ高さが低くなり、先端は平屋程度の高さになっている。この構成により周辺の街並みと調和を目指したという。
さらに、この曲線の屋根は、表面は鋼板で覆われていて、メタリックな印象になっているが、裏面には地場産のスギ―ルーバーがふんだんに使用され、落ち着いた雰囲気になっている。
日立市新庁舎
- 所在地:茨城県日立市助川町
- 竣工 :2019年3月
- 用途 :市庁舎
- 構造 :鉄骨造

日立市新庁舎の特徴は「みんなの広場」と呼ばれる、ボールト屋根に覆われた屋外広場があることだ。
この広場によって、市民を迎え入れつつ、居場所ともなるような空間がつくられている。
さらに、この建物と大屋根は、山側から海側へと緩やかに下る地形に沿って建てられているため、周辺に調和しつつ、庁舎棟からは日立市の特徴的な地形や風景が見渡せる。
熊野古道なかへち美術館
- 所在地:和歌山県田辺市中辺路町近露
- 竣工 :1997年3月
- 用途 :美術館
- 構造 :鉄筋コンクリート造


SANAAが建築家ユニットとして活動を始めて、最初に設計したのがこの美術館である。
この建築の最大の魅力は、展示室周りに設けられたガラス張りの回廊である。
この回廊が展示室と外空間をシームレスに繋いでいる。
また、ガラスの大胆な使い方や、空間構成の仕方はSANAA建築らしく、SANAAの原点ともなる作品であるように思う。
海の駅「なおしま」
- 所在地:香川県香川郡直島町
- 竣工 :2006年9月
- 用途 :フェリーターミナル
- 構造 :S造 RC造

直島は安藤忠雄設計の地中美術館やベネッセミュージアムなどをはじめ、様々な美術館や魅力的な建築が存在する島である。
そんな直島に建てられた海の駅「なおしま」の最大の特徴は、最大70メートルにも及ぶ水平な大屋根による空間である。
この屋根が島のエントランス的な役割を果たしている。
さらにこの低い屋根による構成は、街の景観を壊すことなく景色に溶け込んでいる。
最後に・・・
以上が建築家ユニットSANAAの建築作品9選でした。
ガラスやアルミなどの軽量な材を使った、スタイリッシュな建築が多かったと思います。
ご覧いただきありがとうございます!