高知県の有名建築物12選【隈研吾・内藤廣・安藤忠雄など】

みなさんこんにちは、本サイト・建築LIFEを運営している「たけ」です。

今回は、高知県の有名建築物12戦をご紹介します。

隈研吾、内藤廣、安藤忠雄といった名だたる建築家の作品を複数紹介しているので、是非最後までご覧ください。

では早速本題に入ります。

目次

高知県の有名建築物12選【隈研吾・内藤廣・安藤忠雄など】

1.牧野富太郎記念館【内藤廣】

牧野富太郎記念館は、植物学者「牧野富太郎」の顕彰を目的として、彼の出身地である高知県の牧野植物園内に建設された博物館である。

建築の設計は、東京大学の名誉教授でもある建築家「内藤廣」が担当した。

Googleマップで上空写真を見てもらうとわかりやすいのだが、本施設は「本館」と「展示館」の2棟で構成されており、その2棟が小高い山の上に約170mの回廊を挟む形で分散配置されている。

一方で、建物の形状はどちらも中央に大きな円形の中庭を持ち、その中庭を囲うようにして切妻屋根を持ったリング状の建物が配置されるという共通の構成となっている。

また、その切妻屋根の下には、内藤廣建築でよく見られる、木材であふれる暖かみのある空間が形成されている。

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2.高知駅【内藤廣】

高知駅は、JR四国・土讃線の駅舎として2009年高知県高知市に建設された建築物である。

建築の設計は、東京大学の名誉教授でもある建築家「内藤廣」が担当した。

「くじらドーム」という愛称が付けられていることからもわかる通り、本駅舎はクジラのようなダイナミックなアーチを描く大屋根がシンボリックな外観を形成。

この大屋根は、スギ集成材と鉄骨トラスによるハイブリット構造となっており、内藤廣建築でよく見られる、木のぬくもりであふれた大屋根となっている。

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3.香美市立やなせたかし記念館【古谷誠章】

香美市立やなせたかし記念館は、アンパンマンの生みの親である漫画家「やなせたかし」の顕彰を目的として、高知県香美市に建てられた美術館施設である。

本施設は「アンパンマンミュージアム」という愛称で親しまれており、写真に映る建物の上にもアンパンマンがいるのが見える。

建築の設計は、早稲田大学で長年教授を務める建築家「古谷誠章」が担当。

一見シンプルな箱モノ建築に見えるが、内部では大階段や様々な開口部などによって、外観からでは想像できないような多様な空間がつくられている。

また、前面の芝生の広場からエントランスまでは平面的に湾曲したブリッジがかけられており、美術館への期待が膨らむ魅力的な構成となっている。

4.高知県立坂本龍馬記念館【ワークステーション】

photo by Motokoka/CC 表示-継承 4.0

高知県立坂本龍馬記念館は、土佐藩(現在の高知県)出身の幕末の志士「坂本龍馬」をテーマとして、1991年に建設された記念館である。

建築は、高橋晶子と高橋寛による一級建築士事務所「ワークステーション」が設計を担当した。

建築全体としては、スロープが入る「オレンジ色の直方体」と、展示室が入る「ガラス張りの直方体」が空中で合体しながら迫りくる形態がシンボリックな外観を形成している。

また、本施設は構造も特徴的で、長さ70mの直方体展示室は斜張橋かのように二カ所の支柱群からケーブルで吊るという方法が採用されている。

この構造システムを採用することによって、展示室の入るガラスの直方体は、より一層前面の道路、そしてその先にある太平洋に飛び出すかのようなダイナミックな形態となっている。

5.龍馬の生まれたまち記念館【高知県建築士会】

photo by 663highland/CC 表示 2.5

龍馬の生まれたまち記念館はその名の通り、坂本龍馬が生まれた町である「上町」の歴史や文化、そして坂本龍馬に関する展示などを行う施設として、2004年に建設された展示場・集会所である。

建築の基本計画は「高知県建築士会・龍馬委員会」、実施設計は「龍馬のまちを考える建築士グループ」が行った。

本施設は、複数の展示室が入った「展示等」と、公民館として町民や来館者の交流の場となる「交流棟」、そして和室が入る「離れ」の3棟で構成されており、それぞれの棟は中庭や回廊などを介して一体利用が可能となっている。

建築としては、日本伝統の瓦ぶきの切妻屋根が印象的な外観を形成しており、龍馬の名前を冠する施設にふさわしい趣のある建築物となっている。

6.高知城歴史博物館【日本設計・若竹まちづくり研究所】

photo by z tanuki/CC 表示 3.0

高知城歴史博物館は、土佐藩・高知県ゆかりの資料を保存・展示するための施設として、2016年高知城に隣接する位置に建設された博物館建築である。

建築の設計は、日本設計若竹まちづくり研究所の共同で行われた。

本施設は、高知城の追手前門と堀に面する敷地に建てられており、観光地という観点からも、1階を市民や観光客が日常利用できる交流スペース、その上階を博物館とすることで、敷地条件に対応した空間を作り出している。

また、本建築のファサードには、舟型のPCa板・鉄板菱格子・チタン亜鉛合金板の鎧壁といったように、多種多様な素材や形状が用いられており、この多様なファサード計画によって高知らしさを表現したという。

7.梼原町総合庁舎【隈研吾】

photo by Kaityu20/CC 表示-継承 4.0

梼原町総合庁舎は、高知と愛媛の県境にある「梼原町」の総合庁舎として、2006年に建設された施設である。

本施設の設計は、数多くの和風建築を手掛けることで知られる建築家「隈研吾」が担当した。

建築全体としては、大きな外壁を細かく分節するように設置された「スギパネル」が印象的なファサードを形成しつつ、内部では光と木のぬくもりであふれる魅力的な空間を作り出している。

また、このガラスとスギパネルで構成される外壁の中央部分は「スライディングウォール」となっており、これを開放することで、内側のアトリウム空間と外の外部広場を一体利用できるようになっている。

8.雲の上のホテル・レストラン【隈研吾】※建て替え中

photo by Madoro Ishii/CC 表示-継承 4.0
  • 設計:隈研吾
  • 住所:高知県高岡郡梼原町
  • 竣工:1994年
  • 用途:ホテル
  • URL:公式ページ

雲の上のホテルは、高知と愛媛の県境にある「梼原町」の中心地から少し離れた山間部に位置する、ホテルとレストランを併設した施設である。

本施設の設計は、数多くの和風建築を手掛けることで知られる建築家「隈研吾」が担当した。

隈研吾はこの梼原町で、図書館・庁舎・ギャラリーといった数多くの建築物を手掛けていることで知られているが、この雲の上のホテルはその第一弾となった始まりの作品である。

建築としては、雲をモチーフにしたと言う白い大屋根がシンボリックな外観を形成しており、その大屋根を支える柱の下には、棚田をイメージしたという大きな水盤が設置されている。

梼原町は高いところだと標高が約1400mもあり、時には手に届くくらい近い位置に雲がかかる。そう言った地域の特性を考慮した上で「雲」というモチーフを採用したようだ。

残念ながら本施設は老朽化などを原因として建て替え中である。(新施設も隈研吾が設計している)

9.横倉山自然の森博物館【安藤忠雄】

photo by 岩浪陸/CC 表示 3.0

横倉山自然の森博物館は、高知県越知町にある標高約800mの「横倉山」の中腹に建つ博物館で、横倉山の歴史・自然・文化に関する資料の展示などを行っている。

建築の設計は、コンクリート建築でおなじみの建築家「安藤忠雄」が担当した。

建物全体は、周囲の自然と対立するかのような安藤忠雄らしいコンクリート建築となっているが、注目すべきはその動線計画である。

来館者はまず、自然と対比するかのように佇むコンクリートの壁の沿いに設けられたスロープを歩いて、周囲の自然を楽しみながらエントランスへとアプローチしていく。

そして壁を折り返すと奥にはエントランスが見えてくるのだが、左手側には大きな人工池が設置されおり、今度はこの池を鑑賞しながらエントランスまでアプローチするというわけである。

このような魅力的な空間構成こそ、安藤忠雄建築の真骨頂である。

10.高知県立美術館【日本設計など】

  • 設計:日本設計・環境建築設計事務所・山本長水建築設計事務所
  • 住所:高知県高知市高須
  • 竣工:1993年
  • 用途:美術館・コンサートホール
  • URL:公式ページ

高知県立美術館は、高知県高知市に建つ、美術館とコンサートホールを併設した芸術文化複合施設である。

建築の設計は、日本設計・環境建築設計事務所・山本長水建築設計事務所の3社共同で行われた。

敷地は、舟入川と国分川が交わる結節点に位置しており、本施設ではその水辺という立地条件を活かして水と親しんだ空間設計が行われている。

例えば、エントランスまでのアプローチ空間が人口池を横断するように架けられていたり(写真2枚目)、大きな中庭には常時水が張られているなど、水を間近に感じながら建物内を回遊できる構成となっている。

また、建物本体は、日本伝統の切妻屋根を持った棟が複数混在するような構成となっており、外壁が黒く塗られた棟には「多目的ホール」、白く塗られた棟には「美術館」機能が内包されている。

11.四万十町本庁舎【松田平田設計】

photo by Kaityu20/CC 表示-継承 4.0

四万十町本庁舎は、高知県四万十町の町庁舎として2014年に建設され建築物である。

建築の設計は、国内に複数の事務所を展開する設計事務所「松田平田設計」が担当した。

建築全体は、東西2つの棟がJR予土線の線路を挟む形で配置されており、両者の棟は線路の上に架けられたガラス張りの自由通路によって接続されている。

また、この建築で道路(街)に面する部分に「木造」、線路に面する部分には遮音性を考慮して「鉄筋コンクリート造」、自由通路は透明性を確保するために「鉄骨梁」が用いられており、建築全体としてはハイブリット構造となっている。

線路の上にまたがる構成と言い、3つの構造形式を使い分けたハイブリット構造と言い、異例尽くしの建築作品だ。

12.高知県立文学館【MA設計事務所】

photo by 663highland/CC 表示 2.5
  • 設計:M.A設計事務所
  • 住所:高知県高知市丸ノ内
  • 竣工:1969年
  • 用途:博物館
  • URL:公式ページ

高知県立文学館は、土佐ゆかりの文人の作品などを公開・展示している、1997年高知県高知市に開館した博物館施設である。

本施設は、1969年に竣工した石張りの建物を改修する形で開館しており、元の建築の設計者は「M.A設計事務所」となっている。(Wikipedia情報)

正直、この建築物と設計者に関しては、ネット上でいくら検索しても大した情報が見つかりませんでした。

しかし、自然と一体になったような石張りの外観がとても魅力的な建築作品なので、今回は名前だけご紹介しておきます。

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今回はこれで以上になります。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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