みなさんこんにちは、たけです。
今回は、神奈川県の有名建築物22選をご紹介します。
隈研吾・伊東豊雄・丹下健三といった名だたる建築家の作品を多数紹介しているので、是非最後までご覧ください。
では早速本題に入ります。
神奈川県の有名建築物22【隈研吾・伊東豊雄・丹下健三など】
1.湘南T-SITE【クラインダイサムアーキテクツ・日本設計】

- 設計:クラインダイサムアーキテクツ・日本設計
- 住所:神奈川県藤沢市辻堂元町
- 竣工:2014年
- 用途:物販店舗・サービス店舗・飲食店舗
- URL:建築詳細ページ
湘南T-SITEは、TSUTAYAやTカードなどを運営することで知られる企業「CCC」によって、神奈川県藤沢市に設立された蔦屋書店を中核とする商業施設である。
建築の設計は、クラインダイサムアーキテクツと日本設計が共同で行った。
蔦の模様が入った白い外壁が特徴的な本施設は、複数の直方体ボリュームが左右にずれを生じさせながら並列配置された全体構成となっている。
そして、くぼんだ外部空間にテラスや広場を設けることによって、内と外が干渉し合う豊かな建築空間が形成されている。
また、施設1階には、すべての直方体を貫通する全長110mにも及ぶ「マガジンストリート」と呼ばれるボイド空間が設けられており、本で埋め尽くされた街並みのような空間を作り出している。
建築詳細ページ

2.ポーラ美術館【日建設計】
ポーラ美術館は、数多くの印象派絵画や日本近代絵画などを展示するための施設として、緑豊かな富士箱根伊豆国立公園内に建設された美術館建築である。
建築の設計は、日本の大手組織設計事務所「日建設計」が行った。
建築全体は、周囲の自然環境と調和するために、ボリュームの大半が地下に埋め込まれており、地上には高さ8m分しか顔を出していない構成となっている。
そのため、ポーラ美術館を訪れた来館者は、天井がガラス張りとなったエスカレーター(写真1枚目)に乗り、地下2階まで吹き抜けたアトリウムロビー空間へと向かっていく、という魅力的な空間体験ができるようになっている。
建築詳細ページ

3.横浜港大さん橋国際客船ターミナル【foa】
横浜港大さん橋国際客船ターミナルは、国内のみならず国外からも多くの客船が発着する「横浜港」の玄関口となる施設として、2002年に建設された客船ターミナルである。
建築の設計は、当時無名であったイギリスの建築設計事務所「foa」が担当した。
コンセプト「Continuous Architecture(連続的建築)」
このコンセプトを基に、壁や床がシームレスに連続した、まるで丘や洞窟のような有機的な建築空間が作り出されている。
建築詳細ページ

4.湯河原駅前広場【隈研吾】

湯河原駅前広場は、JR東日本・東海道本線「湯河原駅」の駅前広場として、2017年に建設された建築物である。
建築の設計は、木材をふんだんに使用した和風建築を数多く手がけることで知られる建築家「隈研吾」が担当。
建築全体は、切妻型のガラスの屋根の下に、隈研吾お得意のスギルーバーが設置された構成となっており、木材の温もりと太陽の明るさが共存した豊かな駅前広場空間が作り出されている。
隈研吾はこの建築で、日本伝統の縁側空間のような「中間領域」を生み出したかったという。
5.桐蔭学園女子部中学校・高等学校【丹下健三】

桐蔭学園女子部中学校・高等学校は、幼稚園から大学院を擁する総合学園「桐蔭学園」の女子中学校・高等学校として、神奈川県横浜市に建設された学校施設である。
建築の設計は、日本を代表する建築家「丹下健三」が行った。
建築全体は、エレベーターや階段室が入る「垂直性の高いシャフト」と、各教室や実習室などが入る「水平性の高い直方体」によって構成されており、単純明快な構成ながら力強さを持った丹下健三らしい作品となっている。
上の写真にある、中途半端ともいえる直方体の切断面などを見ると、メタボリズム的な思想も感じ取れる。
6.UNIQLO PARK 横浜ベイサイド店【藤本壮介】
UNIQLO PARK 横浜ベイサイド店は、ユニクロとGUが入る大型店舗として、2020年神奈川県横浜市にオープンした商業施設である。
建築の設計は、2025年に開催される大阪・関西万博のデザインプロデューサーに就任した建築家「藤本壮介」が担当。
本施設は商業施設でありながら、滑り台やジャングルジムといった遊具が設置された「公園一体型の商業施設」となっている。
外観を見て分かるように、屋根全体がまるでパークのような子供たちが遊べる空間となっており、遊び場と店舗が隣接した、いまだかつてない新しい商業施設が誕生している。
さらに、屋根を突き抜けるように何カ所かに店舗への入り口が設けられており、店舗とパークが連動しながら来場者のアクティビティを促進していることがわかる。
7.KAIT工房【石上純也】
KAIT工房は、神奈川工科大学のロボットや人力飛行機といった様々な創作活動を行うための施設として、2008年に建てられた大学施設である。
建築の設計は、妹島和世事務所出身の建築家「石上純也」が担当。
石上純也の建築デビュー作となっている。
建築としては、広いワンルーム空間に細い柱がいくつもランダムに林立し、まるで森の中のような複雑性を持った空間が印象的。
また、通常の建築なら地震に耐えるための「耐震壁」というものが必要になるが、KAIT工房にそういった壁は一切なく、何百もある柱だけで地震に耐えられる構造となっている。
これによって、壁のない一体性のある内部空間が作り出されている。
8.KAIT広場【石上純也】
KAIT広場は、KAIT工房に隣接する位置に建てられた「広場建築」である。
建築の設計は、こちらも「石上純也」が行ってる。
KAIT工房と同様に広いワンルーム空間が特徴的だが、KAIT広場には柱が一切ない。
ではどうやって、これだけ広い空間に屋根をかけているのかというと、「4方の壁」から「めちゃくちゃ薄い鉄板の屋根」を吊り下げる構造で、この柱のない大空間を実現している。
また、その鉄板の屋根には無数の開口部が設けられており、外部と内部を緩やかに繋げる効果を持つ。
9.藤沢市秋葉台文化体育館【槇文彦】

藤沢市秋葉台文化体育館は、神奈川県藤沢市に建つ、屋内スポーツ施設である。
建築の設計は、日本を代表する建築家「槇文彦」が担当。
建物の外観が似ていることから「カブトムシ」の愛称で市民に親しまれている。
建物全体としてはA棟・B棟・C棟の3つの棟から成っており、上の写真はメインアリーナであるA棟の写真である。
それぞれの棟に入る機能はもちろん別々だが、どの棟にも「ステンレスの印象的な屋根」が被せられているので、同じ施設の建物として一体感が生み出されている。
10.横須賀美術館【山本理顕】
横須賀美術館は、神奈川県横須賀市の県立観音崎公園内に建つ美術館建築物である。
建築の設計は、原広司研究室出身の建築家「山本理顕」が担当。
本施設は、三方を山に囲われ北側には東京湾が広がる自然豊かな敷地に建てられており、恵まれた周辺環境と一体になるような美術館が計画された。
建築全体は「ガラスの箱」の中に「鉄板の箱」が入った、入れ子状の構成となっている。
この構成によって塩害から建物を守りつつ、適度に美術館内部にも光を取り込むことのできる魅力的な美術空間が完成している。
11.相鉄文化会館【原広司】

相鉄文化会館は、神奈川県横浜市の通勤線沿線に建つ、社員研修のための「研修施設」とギャラリーやスタジオなどの「文化施設」からなる複合施設である。
建築の設計は、梅田スカイビルや札幌ドームなど、数多くの公共施設を手掛ける建築家「原広司」が担当。
5層からなる施設であるが、一般開放されているのは1層のみ。
しかしその一般開放される部分を4階に設け、一般客がその4階に至るまでの空間に「中庭」や「ピロティ」「ブリッジ」を設けることで、活発な施設の活用を促している。
建築としては、建物上部に設置された鉄骨トラスによる6枚の羽根のような構造物が特徴的で、周りの高層住宅から見下ろしたときに、建物を印象付ける効果を持っている。
12.横浜市市民文化会館・関内ホール【芦原義信】

横浜市市民文化会館「関内ホール」は、横浜市中区にある市営の多目的ホールである。
落語・演劇・ミュージカルなど上演する場として利用されており、1980年から毎年横浜で開催されている「ヨコハマ映画祭」も、基本的にはこの関内ホールで行われている。
建築の設計は、昭和期を代表する建築家「芦原義信」が担当。
建築全体としては、街路に対して「角」となってしまう建物部分の壁を後退させ、小広場とした「入隅空間」によって印象的な外観を形成。
この構成によって、市民に新たな居場所を提供しつつ、街と施設の親和性を高める効果がもたらされている。
13.鎌倉文華館鶴岡ミュージアム【坂倉準三】

鎌倉文華館鶴岡ミュージアムは、日本最古の公立近代美術館「神奈川県立近代美術館」として1951年に開館した建物である。
現在は、神奈川県立近代美術館としての機能は隣接する「鎌倉別館」と「葉山館」の2棟に譲渡され、本施設は「鎌倉文華館鶴岡ミュージアム」として、鎌倉の歴史や文化を紹介する施設となっている。
建築の設計は、ル・コルビジェの弟子としても知られる建築家「坂倉準三」が担当。
建築としては、池に飛び出すかのように建つ重厚感と軽快さをあわせもった構成が特徴的で、この時代に流行した「日本の伝統」と「モダニズム」を融合した作品となっている。
これらの特徴から、日本モダニズムを象徴する建築として、国内外で高い評価を得ている。
14.星の子愛児園【石山修武】

星の子愛児園は、「産休明け保育」「乳児保育」「延長保育」という3事業を併設した、川崎市多摩区にに建つ多機能型保育園である。
建築の設計は、早稲田大学出身の建築家「石山修武」が担当。
この建築では、クライアントから下記のような依頼があったという。
「星の王子様のサン・テジュクペリ」と「ル・コルビュジェ」を融合させよ。
なかなか癖の強い依頼ではあるが、この依頼に対して石山修武は、星の王子様に出てくる「象を飲み込んだウワバミ(大蛇)」の形態をイメージした大屋根をかけ、その大屋根に近代建築を融合させたような設計を行った。
15.ホテルニューグランド【渡辺仁】

ホテルニューグランドは、戦前に建設された「クラシックホテル」の代表作としても知られる、神奈川県横浜市に建つホテル施設である。
建築の設計は、明治・大正・昭和の三時代を生きた建築家「渡辺仁」が担当。
アーチ窓や曲面壁、荘厳な内部空間など、基本的には西洋風のデザインがなされているが、所々にと東洋的なテイストのデザインが紛れ込んでいるのがこの建築の魅力。
ホテルニューグランドには、マッカーサー元帥やチャーリー・チャップリン、ベーブ・ルースをはじめとする、数多くの著名人が来訪したことでも知られ、横浜のランドマーク的な存在にもなっている。
16.旧吉田茂邸【吉田五十八】

吉田茂邸は、戦後日本の内閣総理大臣を務めた「吉田茂」が、1945頃から生涯を閉じるまで住んでいた住宅建築である。
建築の設計は、昭和期の日本建築界をリードしたと言われる建築家「吉田五十八」が担当。
元々は、吉田茂の父・吉田健三の別荘として1884年に建設された建物だが、父の死後、吉田茂がその邸宅を引き継ぎ、増改築を繰り返して晩年まで利用していた住宅建築となっている。
そんな歴史のある吉田茂邸だが、吉田五十八が設計を務めたのは、昭和30年代後半に竣工したとされる「新館」であり、吉田五十八建築に象徴される「近代数奇屋造り」が特徴的な建築となっている。
数奇屋造りとは、日本の伝統様式である「書院造」から格式や装飾を取り除き、より自由な様式に昇華した建築のことを指すが、吉田五十八はその数奇屋造りさえも近代化して、より洗練された建築空間を作り出している。
吉田茂邸は、2009年に発生した火災により焼失してしまったが、再建を願う声が多く、その結果、2017年に吉田五十八が設計した「新館」などが復元されて現在に至る。
17.湘南台文化センター【長谷川逸子】

湘南台文化センターは、公民館・こども館・市民シアターなどからなる、神奈川県藤沢市に建つ複合文化施設である。
この建築の設計者を決めるにあたっては「公開コンペ」を実施。215作品もの応募がある中、長谷川逸子が1等に選ばれ「日本初の女性建築家が設計する公共建築」が実現することとなった。
建築としては、「宇宙儀(シアター)」「地球儀(プラネタリウム)」「月球儀(大気測定室)」「フラドーム(無線室)」の4つの球状構造物で構成され、未来的・宇宙的なイメージを持った施設になっている。
また、建築前面に広がる広場には「花びらのような形状をした小屋根群」が展開されており、回遊的な楽しい空間が形成されている。
この建築は、1980年代を中心に流行した「ポストモダニズム」の代表作としても知られている。
18.神奈川県立近代美術館・別館【大高正人】

神奈川県立近代美術館・鎌倉別館は、旧神奈川県立近代美術館(現・鎌倉文華館鶴岡ミュージアム)の別館として、1984年に建設された建築物である。
現在は、葉山町にある「神奈川県立近代美術館・葉山館」と近代美術館の機能を分担する形で運営されている。
建築の設計は、福島県出身の建築家「大高正人」が担当。
建築全体は、敷地内にある埋蔵遺跡を避けるためにキャンチレバーが多い構成となっているが、外壁は質感のある炻器質タイルによって仕上げられているため、重厚感と軽快さを兼ね備えた魅力的な外観が形成されている。
おそらく、色遣いや質感などは、旧本館である鎌倉文華館鶴岡ミュージアムと対比させているのだろう。
19.横浜風の塔【伊東豊雄】

横浜風の塔は、JR横浜駅西口ローターリーの真ん中に設置されている、高さ21mに及ぶ吸気塔である。
建築の設計は、日本を代表する建築家「伊東豊雄」が行った。
建築全体は、内部の四角形平面を持った塔に、9m×6mの楕円形平面を持ったシリンダー型の外皮をかぶせた構成となっており、四角形平面の塔の壁は「アクリルミラー」、シリンダーの外皮は「アルミパンチングメタル」で仕上げられている。
そして、アクリルミラーとアルミパンチングメタルの間に、ネオン管や電球を設置することによって、この吸気塔は夜になると多様な表情を表すシンボルタワーへと変貌する。
20.YOTSUBAKO【MOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO】

- 設計:MOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO
- 住所:神奈川県横浜市都筑区中川中央
- 竣工:2011年
- 用途:テナントビル
- URL:公式ページ
YOTSUBAKOは、横浜市営地下鉄センター北駅に隣接する形で建設された、複数のテナントが入る商業施設である。
建築設計は、原田真宏と原田麻魚によって設立された設計事務所「Mount Fuji Architects Studio」が担当した。
建築全体は、4つの直方体ボリュームが互い違いに積層され、そのボリューム全体を大きなガラスのスキンで覆うという、非常に単純明快な構成となっている。
しかし、このシンプルな全体構成とは裏腹に、建物内外には吹き抜けやテラスといった多様な空間が生まれ、人々のアクティビティが街に表出する魅力的な空間がつくられている。
21.鎌倉歴史文化交流館【ノーマン・フォスター】

- 設計:ノーマン・フォスター
- 住所:神奈川県鎌倉市扇ガ谷
- 竣工:2004年
- 用途:博物館
- URL:公式ページ
鎌倉歴史文化交流館は、鎌倉で発掘された出土品を中心に、鎌倉に関する歴史などを紹介する施設として、2017年に開館した博物館である。
本博物館は、世界的建築家ノーマン・フォスターが手がけた住宅建築をリノベーションする形で開館している。
建築全体は、分厚い石壁が何枚も平行に並べられ、その間に内部空間が設けられたリニアな構成となっている。
日本でも数少ないノーマンフォスター建築。しかも元々は住宅として建てられた建築物である。この要素だけでも一生に一度は訪れるべき建築作品だ。
22.ザ・プリンス 箱根芦ノ湖【村野藤吾】
ザ・プリンス 箱根芦ノ湖は、神奈川県箱根町の広大な湖と山に挟まれる位置に建つ、135室の客室からなる大型リゾートホテルである。
建築の設計は、昭和期を代表する建築家「村野藤吾」が担当した。
建築全体は、円形平面を持った2棟の客室棟が少し距離を置いて南北に配置されており、その両棟は、ロビーやホールなどが入る低層棟によって接続された構成になっている。
また、2棟の客室棟の中央には大きな円形の中庭が設けられており、常に自然を身近に感じられる魅力的な宿泊空間が形成されている。
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今回はこれで以上になります。
最後までご覧いただきありがとうございました。