藤本壮介とは?

- 1971 北海道で生誕
- 1994 東京大学工学部建築学科卒業
- 2000 藤本壮介建築設計事務所設立
- 2009 東京大学特任准教授
藤本壮介は、2025年に開催される「大阪・関西万博」の会場のデザインプロデューサーを務めるなど、今最も勢いのある建築家である。
代表作としては「Tokyo Apartment」「House of Music」「白井屋ホテル」などが知られ、住宅から博物館、ホテル建築まで、多種多様な作品を数多く手がけている。
藤本建築は、真っ白な塗装と洗練された形態というのが特徴的で、全く異なる建築でも藤本壮介らしさというのがあふれ出ていて面白い。
東京大学を卒業しながらも、卒業後数年間はニート同然の暮らしをしていたというのも親近感を覚える建築家である。
【代表作】建築家藤本壮介の建築作品10選
1.Tokyo Apartment




- 住所:東京都板橋区
- 竣工:2010年
- 用途:住宅 長屋
Tokyo Apartmentは、オーナー住戸と3戸の賃貸住宅からなる、3階建ての木造集合住宅である。
コンセプト「家を積み上げる」
このコンセプトの通り、家型を象徴する切妻屋根を持つ小さなボリュームが、角度やサイズを微妙に変えながらいくつも積み上げられている。
このズレをもったボリュームの積層によって、各住戸と街の間に今までになかったような異質な関係性が生まれている。




2.House N
- 住所:大分県
- 竣工:2008年
- 用途:専用住宅
House Nは、家族2人と犬1匹のために大分県に建てられた専用住宅である。
特徴「三重入れ子状の建築」
この建築は、大きな箱・中くらいの箱・小さな箱と、3つの箱が入れ子状に重ねられて一つの住宅を形成している。
そして、それぞれの箱に大小さまざまな開口を設けることで、箱と箱の間には内部でも外部でもない中間領域が生まれ、体験したことのない不思議な空間が形成されている。
3.House NA
- 住所:東京都
- 竣工:2011年
- 用途:専用住宅
House NAは、東京の住宅街に建つ超開放的な専用住宅である。
特徴「小さなガラスキューブを積み重ねた家」
この建築は、ポキッと折れてしまいそうな極細の構造体・小さなボリュームのスケール感・住宅だと思えないほどの解放感など、とにかく前例のない住宅建築となっている。
住宅というよりアスレチックのような建築だ。
4.白井屋ホテル
- 住所:群馬県前橋市本町2-2-15
- 竣工:2010年
- 用途:住宅 長屋
白井屋ホテルは、本館と新館2つの建物からなる群馬県前橋市に建つホテルである。
本館は既存建物の4層の床を取り払い、コンクリートの構造体だけを残した重厚感のある空間が特徴的。
一方で、新館の方は、まるで小さな丘のように緑化された外観が特徴的で、この本館と新館の対比が訪れる旅行客を虜にする。
5.House of Music




- 住所:Budapest, Olof Palme stny.3-5, 1146
- 竣工:2021年
- 用途:音楽ホール 博物館
House of Musicは、ハンガリー・ブタペストの公園に建つ、博物館や音楽ホールなどからなる複合施設である。
コンセプト「森に溶け込む金色の大屋根」
このコンセプト通り、施設全体を大きな金色の大屋根が覆い、その大屋根にあけられた無数の穴から光が木漏れ日のように差し込み、施設内にいてもまるで森の中にいるかのような不思議な体験ができる。
さらにこの大屋根は、施設だけでなく周囲の森まで包み込み、内部とも外部ともいえるような魅力的な中間領域を作り出している。




6.UNIQLO PARK 横浜ベイサイド店
- 住所:神奈川県横浜市金沢区白帆6-5
- 竣工:2020年
- 用途:店舗
UNIQLO PARKは、ユニクロとGUを展開する施設でありながら、滑り台やジャングルジムといった遊具が設置された「公園一体型の商業施設」である。
外観を見て分かるように、屋根全体がまるでパークのように子供たちが遊べる空間となっており、遊び場と店舗が隣接し、いまだかつてない新しい業態が生まれている。
さらに、屋根を突き抜けるように何カ所かに店舗への入り口が設けられており、店舗とパークが連動しながら来場者のアクティビティを誘発していることがわかる。
7.マルホンまきあーとテラス 石巻市複合文化施設
- 住所:宮城県石巻市開成1-8
- 竣工:2021年
- 用途:博物館 劇場
マルホンまきあーとテラスは、ホールや博物館など様々な用途を内包する地上4階建ての複合文化施設である。
コンセプト「多様さを受け止める、形のない形」
このコンセプトを基に、藤本壮介氏はまるで子供が自由に描いたような、家型や煙突が連なる建築を作り出した。
内部空間も、この自由な造形に呼応するように、各プログラムが思うがままに収められ、全体として賑やかな空間を形成している。
8.L’Arbre Blanc(ラルブル・ブラン)
- 住所:Place Christophe Colomb, 34000 Montpellier, France
- 竣工:2019年
- 用途:集合住宅(113戸) アートギャラリー レストラン バー
ラルブル・ブランは、フランスに建てられた、113の住戸が入る集合住宅である。
特徴「キャンチレバーで無数に張り出すバルコニー」
この建築最大の特徴は、どう考えても四方から大きく飛び出す無数のバルコニーである。
このバルコニーがあることで、集合住宅ながらそれぞれの住戸に豊かな外部空間が生まれつつ、隣人との近すぎず遠すぎない適度な関係性も作り出されている。
9.直島パヴィリオン




- 住所:香川県香川郡直島町2249-62
- 竣工:2015年
- 用途:パヴィリオン
直島パヴィリオンは、瀬戸内海に浮かぶアートの島「直島」にあるパヴィリオン(仮設建築物)である。
直島の玄関口である宮浦港のすぐそばに設置され、直島を訪れた人々はまずこのパヴィリオンで写真を撮って島を巡ることとなる。
ステンレスメッシュで構成されるこのパヴィリオンの中に入ると、まるで雲の中にいるような不思議な感覚に陥る。
10.Omotesando Branches
- 住所:東京都渋谷区
- 竣工:2015年
- 用途:テナント オフィス 住宅
Omotesando Branchesは、表参道の裏道に建つ、4階建ての小規模複合施設である。
コンセプト「自然と建築の融合」
表参道の裏道は、元々自然と人工物が多様に混ざり合って魅力的な都市を形成していた。その独特な魅力を建築でも体現しようとしたのがこのOmotesando Branchesである。
具体的には柱・梁といった構造体をまるで樹木の枝のように有機的に配列し、その人口の枝の先に自然の樹木が生えるという、新たな自然と建築の融合方法が提示されている。
藤本壮介の関連書籍








今回はこれで以上になります。
今回ご紹介した建築は、藤本壮介が設計した建築のほんの一部です。
そのため、今後も随時情報を更新していきたいと思っています。
気が向いたら、また本記事をご覧ください。
ではまた。
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