大高正人の建築作品5選【人物像・代表作などを解説】

みなさんこんにちは、本サイト「建築LIFE」を運営しているたけです。

今回は、昭和から平成にかけて活躍した建築家「大高正人(おおたかまさと)」の建築作品5選をご紹介したいと思います。

前川國男の弟子としても知られるモダニズム建築家です。

是非最後までご覧ください。

目次

大高正人(おおたか まさと)とは?

大高正人の経歴

  • 1923年 福島県に生まれる
  • 1947年 東京大学建築学科卒業
  • 1949年 前川國男建築設計事務所入所
  • 1960年 世界デザイン会議にメタボリズムグループの一員として参加
  • 1962年 大高建築設計事務所設立
  • 2010年 逝去(86歳)

大高正人(おおたか まさと)は、都市計画家として様々な都市開発事業を手掛けながら、建築家としても数多くの実作を残している人物である。

建築の代表作としては「神奈川県立近代美術館・鎌倉別館」「千葉県文化会館」などが挙げられ、数多くの文化施設を手掛けている。

また、日本建築界の巨匠前川國男の弟子としても知られており、大学卒業後10年以上もの間、前川國男の事務所に勤務し設計活動を行っていた。

さらに、1960年には菊竹清訓黒川紀章らと共に「メタボリズム・グループ」を結成しており、戦後の日本建築界を牽引した人物の一人としても知られている。

大高正人の建築作品5選

1.神奈川県立近代美術館・鎌倉別館

  • 設計:大高正人
  • 住所:神奈川県鎌倉市雪ノ下
  • 竣工:1984年
  • 用途:美術館
  • URL:公式ページ

神奈川県立近代美術館・鎌倉別館は、旧神奈川県立近代美術館(坂倉準三)の別館として、1984年に建設された建築物である。

現在は、神奈川県葉山町にある「神奈川県立近代美術館・葉山館」と近代美術館の機能を分担する形で運営されている。

建築全体は、敷地内にある埋蔵遺跡を避けるためにキャンチレバーが多い構成となっているが、外壁は粗目の質感を持つ炻器質タイルによって仕上げられているため、重厚感と軽快さを兼ね備えた魅力的な外観が形成されている。

おそらく、色遣いや質感などは、旧本館である鎌倉文華館鶴岡ミュージアムと対比させているのだろう。

2.群馬県立歴史博物館

  • 設計:大高正人
  • 住所:群馬県高崎市綿貫町
  • 開館:1979年
  • 用途:博物館
  • URL:公式ページ

群馬県立歴史博物館は、群馬県の歴史や文化に関する資料を展示するための施設として、群馬県高崎市に建てられた博物館建築である。

本施設は、隣接する「群馬県立近代美術館(磯崎新)」と収蔵庫・ホールを共有する形で配置計画が行われており、美術館と博物館を一体利用できる全体構成となっている。

一方で、空間は共有しながらも、博物館は「黒い方形屋根の集合体」、美術館は「白銀の立方体の集合体」といった風に、対立的な要素によって構成されており、両者の対比が魅力の一つにもなっている。

北九州市立美術館と共に、磯崎新初期の代表作として知られる建築作品である。

3.福島県立美術館

福島県立美術館
  • 設計:大高正人
  • 住所:福島県福島市森合字西養山
  • 竣工:1984年
  • 用途:美術館
  • URL:公式サイト

福島県立美術館は、福島県福島市の市街地にポツリと佇む山「信夫山」の麓に、福島県立図書館と併置する形で建設された県立美術館である。

建築は、大高正人の事務所が何年も前から挑戦していた「日本の伝統的な独自性の蘇生」というテーマを基に、切妻屋根・寄棟屋根・方形屋根といった日本伝統の屋根形式を付与した構成となっている。

また、隣接するする福島県立図書館とは「渡り廊下」で動線的に接続されているのだが、それだけではなく、外壁タイルなどの「素材」も統一することによって、視覚的な統一感も演出している。(設計者は別々だが、協議を行いながら設計が進められた)

4.千葉県立美術館

photo by Wiiii/CC 表示-継承 3.0
  • 設計:大高正人
  • 住所:千葉県千葉市中央区
  • 竣工:1976年
  • 用途:美術館
  • URL:公式ページ

千葉県立美術館は、千葉県にゆかりのある美術作品を中心に収集・展示する施設として、1976年に建設された公立美術館である。

広い敷地に対して、複数の低層ボリュームを並べた分棟形式を採用している本建築は、中庭やテラスといった外部と内部の緩衝空間を作り出しながら、魅力的な美術館を形成している。

また、陸屋根の建物は「管理棟」切妻屋根の建物は「展示棟」として機能を明快に分離。

そして、外壁は赤レンガ風の磁器質タイル、内部はコンクリート打ち放しによって仕上げることによって、公立美術館らしい落ちつきのある佇まい作り出している。

5.千葉県文化会館

photo by のどごし隊長/CC 表示-継承 3.0
  • 設計:大高正人
  • 住所:千葉県千葉市中央区市場町
  • 竣工:1967年
  • 用途:文化施設
  • URL:公式ページ

千葉県文化会館は、大小2つのホールや会議室などの機能が入る、千葉県千葉市に建つ文化施設である。

建築全体は、コンクリート打ち放しの外壁や水平性の高い構成など、モダニズムの象徴的な要素が随所に取り入れられており、モダニズム建築好きにはたまらない建築作品となっている。

その証拠に、本施設はDOCOMOMO JAPANによって「日本におけるモダン・ムーブメントの建築100選」に選定されており、その建築的価値は十分に評価されている。

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今回はこれで以上になります。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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