KAIT工房とは?

KAIT工房は、神奈川工科大学のロボットや人力飛行機といった様々な創作活動と、それらの展示を行う施設である。
設計を務めたのは建築家石上純也氏であり、この工房が彼のデビュー作となる。
この建物は、ワンルーム空間に細い柱がランダムに林立し、森の中のような空間がつくられているのが特徴的である。

そんな、KITE工房の特徴をご紹介します!!
石上純也とは?
- 1974 神奈川県に生まれる
- 2000 東京藝術大学大学院修了
- 2000 妹島和世建築設計事務所勤務
- 2004 石上純也建築設計事務所設立
- 2009 日本建築学会作品賞受賞
- 2014 ハーバード大学教員
石上純也は、2022年現在47歳、東京藝術大学出身の建築家である。
代表作としては、「KITE工房」「KITE広場」「ボタニカルガーデン アートビオトープ『水庭』」などが挙げられる。
建築の特徴としては、既成概念にとらわれず、自然や風景といった建物以外も建築するという独自のスタイルを確立している。

栃木県那須町に存在する庭園である。
この庭園は、樹木・池・苔の3つの要素によって構成され、これらの要素を建築のように設計している。
建築の特徴

KITE工房の建築的特徴としては、次のような点が挙げられる。
- シンプルなガラス張りの外観
- 柱による森の中のような空間
- ワンルームのフレキシブルな空間
- 様々な形状・角度の柱
- 特徴的な家具
シンプルなガラス張りの外観

KAIT工房は、正方形が少し崩れたシンプルな平面形状を持つ。
さらに、外壁は全面ガラス張りとなっており、内部と外部の境界があいまいな空間を作り出している。
また、周囲はサクラ並木によって囲われており、春になるとサクラがガラスに映り込み魅力的な景観を形成する。
柱による森の中のような空間

KAIT工房の内部空間には、サイズの異なる305本の鉄骨柱がランダムに配置されている。
これは、まるで木が林立する森の中のような空間構成となっている。
また、天井にはストライプ状のトップライトが設置されており、木漏れ日のような光が室内に落ち、さらに森の中のような空間が強調されている。
ワンルームのフレキシブルな空間

KAIT工房は、上の図のように全体がワンルーム空間となっており、柱の密度の違いによって必要な領域が形成されている。
この曖昧な空間構成によって、様々な活動や会話が入り混じる、にぎやかな空間となっている。
この構成を可能としているのは、「鉛直支持柱」と「水平支持柱」の2種類の柱による構造体である。
様々な形状・角度の柱

細い柱が林立する内部空間。
よく見ると、柱はさまざまな厚さ、角度になっており、それぞれが鉛直荷重だけでなく地震力などの水平荷重にも対応できるようになっている。
この構成によって、壁のないワンルーム空間を実現しつつ、空間にわずかな変化ももたらしている。
特徴的な家具

林立する柱の間に設置されている、白い椅子・テーブル・ベンチなども石上事務所による設計である。
この家具も、建築の柱と同様に、かなり細い部材で構成されており、折れてしまうのではないかというほど洗練された形態になっている。
建築概要
- 所在地:神奈川県厚木市下荻野
- 竣工 :2008年1月
- 用途 :工房
- 構造 :鉄骨造
- 階数 :地上1階
- 高さ :5.052m
- 設計 :石上純也建築設計事務所
- 施工 :鹿島建設
施設概要
- Tel :046-291-3033
- 見学 :不定期
- 見学時間:12:00~15:00
- URL :KAIT工房|神奈川工科大学
最後に・・・
以上がKAIT工房の特徴でした。
ワンルームに細い柱が乱立していることで、森の中のような空間が作り出された魅力的な建築となっていたと思います。

是非一度、KITE工房に訪れてみてください!!
ご覧いただきありがとうございました。