皆さんこんにちは、当サイト「建築LIFE」を運営しているたけと言います。
今回は、実は有名建築家が設計した施設が数多く存在している「青森県」の有名建築物15選をご紹介したいと思います。
安藤忠雄や青木淳といった日本を代表する建築家の作品はもちろんのこと、日建設計や梓設計などの大手組織設計事務所が手がける作品も数多く存在しており、青森県は隠れた建築の宝庫となっています。
そんな青森県の魅力的な建築物を15個厳選したので、是非最後までご覧ください。
では早速本題に移ります。
青森県の有名建築物15選【安藤忠雄や梓設計など】
1.青森県立美術館【青木淳】





- 設計:青木淳
- 竣工:2005年
- 用途:美術館
- 住所:青森県青森市大字安田字近野185
- URL:公式ページ
青森県立美術館は、2021年・世界文化遺産に登録された縄文時代の遺跡「三内丸山縄文遺跡」と隣接する位置に建つ美術館建築である。
設計を務めたのは、「潟博物館」や「ルイ・ヴィトン表参道ビル」など、数多くの公共建築を手掛ける建築家・青木淳だ。
コンセプト「三内丸山縄文遺跡との一体性」
このコンセプトを基に、「三内丸山縄文遺跡」の荒々しさを表現した「土の空間」と、その上にかぶさるように存在する「白い空間」の凹凸がかみ合うに組み合わされた建築物が完成している。
端的に説明するのが難しい建築であるため、詳細については以下の記事を参照いただきたい。




2.十和田市現代美術館【西沢立衛】








- 設計:西沢立衛
- 竣工:2008年
- 用途:美術館
- 住所:青森県十和田市西二番町
- URL:公式ページ
十和田市現代美術館は、22人のアーティストによるコミッションワーク(デザイナーがクライアントから依頼されて作成した作品)を中心に扱う、青森県十和田市に建つ現代美術館である。
設計を務めたのは、「豊島美術館」や「森山邸」など、特異な建築作品を数多く手がける建築家西沢立衛だ。
コンセプト「美術と街の融合」
このコンセプトを基に、作品ごとに分割された複数の展示棟が、街に投げ出されるかのように配置され、街に美術品が置かれたような風景を作り出している。




3.国際芸術センター青森【安藤忠雄】




- 設計:安藤忠雄
- 竣工:2001年
- 用途:集会場 旅館 作業場
- 住所:青森県青森市大字合子沢字山崎152-6
- URL:公式ページ
国際芸術センター青森は、アート作品の滞在制作・展覧会・教育普及などを目的として、青森県青森市・八甲田山の麓に建てられた芸術センターである。
設計を務めたのは、コンクリート建築で知られる世界的建築家・安藤忠雄だ。
本施設は、馬蹄型の「中央棟」と、直線型の「宿泊棟・アトリエ棟」という計3つの棟で構成されており、それらの幾何学的形態を組み合わせるといった構成は、安藤忠雄の真骨頂でもある。
また、安藤忠雄はこの建築のテーマとして「見えない建築」というのを掲げており、それぞれの棟は可能な限り高さを抑えることで、周辺の緑豊かな景観を破壊せずに、自然と建築の共生を実現している。
4.八戸市美術館【西澤徹夫・浅子佳英・森純平】




- 設計:西澤徹夫・浅子佳英・森純平
- 竣工:2020年
- 用途:美術館
- 住所:青森県八戸市番町10-4
- URL:公式ページ
八戸市美術館は、1986年に旧八戸税務署ビルを利用する形で開館し、2021年に現施設に建て替えられた、青森県八戸市に建つ美術館である。
設計は、西澤徹夫・浅子佳英・森純平という3人の建築家の共同設計で行われた。
本施設は内部構成が特徴的であり、上部部分がガラス張りになった巨大な一室空間「ジャイアントルーム」と、そのジャイアントルームと対面するように並べられた「個室群」の2つの要素で構成されている。
この2つの質の異なる空間を並列に配置することによって、多様な活動が交じり合い、様々な偶然の出会いが生まれる魅力的な空間を作り出している。
5.弘前れんが倉庫美術館【田根剛】




- 設計:田根剛
- 竣工:2020年
- 用途:美術館
- 住所:青森県弘前市吉野町2-1
- URL:公式ページ
弘前れんが倉庫美術館は、1907年に酒造倉庫として建てられた「吉野町煉瓦倉庫」を美術館として改修し、2020年に開館した美術館施設である。
設計を務めたのは「エストニア国立博物館」の国際コンペで最優秀賞を受賞し、建築界に名を轟かせた建築家・田根剛だ。
田根剛はこの施設の設計で、新築・改築・増築・減築のいずれかを実施するのではなく、過去から学び未来へと継承するための「延築(田根剛の造語)」を試みている。
具体的には、通常、煉瓦組積造の建物を耐震補強する際には、内側に鉄骨の骨組みを組み上げて、既存のレンガを化粧材にしてしまう場合が多いのだが、それだと延築にはならないと考え、この建築では、煉瓦の壁に上から長さ約9mの穴を貫通させ、そこにPC鋼棒とコンクリートを流しいれ、基礎と緊結することで耐震補強を行っている。
つまり、過去の構造体を未来へと継承しているわけだ。
6.しもきた克雪ドーム【原広司】




- 設計:原広司
- 開館:2005年
- 用途:体育館 観覧場
- 住所:青森県むつ市
- URL:公式ページ
しもきた克雪ドームは、青森県むつ市に建つ、地域住民が各種スポーツやイベントを屋内で行えるようにと建設された施設である。
設計を務めたのは「梅田スカイビル」や「京都駅ビル」などを手掛ける、日本を代表する建築家原広司だ。
施設全体としては、人工芝で仕上げられたフィールドを持つ「ドーム棟」と、プールやアスレチックジムの入った「センターハウス棟」の2棟で構成されている。
ドーム棟は、円形の平面を持ったドームに見えるが、実は平面は108m×108mの正方形になっており、その正方形アリーナの上を二重膜の半球屋根が覆う形となっている。
7.縄文時遊館【梓設計】








- 設計:梓設計
- 開館:2002年
- 用途:展示場
- 住所:青森県青森市大字三内字丸山305
- URL:公式ページ
縄文時遊館は、日本最大の縄文集落跡「三内丸山遺跡」のビジターセンターとして、2002年に建設された施設である。
設計を務めたのは、「埼玉スタジアム」や「山梨県立博物館」など数多くの公共施設を手掛ける、大手建築設計事務所「梓設計」だ。
本施設は、緑豊かな周辺環境との調和を図るために、低層&屋上緑化という構成を採用しており、まるで地形に埋め込まれ、自然と一体になったような建築物となっている。
また、施設中央には大きな広場が設けられており、その広場を囲うようにして回廊状の内部空間を作り出しているため、どこにいても常に自然を感じることのできる空間構成となっている。
8.青森県観光物産館アスパム【日建設計】




- 設計:日建設計
- 開館:1986年
- 用途:展示室 展望台 貸店舗
- 住所:青森県青森市安方1-1-40
- URL:公式ページ
青森県観光物産館アスパムは、レストランや展示室、観光プラザなど様々な機能が入る、青森県青森市に建つ複合施設である。
設計を務めたのは「東京タワー」や「東京ドーム」など、超大規模建築物を数多く手がける、日本最大級の組織設計事務所・日建設計である。
本施設は、鋭角な角を持った三角形の形態が象徴的な建築物となっているが、実はこれ、青森の頭文字である「A」をモチーフにして設計されている。
非常にシンプルなコンセプトではあるが、それをここまで真面目に建築化されると、それはそれで面白い。
9.新青森県総合運動公園陸上競技場【伊東豊雄】




- 設計:伊東豊雄
- 開館:2018年
- 用途:多目的陸上競技場
- 住所:青森県青森市大字宮田字高瀬外地内
- URL:公式ページ
新青森県総合運動公園陸上競技場は、青森県青森市大字宮田にある運動公園「新青森県総合運動公園」の中に建つスタジアム建築である。
設計を務めたのは、日本のみならず世界的にも活躍する建築家・伊東豊雄だ。
建築としては、メインスタンドとエントランスの上に設置された「有機的な曲面を持つ大屋根」が特徴的で、積雪・風雪を防ぐ役割を果たしている。
伊東豊雄は「せんだいメディアテーク」や「ぎふメディアコスモス」といった、有機的な構造を持った建築を手掛けることで有名だが、スタジアムという大規模建築でも、そのスタイルを一貫しているあたりはさすがである。
10.新青森県総合運動公園 青い森アリーナ【池原義郎】




- 設計:池原義郎
- 竣工:2002年
- 用途:体育館
- 住所:青森県青森市大字宮田字高瀬22-2
- URL:公式ページ
青い森アリーナは、一つ前に紹介した「新青森県総合運動公園陸上競技場」と同様で、青森県青森市大字宮田にある運動公園「新青森県総合運動公園」の中に建つ体育施設である。
設計を務めたのは「西武ライオンズ球場」や「西武遊園地」を設計したことで知られる建築家・池原義郎だ。
上空写真を見るとわかるが、この施設は「弓を張ったような庇を持つ前面通路」と「大きな屋根を持つ4つの棟」によって構成されており、4つの棟にはそれぞれメインアリーナ・サブアリーナ・スポーツ科学センター・合宿所が配される。
また、2011年にはスーパーマーケット運営会社「マエダ」がこの施設の命名権を獲得し、現在は「マエダアリーナ」として親しまれている。
11.中三弘前店【毛綱毅曠】




- 設計:毛綱毅曠
- 竣工:1995年
- 用途:百貨店
- 住所:青森県弘前市土手町491他
- URL:公式ページ
中三弘前店は、株式会社中三が青森県で展開する百貨店の「弘前店」として、1995年に建設された商業施設である。
設計を務めたのは、「石川県能登島ガラス美術館」「くびき駅」など、建築とは思えないような作品を数多く手がける異色の建築家「毛綱毅曠」だ。
建築としては、土淵川が流れる面に設置されている「逆円錐型の構造物」が象徴的な外観を作り出しているが、この中には多目的ホールが配置されている。
また、この施設にはエントランスを入るとすぐに「円形吊階段」が設置されており、施設内部へ人を誘導する役割を果たしている。
12.弘前市立博物館【前川國男】




- 設計:前川國男
- 開館:1977年
- 用途:博物館
- 住所:青森県弘前市下白銀町1−6
- URL:公式ページ
弘前市立博物館は、青森県弘前市にある「弘前公園」内に建設された市立美術館である。
設計を務めたのは、日本建築界の巨匠・前川國男である。
弘前公園内には「弘前城」や同じく前川國男が設計した「弘前市民会館」などが建っており、それらの建築物との関係性などを配慮して本施設は設計された。
建築としては、ピロティや赤レンガ風タイル、広いロビー空間など、前川國男らしさが存分に発揮された作品となっている。
13.是川縄文館【岡設計】




- 設計:岡設計
- 竣工:2010年
- 用途:博物館
- 住所:青森県八戸市大字是川字横山1
- URL:公式ページ
是川縄文館は、縄文文化の研究・展示・保存などを目的に、青森市にある縄文時代の遺跡「是川遺跡」に隣接する位置に建設された博物館である。
設計を務めたのは、公共施設を数多く手がける建築設計事務所・岡設計である。
本施設は、三角形の形態が特徴的な「縄文時代の竪穴住居」や、縄文時代から使用され始めたとされる「漆」の色味をイメージして設計されている。
また、施設中央には、広いアトリウム空間が存在しており、複数の諸室に一体性をもたらす重要な役割を果たしている。
14.青森県立三沢航空科学館【梓設計】








- 設計:梓設計
- 竣工:2003年
- 用途:博物館
- 住所:青森県三沢市三沢北山158
- URL:公式ページ
青森県立三沢航空科学館は、「航空史」と「科学」を専門的に取り扱う、青森県三沢市に建つ博物館施設である。
設計を務めたのは、「埼玉スタジアム」や「山梨県立博物館」など数多くの公共施設を手掛ける、大手建築設計事務所「梓設計」だ。
本州最東端の空港として知られる「三沢空港」のすぐそばに建つ本施設は、建物の前面に大きな「円形広場」をもっており、その広場には航空自衛隊やアメリカ空軍などによる協力の下で「実物の航空機」が設置されている。
また、建築としては、ガラスの壁でできたシンプルな箱型形態をしているが、その内部には柱のない大空間が広がっており、そこには航空機の実物大模型などが展示されている。
15.三沢市寺山修司記念館【粟津潔】




- 設計:粟津潔
- 開館:1997年
- 用途:博物館
- 住所:青森県三沢市三沢早稲田116−2955
- URL:公式ページ
三沢市寺山修司記念館は、青森県三沢市ゆかりの芸術家・寺山修司の顕彰を目的として、1997年に建設された博物館建築だ。
本施設は、寺山修司と親交のあったデザイナー「粟津潔」のデザインを基に建設されている。
施設全体としては、「展示棟」と「ホワイエ棟」の2棟で構成されており、その2棟の間には渡り廊下が架けられており、一体的な利用が可能となっている。
また、この2棟の外壁には「ピエロの顔」や「寺山氏と交流のあった約30人のメッセージ陶板」などが取り付けられており、異様な雰囲気を作り出している。
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