皆さんこんにちは、本サイト「建築LIFE」を運営しているたけです。
今回は、エストニア国立博物館で弱冠26歳ながら鮮烈なデビューを果たした建築家「田根剛」の建築作品3選をご紹介したいと思います。
フランス・パリを拠点に活躍する若手日本人建築家です。
是非最後までご覧ください。
田根剛(たねつよし)とは?
田根剛の経歴
- 1979年 東京に生まれる
- 2000年 シャルマス工科大学留学
- 2002年 北海道東海大学芸術工学部建築学科卒業
- 2002年 デンマーク王立芸術アカデミー客員研究員
- 2003年 ヘニング・ラーセン事務所
- 2005年 アジャエ・アソシエイツ
- 2006年 DGT.設立
- 2017年 Atelier Tsuyoshi Tane Architects設立
田根剛とは、フランス・パリに自身の事務所を設立し、世界的に設計活動を展開している日本人建築家である。
北海道東海大学の建築学科を卒業した田根剛だが、在籍中にはスウェーデン大学へ留学したり、卒業後はデンマーク王立芸術アカデミーに客員研究員になるなど、海外を中心に数多くの経験を積んでいる。
そんな中、2005年に行われた「エストニア国立博物館」の国際コンペに、友人2人と共に応募したところ、なんと最優秀賞を獲得。
その流れのまま、コンペを共同で行った2人と共に、パリに「DGT.(Dorell.Ghotmeh.Tane / Architects)」を設立。2017年まで、エストニア国立博物館をはじめとして、さまざまなプロジェクトを手掛けてきた。
2017年にDGT. は協同体制を解消して、それぞれが別の道を歩むことになり、田根剛は自身の設計事務所「Atelier Tsuyoshi Tane Architects」を設立して現在に至る。
田根剛の代表作には「エストニア国立博物館」や「弘前れんが倉庫美術館」が挙げられる一方、実現はしなかったものの、新国立競技場のコンペの際に、スタジアム全体が緑で覆われた「古墳スタジアム」という異質な案を提案したことでも一時期話題になった。
田根剛の作品集
田根剛の建築作品3選
1.エストニア国立博物館
- 設計:DGT.
- 住所:エストニアタルトゥ市
- 竣工:2016年2月
- 用途:博物館
- URL:建築詳細ページ
エストニア国立博物館は、ヨーロッパ北東部に位置する北国「エストニア」内に建つ国立博物館である。
1940年~1991年の間、エストニアはソ連に占領されていたという過去を持つ。
そして、本施設の敷地は、ソ連がエストニアを占領していた時に軍用滑走路として使用されていた場所に設定されている。
このような複雑な、時代背景や敷地条件を持つプロジェクトに対して、田根剛らDGT. は、軍用滑走路を延長するような形で博物館を建てるという大胆な提案をした。
田根剛がエストニア国立博物館のコンペで最優秀賞に選ばれたのは、なんと26歳の時である。
この作品をきっかけに、田根剛は世界的に活躍していくこととなる。
建築詳細ページ
2.弘前れんが倉庫美術館
- 設計:田根剛
- 住所:青森県弘前市吉野町2-1
- 竣工:2020年
- 用途:美術館
- URL:公式ページ
弘前れんが倉庫美術館は、1907年に酒造倉庫として建てられた「吉野町煉瓦倉庫」を美術館として改修し、2020年に開館した美術館施設である。
田根剛は倉庫の改修を担当している。
田根剛はこの施設の設計で、新築・改築・増築・減築のいずれかを実施するのではなく、過去から学び未来へと継承するための「延築(田根剛の造語)」を試みている。
通常、煉瓦組積造の建物を耐震補強する際には、内側に鉄骨の骨組みを組み上げて、既存のレンガを化粧材にしてしまう場合が多い。
しかし、それだと延築にはならないと田根剛は考え、この建築では、煉瓦の壁に上から長さ約9mの穴を貫通させ、そこにPC鋼棒とコンクリートを流しいれ、基礎と緊結することで耐震補強を行うという方法を採用している。
つまり、過去の構造体を最大限に生かす形で耐震補強を行うことで、建物の記憶を過去から未来へと継承しているというわけだ。
3.帝国ホテル ※2036年竣工予定
- 設計:田根剛
- 住所:東京都千代田区内幸町
- 竣工:2036年(予定)
- 用途:ホテル
- URL:参考ページ
帝国ホテルは、東京都千代田区の日比谷公園前に建っているホテル建築である。
現在建っている帝国ホテルは、ホテル建築の名手として知られている高橋貞太郎が設計した3代目帝国ホテルであり、1代目は渡辺譲、2代目はフランク・ロイド・ライトが設計している。
そんな、歴史ある帝国ホテルの「4代目施設」の設計を担当することになったのが、田根剛なのである。
竣工は2036年を予定しており、上の画像、現時点での完成予想図となっている。
今後様々な変更が加えられる可能性があるが、4代目帝国ホテルはまるで神殿のようなタワー建築に生まれ変わるようである。
歴代帝国ホテルについて
参考サイト・書籍
- 田根剛‐Wikipedia
- 本学工学部建築学科の客員教授に世界的な建築家・田根剛氏が就任‐学校法人東海大学
- 田根剛氏が協働体制を解消し独り立ち‐日経XTECH
- エストニア国立博物館‐新建築データ
- 建築‐弘前れんが倉庫美術館
- 弘前レンガ倉庫美術館‐新建築データ
- 帝国ホテル新本館を手がける、建築家・田根剛の挑戦‐TOKYO UPDATES
本記事は、上記のサイトや書籍を参考に執筆しました。
最後までご覧いただきありがとうございました。