石川県の有名建築物16選【安藤忠雄・SANAA・谷口吉生など】

みなさんこんにちは、本サイト・建築LIFEを運営している「たけ」です。

今回は、石川県の有名建築物16選をご紹介したいと思います。

石川県は、金沢市を中心に安藤忠雄やSANAA、谷口吉生といった大物建築家が設計した建築作品が数多く存在しており、建築の聖地としても知られています。

本記事では、それら魅力的な建築物の概要を簡単に解説しているので、石川県で建築巡りをする際には、是非本記事を参考にしてみてください。

では早速本題に入ります。

目次

石川県の有名建築物16選【安藤忠雄・SANAA・谷口吉生など】

1.金沢駅【白江龍三】

金沢駅東口広場は、石川県金沢市にある日本で最も美しいと言われる駅前広場である。

実際に金沢駅は、アメリカの旅行雑誌「トラベル&レジャー」で世界で最も美しい駅14選に日本で唯一選出されている。(6位)

金沢駅の設計を務めたのは、日本大学理工学部出身の建築家・白江龍三である。

コンセプト「駅を降りた人に傘を差しだすおもてなしの心」

このコンセプトを基に、金沢駅前全体を覆うガラス張りの大空間「もてなしドーム」が駅を降りた人にそっと傘を差しだし、そして、もてなしドームの出入り口に佇む「鼓門」が金沢に訪れた人を優しく送り出す役割を果たしている。

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2.金沢21世紀美術館【SANAA】

  • 設計:SANAA
  • 竣工:2004年
  • 用途:美術館
  • 住所:石川県金沢市広坂
  • URL:公式ページ

金沢21世紀美術館は、21世紀の新しいモデルになることを意図して設計された、石川県金沢市に建つ市立美術館である。

設計を務めたのは、妹島和世と西沢立衛による建築家ユニット「SANAA」だ。

コンセプト「明るい開放的な美術館」

このコンセプトを基に、大きな「円形ボリューム」の中に大小さまざまな大きさを持った「四角形ボリューム」や、光を取り入れる「中庭」などが貫入し、光であふれる魅力的な内部空間を形成している。

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3.鈴木大拙館【谷口吉生】

鈴木大拙すずきたいせつ館は、金沢出身の仏教哲学者「鈴木大拙」の書籍・原稿・写真などを収蔵・展示するために建てられた博物館建築物である。

設計を務めたのは、国内外で多くの美術館や博物館を手掛ける建築家「谷口吉生」だ。

コンセプト「鈴木大拙の思想に触れる回遊空間」

このコンセプトを基に、仏教哲学者の作品を展示するという特殊性を、日本伝統の空間構成と回遊的空間構成を用いることによって、見事に建築に落とし込んだ魅力的な建築作品となっている。

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4.石川県能登島ガラス美術館【毛綱毅曠】

photo by 小石川人晃/CC 表示-継承 4.0

石川県能登島ガラス美術館は、ガラス工芸の展示を主目的として、1991年・石川県七尾市に建設された県立美術館である。

本施設は、前衛的な建築を設計することから安藤忠雄・渡辺豊和らと共に「関西の三奇人」と呼ばれた建築家「毛綱毅曠」が設計を担当。

毛綱毅曠はこの施設全体を「枯山水」に見立てて設計しており、敷地全体を枯山水の庭、その庭に点在する建築群を「石」に置換して考えたそう。

そして、この分散配置された建築群をスロープや階段、回廊などをで結ぶことによって、様々なシークエンスを楽しめる施設が作り出されるというわけだ。

また、建築自体も毛綱毅曠らしさがあふれ出た奇抜なデザインとなっており、中央のコロッセオのような形態を持った棟は「翼」を、左奥の棟は「笛」をイメージして設計したという。

5.加賀片山津温泉・街湯

加賀片山津温泉・街湯は、石川県加賀市という温泉街に建つ温泉施設である。

本施設は、美術館や博物館などの公共施設を数多く手がけることで知られる建築家「谷口吉生」が設計を担当。

建築は、幅42m・高さ9.8mの2枚の鉄骨造の「ガラス壁」が象徴的な構成となっており、前面に広がる広大な「柴山潟」と共鳴するかのような魅力的な外観を作り出している。

谷口吉生は「葛西臨海公園展望広場レストハウス」においても、ガラスのファサードが印象的な建築物を設計しているが、その際にはガラスの壁というよりは、ガラスの直方体を作り出していた。

そのあたりの違いも比較してみると、谷口建築をより楽しめるかもしれない。

6.谷口吉郎・吉生記念金沢建築館【谷口吉生】

photo by Araisyohei/CC 表示 4.0

金沢建築館は、金沢で生まれ育った建築家「谷口吉郎」の住居跡地に建てられた、建築と都市をテーマにした博物館である。

本施設は、谷口吉郎の長男である建築家「谷口吉生」が設計を担当している。

コンセプト「建築・都市を考える博物館」

このコンセプトを基に、歴史的建造物や美術館・博物館が街中に数多く点在する建築都市・金沢から世界に向けて「建築文化」を発信するための施設が完成している。

7.縄文真脇温泉【象設計集団】※現存せず

photo by scarletgreen/CC 表示 2.0

縄文真脇温泉は、縄文時代の集落跡「真脇遺跡」の背後にある、真脇遺跡公園内に建設された公衆浴場である。

本施設は、建築家「吉阪隆正」の弟子である5人の建築家によって設立された「象設計集団」が設計を担当。

建築としては、浴室・脱衣室・受付・休憩室・ロビーなどの機能が入った「七つの棟」からなり、それぞれ特徴的な屋根形状を持つ。

最も象徴的な「天に向かって伸びる屋根」は男性をイメージした形状となっており、さらに瓦屋根を持つ棟の中には女性をイメージして設計された棟も存在する。

残念がら本施設は現存していない。

8.石川県九谷焼美術館【象設計集団】

photo by Akimoto/CC 表示-継承 3.0

石川県九谷焼美術館は、石川県九谷地方で作られる磁器「九谷焼」を収集・展示することを主目的として、石川県加賀市に建設された美術館である。

本施設の設計も「象設計集団」が担当している。

施設全体は、赤瓦葺が象徴的な5つの棟によって構成されており、隣接する「加賀市立中央図書館」や「杜親水公園」との関係性を考慮した平面配置となっている。

さらに、棟間には「2つの中庭」が設置されており、光や風などで季節を感じながら九谷焼を鑑賞することもできる。

9.石川県金沢港大野からくり記念館【内井昭蔵】

photo by Opqr/CC 表示-継承 4.0

からくり記念館は、金沢市が生んだからくり師「大野弁吉」の業績の顕彰と、からくりの世界の収集・展示などを目的として、1996年に建設された博物館である。

設計を務めたのは、戦後の日本建築史を代表する建築家「内井昭蔵」だ。

コンセプト「からくりを象徴する建築」

このコンセプトを基に、「からくり」の世界観を有機的な木組みによって表現したダイナミックな建築物が完成している。

10.金沢海みらい図書館【シーラカンスK&H】

photo by Asturio Cantabrio/CC 表示 4.0

金沢市には、大規模な図書館がいくつも存在することで知られているが、この金沢海みらい図書館は「玉川図書館」や「泉野図書館」などに次いで4番目に建てられた市立図書館である。

設計を務めたのは、工藤和美と堀場弘による建築家ユニット「シーラカンスK&H」だ。

コンセプト「本と人と空間の共存」

このコンセプトを基に、内部の大空間と無数の丸い採光窓によって、森の木漏れ日の中で同時に多くの人が読書をするかような、魅力的な空間が形成されている。

11.石川県立図書館【仙田満】

photo by Asturio Cantabrio/CC 表示-継承 4.0
  • 設計:仙田満
  • 竣工:2022年
  • 用途:図書館・集会室
  • 住所:石川県金沢市小立野
  • URL:公式ページ

石川県立図書館は、2021年11月に閉館した旧館に代る形で、2022年7月に新たに開館した県立図書館である。

設計を務めたのは、児童向けの施設を数多く手がけることで知られる建築家「仙田満」だ。

コンセプト「めぐる めくる めくるめく図書館」

このコンセプトを基に、あらゆる人が図書館を自由に「めぐり」、本を自由に「めくる」ことによって「めくるめく」体験ができるような施設が完成している。

12.金沢市立玉川図書館【谷口吉生・谷口吉郎】

玉川図書館は、昭和5年に「大礼記念金沢市立図書館」として開館し、昭和54年に現在の玉川町に移転した、金沢市で最も歴史のある公立図書館である。

設計者は谷口吉郎吉生親子であり、後にも先にも親子で共同設計をした建築作品は、この玉川図書館のみとなっている。

コンセプト「赤レンガを媒介にした2つの建物の融合」

建物はスタイリッシュなデザインの「本館」と外壁の赤レンガが象徴的な「別館」に分かれているが、本館の中庭などに赤レンガを使用するなど、両者を関連付ける工夫がいくつもなされているのが特徴的な図書館となっている。

13.本多の森ホール【黒川紀章】

photo by Hirorinmasa/CC 表示-継承 3.0

本多の森ホールは、もともと兼六園野球場があった扇形の敷地に、1977年新しく建設されたコンサートホールである。

設計を務めたのは、日本を代表する建築家「黒川紀章」。

コンセプト「扇形の継承」

旧野球場によって形成された扇形の敷地は、コンサートホールという新しい用途の形態として最適であったため、黒川紀章はその敷地形状ををそのままボリュームとして立ち上げ、具体的な設計を行っていった。

14.いしかわ総合スポーツセンター【池原義郎】

photo by クハ419-5/CC 表示-継承 3.0

いしかわ総合スポーツセンターは、国際競技の開催から日常利用まで、幅広い目的をもって建設された、石川県立のスポーツ施設である。

設計を務めたのは、「西武園遊園地」や「西部ライオンズ球場」など大規模な建築を多く手掛ける建築家「池原義郎」。

コンセプト「ゆるやかに直列する大空間」

このコンセプトを基に、メインアリーナ・サブアリーナ・プールといった必要機能を直線状に配置し、全長233mの大屋根で覆うことで、独立しつつ連続した新しいスタイルの競技施設が完成している。

15.石川県西田幾多郎記念哲学館【安藤忠雄】

石川県西田幾多郎記念哲学館
photo by Hirorinmasa/CC 表示-継承 3.0

石川県西田幾多郎記念哲学館は、日本人哲学者「西田幾多郎」の顕彰を目的として、彼の出身地である石川県かほく市に建設された博物館である。

建築の設計は、コンクリート建築を数多く手がけることで知られる建築家「安藤忠雄」が担当。

本施設は、高くそびえたつ「縦長のガラスボックス(写真左)」と、地面を這うように佇む「横長のガラスボックス(写真右)」という2つのシンプルなボリュームによって全体像が構成されており、建物前面には傾斜する地形と一体化した「階段広場」が設けられている。

21世紀初期の安藤忠雄は「兵庫県立美術館」や「ランゲン美術館」といった、ガラスの箱の中にコンクリートの箱を収めた「入れ子構造」の建築物を数多く手がけており、本施設もその一連の入れ子建築の1種となっている。

16.中谷宇吉郎雪の科学館【磯崎新】

中谷宇吉郎雪の科学館
photo by Namazu-tron/CC 表示-継承 3.0
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