仙田満とは?
- 1941 横浜市に生まれる
- 1964 東京工業大学理工学部 建築学科卒業
- 1964 菊竹清訓建築設計事務所入所
- 1968 環境デザイン研究所を設立
- 2001 日本建築学会会長就任
- 2006 日本建築家協会会長就任
仙田満とは、保育園や幼稚園など『児童向けの施設』を数多く手がけることで知られる、日本を代表する建築家である。
代表作としては「国際教養大学図書館」「広島市民球場」などが挙げられ、幅広いジャンルの建築を設計していることがわかる。
また、建築界の巨匠「菊竹清訓」の事務所に勤務していた仙田満だが、当時は「せんだいメディアテーク」などで知られる建築家「伊東豊雄」も共に菊竹事務所に勤務していたという。とんでもない顔ぶれである。
今回は、このような経歴を持つ建築家「仙田満」の建築作品7選をご紹介したいと思います。
【代表作】建築家仙田満の建築作品7選
1.国際教養大学図書館





- 住所:秋田県秋田市雄和椿川字奥椿岱193-2
- 竣工:2008年
- 用途:大学施設
- URL:公式ページ
国際教養大学図書館は、秋田県に本部を置く公立大学「国際教養大学」の図書施設である。
建築としては、「コロシアムのような段状の構成」と「和傘のように放射状に広がる木組みの大屋根」の組み合わせが何とも印象的。
仙田満は、図書空間内に多様な居場所を作り出すことによって、生徒の学習意欲を喚起することを狙い、このような構成を採用している。
近くにこんな図書館があったら、通い詰めること間違いなしだ。
2.石川県立図書館








- 住所:石川県金沢市小立野2-43-1
- 竣工:2022年
- 用途:図書館 集会場
- URL:公式ページ
石川県立図書館は、石川県金沢市に建つ県立図書館である。
仙田満は、この建築を「国際教養大学図書館の発展型だ」と明確に述べている。
具体的には、国際教養大学図書館では、半円形の平面だったのに対して、この建築では正方形の平面の中に円形のコロシアム空間を展開。
「半円形→円形」になったことにより、さらに動線や居場所が多様化し、学習意欲がより一層引き出される空間が完成している。
3.東京辰巳国際水泳場








- 住所:東京都江東区辰巳2-8-10
- 竣工:1993年
- 用途:水泳場
- URL:公式ページ
東京辰巳国際水泳場は、「水泳の聖地」とも呼ばれる、東京都江東区に建つ水泳場である。
この水泳場は、2008年のジャパンオープン男子200m平泳ぎで「北島康介」選手が世界新記録を樹立した会場としても知られる。
建築としては、5枚の「ヴォールト状の屋根」が重なり合うような構成が特徴的であるが、これは『水面を羽ばたく水鳥』をイメージしているという。
東京辰巳国際水泳場は2023年3月をもって閉館し、今後はアイスリンクに改修され、2025年に再び開業する予定である。
4.御所野縄文博物館












- 住所:岩手県二戸郡一戸町岩館字御所野2
- 竣工:2002年
- 用途:博物館
- URL:公式ページ
御所野縄文博物館は、岩手県・御所野にある史跡公園「御所野縄文公園」の中に建つ博物館である。
仙田満は「博物館」と「駐車場から博物館まで続く木橋」の設計を行っている。
もちろん博物館建築も魅力であふれているが、ここでは象徴的な「木橋」について詳しく解説しておく。
この木橋は、全長約80mの長さを持つ屋根付きの木造つり橋となっており、外形は一辺3.2mのダイヤモンド型をしている。
この長い木橋を通ることによって、現代から縄文時代へタイムスリップしてもらおうというわけである。
5.広島市民球場(MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島)








- 住所:広島県広島市南区南蟹屋2丁目
- 竣工:2009年
- 用途:野球場
- URL:公式ページ
広島市民球場は、「広島東洋カープ」が本拠地として使用している野球場である。
正式名称は、「MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島」とやや長いが、略称は「マツダスタジアム」として親しまれている。
建築としては、日本では珍しい「左右非対称型のフィールド」を採用。(メジャーでは一般的)
これは「観客が観戦しやすい座席配置」や「多様な観戦シート」を作り出すためにとられた構成であり、仙田満らしく、人に寄り添った建築となっているわけである。
6.兵庫県立但馬ドーム








- 住所:兵庫県豊岡市日高町名色88-50
- 竣工:1998年
- 用途:スポーツ施設・集会施設
- URL:公式ページ
兵庫県立但馬ドームは、兵庫県豊岡市に建つ、全天候型ドームと屋外グラウンド3面等からなるスポーツ施設である。
この建築は、北側と南側から見た時に全く印象が異なる。
写真1枚目は、北側から見た施設外観だが、北から見ると複数の「山型屋根」が連なる小屋のような建築となっている。
一方で、写真を用意できなかったが、南側からこの施設を見ると「白いテフロンテントの開閉式ドーム」が大きな一つの山型の外観を作り出している。
この対比がこの建築の面白い点である。
7.多摩六都科学館








- 住所:東京都田無市荒久保町5-10-64
- 竣工:1993年
- 用途:科学博物館
- URL:公式ページ
多摩六都科学館は、プラネタリウムや工作・実験・観察などが楽しめる科学博物館である。
建築としては、直径27.5mの傾斜型ドーム「サイエンスエッグ」が象徴的。
サイエンスエッグの中は、約1億4000万個の恒星を投影できる最新機器を搭載したプラネタリウムとなっており、「最も先進的なプラネタリウム」としてギネス世界記録にも認定されている。
仙田満の関連書籍








今回はこれで以上になります。
今回ご紹介した建築は、仙田満が設計した建築のほんの一部です。
そのため、今後も随時情報を更新していきたいと思っています。
気が向いたら、また本記事をご覧ください。
ではまた。
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