【建築解説】東京国立博物館|全6館の建築的特徴を解説

みなさんこんにちは、本サイト「建築LIFE」を運営しているたけです。

今回は、上野恩賜公園内に建つ「東京国立博物館」の建築的特徴を解説していきたいと思います。

全6棟の展示館で構成される日本最大級の博物館です。

是非最後までご覧ください。

目次

東京国立博物館の概要

東京国立博物館(通称・トーハク)は、上野恩賜公園内に建つ日本最古かつ最大規模を誇る博物館である。

本博物館は、広い敷地の中に分棟形式で展開されており、主要な展示館は全部で6棟存在する。

  • 本館【渡辺仁】
  • 東洋館【谷口吉郎】
  • 表慶館【片山東熊】
  • 平成館【安井建築設計事務所】
  • 法隆寺宝物館【谷口吉生】
  • 黒田記念館【岡田信一郎】

どの棟も有名建築家や組織設計事務所によって設計されているため、個性豊かな特徴を持っており、建築好きにはたまらない建築スポットになっている。

東京国立博物館・全6館の建築的特徴

1.本館【渡辺仁】

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東京国立博物館・本館は、全6棟の展示館で構成される「東京国立博物館」のメイン棟として、1937年に竣工した建築物である。

本館では、日本の美術作品を専門的に取り扱っている。

本館の設計は、銀座の象徴的存在である「銀座和光」を手掛けたことでも知られる建築家・渡辺仁が担当。

建築としては、鉄筋コンクリート造の建物に瓦屋根を乗せた「帝冠様式」の建物となっており、西洋建築と日本伝統を融合した和洋折衷型の建築作品として高い評価を得ている

本館の建築詳細

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2.東洋館【谷口吉郎】

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東京国立博物館・東洋館は、6つの展示館で構成される「東京国立博物館」の一施設として、1968年に開館した博物館建築物である。

東洋館では、中国・朝鮮半島・インド・エジプトといった、東洋の美術品をメインに取り扱っている。

建築の設計は、昭和期を代表する建築家「谷口吉郎」が担当。

建築全体は、日本伝統とモダニズムを融合したような構成となっており、日本モダニズム建築の代表作としても知られている。

東洋館の建築詳細

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3.表慶館【片山東熊】

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表慶館は、上野公園の敷地内に建つ6つの展示館で構成される「東京国立博物館」の一施設として1908年に竣工した、現在トーハクの中で最も古い展示館となっている。

当時の皇太子(後の大正天皇)のご成婚を記念して建設された。

建築の設計は、東宮御所(現在の迎賓館)なども手掛けたことで知られる宮廷建築家・片山東熊が担当。

3つの青緑色のドームが象徴的な外観をあらわす、煉瓦造・石張りの建築物となっている。

表慶館の建築詳細

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4.平成館【安井建築設計事務所】

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平成館は、平成天皇のご成婚を記念して1999年(平成11年)に開館した博物館である。
東京国立博物館を構成する6館の中では、最も新しい建築物だ。

旧石器時代から江戸時代における考古資料を収蔵・展示しており、土偶や埴輪などの有名な歴史資料を鑑賞することができる。

建築の設計は、日本の大手組織設計事務所「安井建築設計事務所」が担当。

建築全体は、シンプルな箱型ボリュームに緩やかな勾配の寄棟屋根が乗った構成となっている。

5.法隆寺宝物館【谷口吉生】

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法隆寺宝物館は、上野公園内にある日本最古の博物館「東京国立博物館」の6つある展示館のうちの一つとして、1999年に建設された建築物である。

法隆寺から皇室に献納され、戦後国に移管された宝物300件あまりを収蔵・展示している。

建築の設計は、海外でも活躍する世界的建築家「谷口吉生」が担当。

水平垂直が強調され、魅力的なアプローチ空間が設けられた谷口吉生らしい建築作品となっている。

法隆寺宝物館の建築詳細

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6.黒田記念館【岡田信一郎】

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黒田記念館は、洋画家・黒田清輝の顕彰などを目的として、1928年、東京芸術大学音楽学部に隣接する位置に建てられた美術館である。

現在は、東京国立博物館の一施設として運営されており、黒田清輝の代表作『湖畔』などを展示している。

建築の設計は、黒田清輝と同じ東京美術学校で教授を務めた建築家「岡田信一郎」が担当。

煉瓦造風の外観を呈している建築物だが、外壁を覆っているのはスクラッチタイルで、構造自体は鉄筋コンクリート造。建物中央にはイオニア式の列柱が並ぶなど、歴史主義的な建築作品となっている。

黒田記念館の建築詳細

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今回はこれで以上になります。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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