自由学園明日館とは?
- 設計:フランク・ロイド・ライト+遠藤新
- 住所:東京都豊島区西池袋2-20
- 竣工:1922年
- 用途:校舎
- URL:公式ページ
自由学園明日館は、近代建築の三大巨匠のひとり「フランク・ロイド・ライト」の手によって設計された建築作品である。
建築全体は「中央棟」「西教室棟」「東教室棟」「講堂」の4つの建物で構成されており、愛弟子の遠藤新と共に、1922年~1927年にかけてそれぞれの棟が竣工していった。
現在、日本に残るフランク・ロイド・ライト作品は4点のみ。
そんな貴重なライト建築・自由学園明日館は、1997年に「国の重要文化財」に指定されている。
自由学園明日館の建築的特徴
池袋に建つ自由学園の校舎建築
自由学園とは、東京府北豊島郡高田町(現在の池袋)に1921年に設立された学校法人である。
そして、自由学園明日館は、その自由学園の校舎として建設された建築物だ。
この明日館を世界的建築家フランク・ロイド・ライトが設計するに至った経緯としては、ライトの愛弟子「遠藤新」が自由学園の創設者夫妻と友人であったことがきっかけであったという。
しかも、この自由学園明日館が計画された当時、ライトは「帝国ホテル」の設計のためにちょうど来日していたことも、ライトによる自由学園明日館実現に寄与した。
日本に残る貴重なライト建築
2024年現在、日本に残るフランク・ロイド・ライトの建築は4点のみである。
その4点とは下記の通り。
日本に残るライト建築
- 自由学園明日館
- 帝国ホテル(中央玄関部分)
- 旧林愛作邸
- ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅)
あの世界的建築家フランク・ロイド・ライトの作品が、4つも日本に残っているという方が驚きだ。
しかし、実はライトは親日家であることで知られており、彼の代表作『落水荘』なんかは、日本文化の影響を強く受けた作品としても知られている。
4つの棟で構成された明日館
自由学園明日館は、以下の4つの棟で構成されている。
自由学園明日館を構成する4棟
- 中央棟‐1922年竣工
- 西側教室棟‐1922年竣工
- 東側教室棟‐1925年頃竣工
- 講堂‐1927年竣工
当初の予定では、フランク・ロイド・ライトと遠藤新の共同設計という形で計画が進められていたのだが、ライトは別で進めていた帝国ホテルの設計者を解任されてしまい、1922年に帰国してしまった。
そのため、ライトの弟子であった遠藤新が設計を引き継ぎ、東側教室棟と講堂の設計を全面的に担当したのである。
プレーリースタイルを用いた建築
フランク・ロイド・ライトが生み出した建築様式の中に「プレーリースタイル」というものがある。
これは、草原様式とも言われる建築様式の事で、「アメリカの大草原の敷地に適した住宅とはどのようなものなのか?」ということが試行錯誤されて生み出されたという経緯を持っている。
そのため、このプレーリースタイルは、ライト初期の住宅建築に数多くみられ、それらの最高傑作と言われているのが『ロビー邸』になる。
プレーリースタイルの主な特徴
- 低層
- 深い軒
- 水平ラインを強調した構成
- 建物内部と自然環境の融合
プレーリースタイルは上記のような特徴によって、大自然に溶け込むような有機的建築を生み出す設計手法なのである。
1997年には重要文化財に指定
あのフランク・ロイド・ライトの建築というだけで、価値は相当なものだ。
しかし、そこに上乗せして、自由学園明日館には「重要文化財」という肩書までついている。
指定されたのは1997年。
そして、重要文化財指定後は大規模な修理工事を経て、現在、自由学園明日館は、セミナー・コンサート・テレビ撮影など、様々な用途で利用できる講堂として運用されている。
自由学園明日館の建築的特徴まとめ
自由学園明日館の建築的特徴まとめ
- 池袋に建つ自由学園の校舎建築
- 日本に残る貴重なライト建築
- 4つの棟で構成された明日館
- プレーリースタイルを用いた建築
- 1997年には重要文化財に指定
今回はこれで以上になります。
最後までご覧いただきありがとうございました。