京都府の有名建築物15選【安藤忠雄・原広司・谷口吉生など】

みなさんこんにちは、本サイト・建築LIFEを運営している「たけ」です。

今回は、京都府の有名建築物15選をご紹介します。

京都には、安藤忠雄・原広司・谷口吉生といった世界的建築家が設計した建築物が数多く存在しており、国内でも有数の建築巡りスポットとなっています。

本記事では、それら建築物の概要を簡単に解説しているので、京都で建築巡りをする際には是非本記事を参考にしてみてください。

では早速本題に入ります。

目次

京都府の有名建築物15選【安藤忠雄・原広司・谷口吉生など】

1.京都駅ビル【原広司】

  • 設計:原広司
  • 住所:京都府京都市下京区鳥丸通塩
  • 開館:1952年
  • 用途:駅・ホテル・商業施設
  • URL:建築詳細ページ

京都駅ビルは、日本の文化観光都市「京都」の玄関口となる施設として1952年に開館した大型複合施設である。

内部には、駅・ホテル・商業施設・文化施設・広場など様々な機能を備え、駅舎としては国内最大規模のターミナルビルとなっている。

本施設は、日本を代表する建築家「原広司」が設計を担当。

中央ガラス張りのコンコース空間が最大の特徴で、内部はまるで空港のような大規模アトリウム空間が展開されている。

建築詳細ページ

あわせて読みたい
【建築紹介52】京都駅ビル:原広司 【京都駅ビルとは?】 photo by 663highland/CC 表示-継承 4.0 京都駅ビルは、日本の文化観光都市「京都」の玄関口となる駅舎である。 内部には、駅、ホテル、商業施設...

2.ガレリアかめおか【池原義郎】

  • 設計:池原義郎
  • 住所:京都府亀岡市余部町宝久保
  • 開館:1998年
  • 用途:生涯学習施設・道の駅
  • URL:公式ページ

ガレリアかめおかは、京都府亀岡市に建つ、道の駅と生涯学習施設を併設した建築物である。

本施設は、西武遊園地や西武ライオンズ球場の設計者として知られる建築家「池原義郎」が設計を担当。

複数の樹状柱とガラスで構成された「ロビーギャラリー空間」がこの施設の中央に配置されており、訪れた人々に賑わいの場を提供している。

このガラスで覆われた大空間を見ると、「東京国際フォーラム」を連想するのは私だけではないはずだ。

3.ロームシアター京都【前川國男】

photo by Asturio Cantabrio/CC 表示-継承 4.0

ロームシアター京都は、京都市左京区岡崎最勝寺町に建つ劇場施設である。

本施設は日本建築界の大巨匠「前川國男」が設計を行った。

また本建築物は、日本モダニズム建築の最高傑作としても知られており、コンクリートを使用し、水平性を強調した構成がスタイリッシュな外観を作り出している。

また、前川國男が公共建築で常に重視している「ロビー・ホワイエ・中庭」といった公共空間もふんだんに取り入れ、都市との親和性の高い空間が形成されている。

4.平安神宮【伊東忠太】

平安神宮は、平安遷都を行った天皇「第50代桓武天皇」を祀ることを目的に建設された神社建築である。

本建築物は、日本建築史家の第一人者としても知られる建築家「伊東忠太」が設計を担当。

社殿は平安京の朝堂院を約8分の5の規模で再現し、拝殿も大極殿を模して造られており、いずれも当時の建築様式を忠実に再現している。

平安神宮は「古代建築の知見と京都の建築技術を集積した、意匠的価値の高い建築」として2010年に大極殿など6棟が国の重要文化財に指定されている。

5.京都コンサートホール【磯崎新】

photo by 663highland/CC 表示 2.5
  • 設計:磯崎新
  • 住所:京都府京都市左京区下鴨半木町
  • 竣工:1995年
  • 用途:コンサートホール
  • URL:公式ページ

京都コンサートホールは、大小2つのホールからなる京都市の劇場施設である。

本施設の設計は、日本建築界の巨匠「磯崎新」によって行われた。

建築全体としては、大ホール・小ホール・ホワイエという3つの大きなブロックを、京都固有の3つの軸線(平城京の条里、北山通、賀茂川)に沿って配列。

さらに、3つのブロックはそれぞれ、直方体・円筒形・立方体格子という異なる幾何学的基本形を持つヴォリュームに入れ込むことによって、それぞれが独立した質の異なる空間をつくり上げている。

6.京都国立近代美術館【槇文彦】

photo by Wiiii/CC 表示-継承 3.0
  • 設計:槇文彦
  • 住所:京都市左京区岡崎円勝寺町
  • 竣工:1986年
  • 用途:美術館
  • URL:公式ページ

京都国立近代美術館は、京都を中心に、関西・西日本の優れた美術作品を収集・展示するための施設として、京都市西京区岡崎円勝寺町に建設された美術館建築物である。

本施設の設計は、日本各地で公共施設を手掛ける建築家「槇文彦」が担当。

建築は、シンプルな直方体で全体像が構成されているが、四隅にガラスと金属でできた透明な棟を設置することによって、途端に多様な表情を作り出している。

この透明な棟には様々な意図が込められているそうで、その一つには「近代美術館」の近代性を強調するという意図が含まれているという。

7.TIME’S【安藤忠雄】

photo by Wiiii/CC 表示-継承 3.0
  • 設計:安藤忠雄
  • 住所:京都府京都市中京区中島町
  • 竣工:1984年(Ⅰ)・1991年(Ⅱ)
  • 用途:店舗
  • URL:参考ページ

TIME’Sは、京都市中京区中島町を流れる河川「高瀬川」の沿岸に建つ店舗建築である。

建築の設計を行ったのは、日本を代表する建築家「安藤忠雄」だ。

安藤忠雄は、かつて運河として人々に親しまれていた「高瀬川」の景観や記憶を保存・継承するために、大胆にも水が足元数センチに迫るようなアプローチ空間を作り出した。

この施設を訪れる人々は、一度高瀬川を身近に感じ取ってからそれぞれの店舗にアプローチするというわけだ。

さらに、建築自体は安藤忠雄らしい幾何学的なコンクリート仕上げの外観を呈しているが、そんな中でも階段や広場、テラスといった要素が複雑に絡み合うことによって、回遊したくなるような魅力的な空間が形成されている。

8.森の中の家 安野光雅館【安藤忠雄】

photo by Asturio Cantabrio/CC 表示-継承 4.0

森の中の家 安野光雅館は、画家「安野光雅」の作品を収蔵・展示するための施設として、2017年京都府丹後市久美浜町の和久傳ノ森内に建設された美術館である。

建築の設計は、世界的建築家「安藤忠雄」が行った。

建物は、周囲の豊かな森に自然と溶け込むかのような、漆黒のスギ板張り外壁が印象的な外観を形成しており、一見しただけだと安藤忠雄の作品だとはわからないような構成となっている。

しかし、その建物に至るまでのアプローチ空間には安藤忠雄らしさが120%発揮されている。

安藤忠雄は、建物と並行するように3枚のコンクリート壁を並べ、来館者はその壁沿いを歩き、遠回りをして建物までアプローチするのである。

このアプローチ空間は、安藤忠雄の代表作「李禹煥美術館」にもみられる、安藤忠雄おなじみの空間デザイン方法である。

9.平等院・鳳翔館【栗生明】

photo by 663highland/CC 表示 2.5

平等院・鳳翔館は、京都が誇る世界遺産「平等院」の敷地内に建設された、国宝や重要文化財等を収蔵・展示するための総合博物館である。

建築の設計は、槇文彦アトリエ出身の建築家「栗生明」が担当。

本建築物は、周囲に広がる史跡名勝庭園や鳳凰堂との調和を目指して、建築ヴォリュームの大半を丘の中に埋め込み、低層化を図っている。

一方で、建物自体は平等院らしからぬモダニズム風の外観を呈しているが、栗生明氏は直接的な表現で平等院との調和を図るのではなく、「低い軒下の縁側」や「鳳凰堂を参照した3層の屋根」といった風に、平等院ならではの要素を抽象化して建築に落とし込むことで、間接的な平等院との調和を図っている。

10.京都国立博物館・平成知新館【谷口吉生】

photo by さぱしあ/CC 表示-継承 4.0

京都国立博物館・平成知新館は、京都国立博物館に元々存在していた「平常展示館」の老朽化に伴う建て替え計画として2013年に建設された、文化財等を収蔵・展示するための博物館施設である。

本施設は、国内外で博物館・美術館を数多く手がける建築家「谷口吉生」が設計を行った。

建築全体としては「水平性を強調する庇」や「建物前に設けられた水盤」など、谷口吉生建築らしい洗練された構成が随所にみられる。

私自身、この施設のファサードを見た時に、谷口吉生の代表作「谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館とそっくりだ」と感じたのだが、そちらは2019年竣工の建築物であるため、平成知新館の方が先に設計されたという事になる。

両者の違いなどに注目してみると面白い発見がありそうだ。

11.JR二条駅【浦辺設計など】

  • 設計:JR西日本京都建築工事所+JR西日本コンサルタンツ+浦辺設計
  • 住所:京都市中京区西ノ京栂尾町
  • 竣工:1996年
  • 用途:駅舎
  • URL:公式ページ

JR二条駅は、JR西日本の駅舎として1996年京都市中京区西ノ京栂尾町に竣工した建築物である。

建築の設計は、JR西日本京都建築工事所+JR西日本コンサルタンツ+浦辺設計の3社によって共同で執り行われた。

高架橋の上に架かるパラシュートのような大屋根が象徴的な外観を形成しているが、この大屋根は鉄骨造と木造を掛け合わせたハイブリット構造となっており、京都の街並みに調和するような駅舎を目指して設計されている。

本当に街になじんでいるかどうかは別として、シンプルに構造や形態が面白い建築作品である。

12.国立京都国際会館【大谷幸夫】

国立京都国際会館は、日本で最初の国立会議場として1966年に開館した、複数のホール空間からなる多目的施設である。

本施設は、丹下健三のもとで建築を学んだあとに独立を果たした建築家「大谷幸夫」が設計を担当。

建築全体は、台形と逆台形の組み合わせで構成されており、その形態からは日本伝統の「合掌造り」、あるいは格式高い「神社の社殿」などが想起される。

この台形と逆台形の組み合わせは、周辺の自然環境などに配慮した結果として得られた形態であるそうだが、やはり必要とされる空間が大きいため、建物も必然的に大きくなってしまうのは致し方ないことなのだろう。

13.国立国会図書館・関西館【陶器二三雄】

photo by Degueulasse/CC 表示 3.0

国立国会図書館・関西館は、東京都千代田区にある国立国会図書館の分館として2002年に建設された図書館建築物である。

本施設は、大阪府豊中市出身の建築家「陶器二三雄」が設計を担当。

建築全体は、ガラスカーテンウォールで覆われたシンプルな直方体型ボリュームの建物となっているが、実は機能の大半は地下に埋められており、ガラスの建物の前面に広がる芝の下にも閲覧室や書庫などが収められている。

また、ガラスカーテンウォールの上部に、木の茂みが透けて見えるが、建物の最上階には屋上庭園が設けられており、その庭園にある木が透けて見えることで、周囲の自然と一体になったような不思議なファサードを作り出している。

14.グランドプリンスホテル京都【村野藤吾】

photo by J o/CC 表示-継承 4.0

グランドプリンスホテル京都は、大きな池を有する京都市左京区の公園「宝が池公園」のすぐそばに建つ、大型ホテル建築物である。

本施設は、昭和期を代表する建築家「村野藤吾」の晩年の代表作として知られている。

建築全体は、アーチの連続が特徴的な「低層棟」と、楕円形平面持った「高層棟」によって構成されており、両者が一体となり魅力的な外観を形成している。

また、巨大なボリュームに見える高層棟だが、実はこの高層棟の中心部分には大きな中庭が設けられており、その中庭を囲うよう円環状のボリュームに客室が設けられている。

さらに、村野藤吾は階段デザインにおいても高い評価を得ているが、グランドプリンスホテル京都の地下にも魅力的な階段が設置されているため、宿泊する際にはその階段にも注目していただきたい。

15.京阪宇治駅【若林広幸】

京阪宇治駅は、京阪電気鉄道宇治線の駅として京都府宇治市に建設された駅舎建築物である。

建築の設計は、京都出身の建築家「若林広幸」が担当。

建築全体は、円を基本形体として設計が行われており、複数の円の重なりによって駅舎らしからぬダイナミックな空間が形成されている。

一方でこの円の重なりは、宇治に広がる茶畑の形態から着想を得ているそうで、コンクリートでできたこんな幾何学的な建築物が、まさか茶畑を参考にしているなんて誰も想像できないだろう。

京都府の関連書籍

Toto出版
¥1,620 (2023/09/28 12:10時点 | Amazon調べ)
編集:京都大学建築学教室創立100周年記念史出版編集委員会
¥3,300 (2023/09/28 12:11時点 | Amazon調べ)

今回はこれで以上になります。

最後までご覧いただきありがとうございました。

  • URLをコピーしました!
目次