みなさんこんにちは、たけです。
今回は、群馬県の有名建築物17選をご紹介したいと思います。
隈研吾・安藤忠雄・平田晃久といった有名建築家の作品を多数紹介しているので、是非最後までご覧ください。
では早速本題に入ります。
群馬県の有名建築物17選【隈研吾・安藤忠雄・平田晃久など】
1.太田市美術館・図書館【平田晃久】

太田市美術館・図書館は、太田駅北口に面する位置に建つ、美術館と図書館を併設した複合文化施設である。
建築の設計は、京都大学で教授を務めるプロフェッサーアーキテクト「平田晃久」が担当した。
本施設最大の特徴は、5つの棟の周りをぐるぐると回るようにして内部空間と外部空間を交互に行き来する、有機的なスロープ空間である。
このスロープを歩いていると、今自分は何階のどこにいるのかわからなくなるような、わくわくする空間体験を楽しむことができる。
2.群馬県立近代美術館【磯崎新】

群馬県立近代美術館は、群馬県にゆかりのある作家の作品を中心に収蔵・展示を行う、群馬県高崎市に建つ美術館である。
建築の設計は、日本を代表する建築家「磯崎新」が担当。
本施設は、立方体がいくつも並べられて一つの美術館を構成しており、この立方体が増殖していくというメタボリズ的な考え方が取り入れられた建築作品となっている。
立方体は、一辺12メートルのフレームを基本構造とし、外壁のアルミパネルやガラスグリッド、大理石パネルもその12mグリッドに合わせた寸法で構成されている。
また、本施設は磯崎新の代表作「北九州市立美術館」と同時期に設計されており、ある一つのグリッドを基準とした構成などは、北九州市立美術館と類似した構成となっている。
3.原美術館 ARC【磯崎新】

原美術館 ARCは、元々東京都品川区に建っていた実業家・原邦造の旧邸宅(原美術館)の分館として建てられた施設である。
原美術館が老朽化などを原因として2021年に閉館してからは、この原美術館 ARCにすべての展示物が移設され、本館として機能するようになった。
建築の設計は、日本を代表する建築家「磯崎新」が担当。
建築全体としては、ピラミッド型の屋根を持った中央のギャラリー棟を中心として、翼を広げるように左右に長く伸びる2つのギャラリー棟が配置されたシンメトリーな構成となっている。
さらに、ピラミッド型のギャラリー棟の頂部にはトップライトが設けられており、柔らかい光が降り注ぐ魅力的な展示空間を作り出している。
4.白井屋ホテル【藤本壮介】
白井屋ホテルは、本館と新館2つの建物からなる群馬県前橋市に建つホテル建築物である。
建築の設計は、2025年に開催される大阪・関西万博のデザインプロデューサーを務める建築家「藤本壮介」が担当した。
本館に関しては、既存建物の4層の床を取り払い、コンクリートの構造体だけを残した重厚感のある空間構成が特徴的な建築物となっている。
一方で新館の方は、まるで小さな丘のように緑化された屋根が象徴的な外観を形成。
この本館と新館の対比が訪れる旅行客を虜にする。
5.神流町中里合同庁舎【古谷誠章】

神流町中里合同庁舎は、今は人口の減少などで神流町へと合併した中里村の村役場として建てられた施設である。
建築の設計は、早稲田大学で教授を務めるプロフェッサーアーキテクト「古谷誠章」が担当した。
この施設の設計者を決めるコンペでは、将来的に周辺地域と合併する可能性があることをふまえて、以後の使い方も考慮した設計をしてほしいという要件が盛り込まれていた。
その要件に対して古谷誠章は、建物の高さを通常規模よりかなり大きく確保して4階建てとし、4階まで村役場を持ち上げ、その下には住民があらゆる活動を行えるユニバーサルスペースを作るという計画を提案。
結果的にその提案が通り、このような高さのある建築が完成した。
6.旧松井田町役場【白井晟一】

旧松井田町役場は、2017年まで公民館や文化財資料室として使用されていた、群馬県安中市に建つ施設である。
建築の設計は、昭和期を代表する建築家「白井晟一」が担当。
建築としては、まるでギリシャ神殿を思わせるような真っ白な列柱が特徴的で、その外観から「畑の中のパルテノン」という異名までつけられた。
現在は、老朽化・耐震不足などが理由で施設は閉鎖され、今後解体されるのか、保存されるのかは未定となっている。
和風建築で知られる隈研吾は、この施設を美術館として利用してはどうかという意見も出しているという。
7.富岡市役所【隈研吾】

富岡市役所は、日本が誇る世界遺産・富岡製糸場が建つ群馬県富岡市の市役所として、2018年に建設された庁舎建築である。
建築の設計は、木材をふんだんに使用した建築でおなじみの「隈研吾」が担当した。
建築全体は、2方向が道路に面した大きな広場を囲うようにして、議会棟と行政棟の2棟がL字型に配置されており、2棟の間には街と広場をつなぎ、流動的な人の流れを作る「路地空間」が形成されている。
さらに、建物の内外には隈研吾建築ではおなじみとなった「木ルーバー」が外壁や天井などに設置されており、木の温もりであふれた親しみやすい空間を作り出している。
8.高崎駐車場【隈研吾】

高崎駐車場は、JR高崎駅の線路沿いに建つ、1,000台の収容能力を持つ大型立体駐車場である。
建築の設計は、日本を代表する建築家「隈研吾」が担当した。
建築全体は、長辺が約150mもある直方体型の構成となっており、この直方体の外壁には無数のルーバーが取り付けられ印象的な外観を作り出している。
隈研吾と言えば木ルーバーでおなじみだが、高崎駐車場には「褐色のコンクリートルーバー」と「ガラスルーバー」の2種類が使用されており、その一つ一つが外部との関係性を考慮して種類や角度が決定されている。
9.群馬県立図書館【岡田新一】

群馬県立図書館は、群馬県の中央図書館としての機能を持つ、群馬県前橋市に建つ公立図書館である。
建築の設計は、鹿島建設出身の建築家「岡田新一」が担当した。
建築全体は、複数の箱型ボリュームがわずかにズレを生じさせながら配置されることによって、広場やピロティといった余白の空間を生み出し、空間に多様性を付加している。
さらに、その箱型ボリュームの外皮には、白い磁器質タイルを用いることによって、重厚感と軽快さを兼ね備えた落ち着きのある外観を作り出している。
10.上州富岡駅【TNA】

- 設計:武井誠+鍋島千恵/TNA
- 住所:群馬県富岡市富岡
- 竣工:2014年
- 用途:駅舎
- URL:公式ページ
上州富岡駅は、群馬県富岡市にある上信電鉄上信線の駅舎として2014年に建設された建築物である。
建築の設計は、武井誠と鍋島千恵によって設立された設計事務所「TNA」が担当。
建築全体は、全長約88m・幅約8.5mにも及ぶリニアなフラット屋根によって全体が覆われており、周囲の伸びやかな街並みと呼応するかのような水平性の高い建築物となっている。
また、リニアな屋根を支える細い鉄骨柱の下部には煉瓦が積み上げられており、隣接する煉瓦造+木造「富岡製糸場」と呼応するような外観を形成しつつ、建物を支える構造材としても機能。
構造性と意匠性を両方持ち合わせた、優れた構成となっている。
11.ぐんま昆虫の森・昆虫観察館【安藤忠雄】

ぐんま昆虫の森・昆虫観察館は、昆虫をテーマにした体験型教育施設「ぐんま昆虫の森」のメイン施設として2004年に建設された博物館建築物である。
建築の設計は、日本を代表する建築家「安藤忠雄」が担当した。
建築全体は、屋上が階段広場になったコンクリートの建物と、その上を覆う船の帆のようなガラスドーム屋根によって構成されており、コンクリートとガラスの対比が印象的な外観を形成している。
安藤忠雄の過去の作品には「長良川国際会議場」や「大阪府立近つ飛鳥博物館」のように、屋上が大階段になった建築物は多数存在していたが、そこにガラスドーム屋根を組み合わせた作品はこれまでにはなかった。
このように、作品ごとの変化を見ていくのも安藤忠雄建築の楽しみ方だったりする。
12.グリーンドーム前橋【松田平田坂本設計事務所・清水建設】

- 設計:松田平田坂本設計事務所・清水建設
- 住所:群馬県前橋市岩神町
- 開館:1990年
- 用途:イベントホール
- URL:公式ページ
グリーンドーム前橋は、競輪やコンサート、各種イベントなどを開催できる大きなホールを内包した、群馬県前橋市に建つ多目的施設である。
建築の設計は、松田平田坂本設計事務所と清水建設が共同で行った。
本施設は、弓の原理を応用した張弦梁架構によって122m×167mの大空間が内部に形成されており、様々な大規模イベントに対応できる空間を確保している。
また、外構は重厚感のあるコンクリートの外壁と、薄い楕円形の大屋根の間に、ガラスのカーテンウォールを設けることによって、屋根が宙に浮いたかのような軽やかな外観を作り出している。
13.高崎市総合保健センター・高崎市立中央図書館【佐藤総合計画・大成建設】

- 設計:佐藤総合計画・大成建設
- 住所:群馬県高崎市高松町
- 開館:2011年
- 用途:保健センター・図書館
- URL:公式ページ
高崎市総合保健センター・高崎市立中央図書館は、保健センターと図書館という全く異なる機能を併設した、群馬県高崎市に建つ大型複合施設である。
建築の設計は、佐藤総合計画と大成建設が共同で行った。
建築全体は、サイズの異なる各層ボリュームがズレを生じながら積層される構成となっており、ズレた部分には庇やテラスといった機能が与えられ、陰影のあるファサードを作り出している。
また、施設中央には「だるまボイド」と呼ばれる6層吹き抜けの大空間が形成されており、あらゆる活動や視線が交わる賑やかな空間が生み出されている。
14.群馬県立歴史博物館【大高正人】

群馬県立歴史博物館は、群馬県の歴史や文化に関する資料を展示するための施設として、群馬県高崎市に開館した博物館施設である。
建築の設計は、福島県出身の建築家「大高正人」が担当した。
本施設は、隣接する「群馬県立近代美術館(磯崎新)」と収蔵庫・ホールを共有する形で配置計画が行われており、美術館と博物館を一体利用できる全体構成となっている。
一方で、空間は共有しながらも、博物館は「黒い方形屋根の集合体」、美術館は「白銀の立方体の集合体」といった風に、対立な要素によって構成されており、両者の対比が魅力の一つにもなっている。
15.群馬音楽センター【アントニン・レーモンド】

- 設計:アントニン・レーモンド
- 住所:群馬県高崎市高松町
- 開館:1961年
- 用途:音楽ホール
- URL:公式ページ
群馬音楽センターは、1,932人を収容可能な大規模ホールが入る、群馬県高崎市に建つコンサートホールである。
建築の設計は、日本に数多くのモダニズム建築を残したチェコ出身の建築家「アントニン・レーモンド」が担当した。
施設全体は、柱のない大空間を可能にする「折板構造」を用いたコンクリートとガラスの組み合わせが象徴的な外観を形成しており、高崎市のシンボル的存在となっている。
また、本施設はDOCOMOMO JAPANによって「日本におけるモダン・ムーブメントの建築」に選定されており、モダニズムの代表的作品としても有名である。
16.天一美術館【吉村順三】

天一美術館は、てんぷら料理店「天一」の創業者である矢吹勇雄の個人コレクションを収蔵・展示するために建設された施設である。
昭和期を代表する建築家「吉村順三」の遺作ともなった作品である。
本施設は、写真(エントランス部分)を見る限りでは一層平屋建ての日本建築に見えるが、実は2層のRC造となっている。
さらに、テラス・芝生の広場・スロープ・渡り廊下など、この建築では外観からは想像できないようなあらゆる要素が盛り込まれており、様々な体験ができる施設にもなっている。
17.谷川さんの住宅【篠原一男】
谷川さんの住宅は、日本の詩人「谷川俊太郎」の別荘として1974年に建設された建築物である。
建築の設計は、幾何学を用いた設計スタイルで知られる建築家「篠原一男」が担当した。
周辺の「傾斜を持つ地面」がそのまま住宅内部に取り込まれてような「落差を持つ土間空間」が特徴的で、まるで森の一部に屋根だけをかけたかのような自然と一体になった空間がつくられている。
一方で、地形という自然を取り込みつつ、内部の壁面は真っ白に塗装されており「抽象的な空間」を作り出しているあたりは、いかにも篠原一男建築らしい。
現在この建築は、基本的に個人の別荘として使用されているが、年に2,3回程、朗読会やお茶会といったイベントが開催されているという。
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今回はこれで以上になります。
最後までご覧いただきありがとうございました。