静岡県の美術館・博物館11選【仏の里美術館~ガラス美術館まで】

かんなみ仏の里美術館

みなさんこんにちは、本サイト・建築LIFEを運営している「たけ」です。

今回は、静岡県の美術館・博物館11選をご紹介したいと思います。

静岡県には、仏様をお祭りする美術館から、現代ガラス作品を専門的に扱う美術館まで、多種多様な美術館・博物館施設が存在しています。

本記事では、それら芸術施設の概要や建築の特徴などをわかりやすく解説しているので、静岡県を観光する際には是非本記事を参考にしてみてください。

では早速本題に入ります。

目次

静岡県の美術館・博物館11選【仏の里美術館~ガラス美術館まで】

1.静岡県富士山世界遺産センター【坂茂】

  • 展示:富士山の歴史・文化に関する展示
  • 設計:坂茂建築設計
  • 竣工:2017年
  • 用途:博物館
  • 住所:静岡県富士宮市宮町
  • URL:建築詳細ページ

静岡県富士山世界遺産センターは、2013年に世界文化遺産に登録された「富士山」を歴史、文化などの観点から広く伝えていくために建てられた博物館建築である。

本施設は、パリ・ニューヨーク・東京の3カ所に事務所を持つ建築家「坂茂」が設計を担当した。

コンセプト「富士の水の循環と反映」

このコンセプトを基に建てられた「逆さ富士」型をした建物は、前面に設置された水盤に映し出されることで、富士山の虚像が出現する構成となっている。

2.浜松市秋野不矩美術館【藤森照信】

photo by Unimoi/CC 表示-継承 4.0
  • 展示:日本画家・秋野不矩の作品
  • 設計:藤森照信
  • 竣工:1997年
  • 用途:美術館
  • 住所:静岡県浜松市天竜区二俣町
  • URL:公式ページ

浜松市秋野不矩美術館は、日本画家「秋野不矩(あきのふく)」の作品の展示・保存を主な目的として建設された美術館である。

本施設の設計は、ジブリに出てきそうな建築物を数多く手がけることで知られる建築家「藤森照信」が担当。

建築としては、大きな三角屋根を持った2つのボリュームに、大きな土壁を持った直方体ボリュームが貫通した構成が象徴的な外観を作り出している。

幾何学的な構成をとりつつ、全体には自然的な要素をふんだんに取り入れた、藤森照信らしい建築物である。

3.伊豆の長八美術館【石山修武】

photo by Ahomin/CC 表示-継承 3.0
  • 展示:左官職人・伊豆の長八の作品など
  • 設計:石山修武
  • 竣工:1984年
  • 用途:美術館
  • 住所:静岡県賀茂郡松崎町
  • URL:公式ページ

伊豆の長八美術館は、江戸末から明治にかけて活躍した左官職人「伊豆の長八」の顕彰を目的に建設された美術館である。

本施設は、建築と工業製品の間にあるかのような作品を数多く手がけることで知られる建築家「石山修武」が設計を担当。

建築としては、「2棟の展示室」とその間に設けられた「中庭」、そして中庭の前後を挟む「ドーム」という3要素によって構成される。

伝説の左官職人の美術館という事で、全国から有能な左官職人が集まり、彼らの伝統的な左官技術によってこの建築は建設されている。

4.伊豆・三津シーパラダイス【清家清】

  • 展示:水生生物
  • 設計:清家清
  • 竣工:1977年
  • 用途:水族館
  • 住所:静岡県沼津市三津長浜
  • URL:公式ページ

伊豆・三津シーパラダイスは、1930年に中之島水族館として開業した「日本で2番目に歴史の長い水族館」である。

本施設は、住宅作品をメインに戦後日本の建築界をリードしたモダニズム建築家の一人「清家清」が設計を担当。

施設全体としては、海から連続する「イルカショープール」の周囲を囲う形で、細長い平面形状をした「水族館棟」「主棟」が配置された構成となっている。

特に主棟は、プールの上に架かった「橋」のような建築になっており、内部は展望観覧席となり来館者に魅力的な空間を提供している。

5.芹沢銈介美術館本館・石水館【白井晟一】

photo by Halowand/CC 表示-継承 3.0
  • 展示:染色工芸家・芹沢鮭介の作品
  • 設計:白井晟一
  • 竣工:1981年
  • 用途:美術館
  • 住所:静岡県静岡市駿河区登呂
  • URL:公式サイト

芹沢銈介美術館本館「石水館」は、日本の染色工芸家「芹沢銈介」の作品を展示・保存することを目的に建設された施設である。

本施設は、昭和期を代表する建築家「白井晟一」が設計を担当。

弥生時代の遺跡「登呂遺跡」がある登呂公園の一隅に位置するこの美術館は、周囲の自然と調和するように木・水・石といった自然素材がふんだんに使用されている。

そのため、上の写真の通り、美術館入り口に立っても「この先に美術館があるのか」と疑問に思うほど、建築が自然に溶け込んでいる。

6.資生堂アートハウス【谷口吉生】

photo by Halowand/CC 表示-継承 4.0
  • 展示:絵画・彫刻・日本商業デザインの資料など
  • 設計:谷口吉生
  • 竣工:1978年
  • 用途:美術館・資料館
  • 住所:静岡県掛川市長谷
  • URL:公式ページ

資生堂アートハウスは、絵画や彫刻を展示する「美術部」と、日本の商業デザインの移り変わりを展示する「資料部」の2つの機能を持った施設である。

言うなれば、「美術館」と「博物館」を複合した総合展示場というわけだ。

本施設は、豊田市美術館や葛西臨海水族園など、数多くの公共施設を手掛ける建築家「谷口吉生」が設計を担当。

美術部と資料部という2つの機能があるという条件に合わせ、谷口吉生は建築を「円形」と「正方形」の建物2つで構成し、その2つの棟が滑らかに繋がるような回廊空間で結ぶという空間設計を行っている。

7.ねむの木こども美術館【藤森照信】

photo by Tawashi2006/CC 表示-継承 3.0
  • 展示:ねむの木学園の子どもたちが描いた絵
  • 設計:藤森照信
  • 竣工:2006年
  • 用途:美術館
  • 住所:静岡県掛川市上垂木
  • URL:公式ページ

ねむの木こども美術館「どんぐり」は、肢体不自由児のための養護施設「ねむの木学園」の子どもたちが描いた絵を展示するために建設された美術館である。

本施設の設計は、ジブリに出てきそうな建築物を数多く手がけることで知られる建築家「藤森照信」が担当。

この建築最大の特徴は「屋根」にある。

背後の斜面に近い部分はシンプルな「切妻屋根」を設けているが、谷側の部分には「不定形ドーム屋根」を設置している。

さらにこのドーム屋根には、風化した際に自然素材と上手く共鳴する「銅板」が使用されており、藤森照信建築でよく用いられる、藤森照信の神器である。

8.かんなみ仏の里美術館【栗生明】

かんなみ仏の里美術館
photo by 時計うさぎ/CC 表示-継承 4.0
  • 展示:24体の仏像
  • 設計:栗生総合計画事務所
  • 竣工:2011年
  • 用途:美術館
  • 住所:静岡県田方郡函南町桑原
  • URL:公式ページ

かんなみ仏の里美術館は、平安時代の「薬師如来像」や鎌倉時代の「阿弥陀三尊像」など、24体の仏像を保存・継承するための施設として、2011年静岡県函南町に建設された美術館である。

建築の設計は、槇文彦アトリエ出身の建築家「栗生明」が担当している。

栗生明は、本施設が仏様を祭る建物であることから、通常の美術館建築に見られる箱型の建築物ではなく、神仏を祭ったり人々が集まる場所である「堂」をイメージして本施設を計画したという。

具体的には「堂」というイメージを想起しやすい「方形屋根」を採用することによって、仏様を祭る施設にふさわしい落ち着きのある外観を作り出している。

9.静岡県立美術館【静岡設計連合】

  • 展示:静岡県にゆかりのある作家の作品など
  • 設計:静岡設計連合
  • 竣工:1986年
  • 用途:美術館
  • 住所:静岡県静岡市駿河区谷田
  • URL:公式ページ

静岡県立美術館は、静岡県にゆかりのある作家の作品や、現代美術品・近代彫刻など、幅広い美術作品の収蔵・展示を行っている、静岡県静岡市に建つ県立美術館である。

建築のの設計は、高橋茂弥建築設計事務所・高木滋生建築設計事務・田中忠雄建築設計事務所・サン設計事務所という静岡県を中心に活動する4つの設計事務所が共同で行った。

建築最大の特徴はなんといっても、低く水平に伸びる銅板の大屋根であろう。

この地上近くまで伸びる低い大屋根が、やさしく来館者を迎え入れつつ、玄関口をより低く・より狭く絞り込むことによって、求心力のある外観を作り出している。

10.ヴァンジ彫刻庭園美術館【ラウムアソシエイツ】

ヴァンジ彫刻庭園美術館
photo by Kentaro Ohno/CC 表示 2.0
  • 展示:現代具象彫刻家・ジュリアーノ・ヴァンジの作品
  • 設計:ラウムアソシエイツ
  • 竣工:2002年
  • 用途:美術館
  • 住所:静岡県駿東郡長泉町東野
  • URL:公式ページ

ヴァンジ彫刻庭園美術館は、現代具象彫刻家「ジュリアーノ・ヴァンジ」の作品を専門的に取り扱う世界で唯一の美術館として、2002年静岡県長泉町に建設された芸術施設である。

設計は、京都市内に本部を置く設計事務所「ラウムアソシエイツ」が担当。

本施設は、広大な敷地の中に展示棟・レストラン棟・管理棟・ゲート棟などの建物を散りばめた「分棟回遊式」の構成となっており、それら全体を展示空間と見立てて、内外問わず至る所にヴァンジの彫刻作品が点在している。

少しわかりずらいが、上の写真にも実はヴァンジの彫刻作品が隠れている。建物から飛び出た構造体の先端に注目。(公式ページにわかりやすい写真が載っています)

11.黄金崎クリスタルパーク【毛綱毅曠】

黄金崎クリスタルパーク
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