清家清(せいけきよし)とは?
- 1918 京都府に生まれる
- 1941 東京美術学校(現・東京芸術大学)卒業
- 1943 東京工業大学卒業
- 1962 東京工業大学教授
- 2005 死去(86歳)
清家清は、住宅作品をメインに、戦後日本の建築界をリードしたモダニズム建築家の一人である。
代表作としては「斉藤助教授の家」「九州工業大学記念講堂」「東京工業大学事務局1号館」などが挙げられ、住宅作品だけでなく記念館や学校施設など幅広い作品を手掛けていた。
作風としては、当時主流であった「モダニズム様式」に「日本伝統様式」を融合したような「和風モダニズム建築」を数多く手がけており、特に住宅作品は国内外で高い評価を得ている。
今回は、そんな戦後日本の建築界をリードした建築家「清家清」の建築作品5選後ご紹介したいと思います。
【代表作】建築家清家清の建築作品5選
1.東京工業大学事務局1号館

- 住所:東京都目黒区大岡山2-12-1
- 竣工:1967年
- 用途:大学施設
- URL:参考サイト
東京工業大学事務局1号館は、清家清の母校である東京工業大学の「大岡山キャンパス」内に建つ事務施設である。
建築としては、水平ラインが強調された外観や、コンクリートの箱型ボリュームを持ち上げるピロティなど、近代を特徴づける要素で構成されたモダニズム建築となっている。
また、上層の「水平連続窓×ルーバー」からは、丹下健三の「広島平和記念資料館」や吉村順三「愛知県立芸術大学講義棟」といったモダニズムの代表作との共通点を見出せる。
2.豊雲記念館








- 住所:兵庫県神戸市東灘区住吉山手4丁目12-70
- 竣工:1970年
- 用途:記念館
- URL:参考サイト
豊雲記念館は、大阪府出身の華道家「小原豊雲」の顕彰を主目的として兵庫県神戸市東灘区に建設された建築物である。
この建築は竣工当初、作品の収蔵をメインにした「小原流芸術参考館」として開館したが、1998年からは作品の展示なども行う「豊雲記念館」として運営されていた。
建築としては、重厚感のある建物に軽々しい「波形の屋根」が乗った構成が特徴的で、この波形は内部の天井にそのまま現れ、豊かな内部空間を作り出している。
この施設はすでに閉館しており、いつ解体されてもおかしくないという状況らしい。
3.伊豆・三津シーパラダイス




- 住所:静岡県沼津市三津長浜3―1
- 竣工:1977年
- 用途:水族館
- URL:公式ページ
伊豆・三津シーパラダイスは、1930年に中之島水族館として開業した「日本で2番目に歴史の長い水族館」である。
施設全体としては、海から連続する「イルカショープール」の周囲を囲う形で、細長い平面形状をした「水族館棟」「主棟」が配置された構成となっている。
特に主棟は、プールの上に架かった「橋」のような建築になっており、内部は展望観覧席となり来館者に魅力的な空間を提供している。
4.九州工業大学記念講堂




- 住所:福岡県北九州市戸畑区
- 竣工:1960年
- 用途:講堂
- URL:参考サイト
九州工業大学記念講堂は、九州工業大学戸畑キャンパス内に建つ記念講堂である。
折板構造を用いた「ギザギザの屋根」が象徴的な外観を作り出しており、上空写真を見ると扇形をしているのも面白い。
このギザギザの大屋根は、内部の講堂の天井にも反映されており「折板構造」という一つの要素が内外を特徴づける役割を果たしていることがわかる。
5.斉藤助教授の家(現存せず)
- 住所:東京都大田区
- 竣工:1952年
- 用途:住宅
- URL:参考ページ
斉藤助教授の家は、近代建築の三大巨匠の一人である「ヴァルター・グロピウス」が惚れ込んだと言われる清家清の代表作である。
「水平に伸びる屋根」や「フレキシブルな内部空間」などモダニズム的な要素を持ちつつ、「障子や雨戸」「縁側」といった日本的な要素も持ち合わせる「日本伝統×モダニズム」が実現した住宅作品とだ。
さらに、建築史家兼建築家としても知られる「藤森照信」はこの作品を「木でつくったファンスワース邸である」と言及しており、日本モダニズムの最高傑作としても名高い。
清家清の関連書籍




今回はこれで以上になります。
今回ご紹介した建築は、清家清が設計した建築のほんの一部です。
そのため、今後も随時情報を更新していきたいと思っています。
気が向いたら、また本記事をご覧ください。
ではまた。
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