山形県の美術館・博物館10選【歴史博物館から倉庫博物館まで】

庄内米歴史資料館

みなさんこんにちは、本サイト・建築LIFEを運営している「たけ」と言います。

今回は、山形県にある魅力的な美術館・博物館10選をご紹介したいと思います。

山形出身のアーティストの作品を展示した美術館から、歴史のある倉庫を博物館に改修した施設まで、多種多様な美術館・博物館を紹介しています。

山形観光の際には、是非本記事を参考にしてみてください。

では早速本題に移ります。

目次

山形県の美術館・博物館10選【歴史博物館から倉庫博物館まで】

1.土門拳記念館【谷口吉生】

photo by Ocavis Leechroot/CC 表示 3.0
  • 展示:写真家・土門拳の作品
  • 設計:谷口建築設計研究所
  • 竣工:1983年
  • 用途:博物館
  • 住所:山形県酒田市飯森山
  • URL:公式ページ

土門拳記念館は、山形県出身の写真家「土門拳(どもんけん)」の作品を保存・展示するための施設として、日本初の写真専門博物館として1983年に開館した施設である。

建築の設計は、「法隆寺宝物館」や「豊田市美術館」など、スタイリッシュな建築物を手掛けることで知られる建築家「谷口吉生」が担当。

本施設は、最上川下流沿いにある「飯森山文化公園」内に建っており、人口湖に沿うように設置された抽象的形態の壁が、谷口吉生建築らしさを醸し出している。

内部は、人口湖の水を引水した中庭を囲うようにして、エントランス・通路・展示室・ギャラリーが並べられた「日本伝統の回遊形式」が用いられており、常に自然を身近に感じられる空間構成が魅力的な博物館となっている。

2.鶴岡市立藤沢周平記念館【高谷時彦】

photo by さかおり/CC 表示-継承 4.0
  • 展示:小説家・藤沢周平に関する資料
  • 設計:高谷時彦事務所
  • 竣工:2009年
  • 用途:文学館
  • 住所:山形県鶴岡市馬場町
  • URL:公式ページ

鶴岡市立藤沢周平記念館は、小説家「藤沢周平」の顕彰を目的として、彼の出身地である山形県鶴岡市に建設された文学館である。

設計を務めたのは、槇文彦の事務所に勤務後、1989年に独立して設計業務を行う建築家「高谷時彦」である。

本施設は、地域の伝統工法を参考にした「鞘堂方式」が用いられており、強固な鉄筋コンクリート造でできた「蔵(展示室・収蔵庫)」の周りを、軽やかな鉄骨造でできた「鞘(ギャラリー・ロビー)」が囲う構成となっている。

また、この内部構成は外観にも反映されており、奥にある蔵側の壁は「白の漆喰」仕上げになっているが、手前の鞘側の壁は「黒く塗装されたスギ板」で仕上げられており、その対比が落ち着いた外観を作り出している。

3.酒田市美術館【池原義郎】

  • 展示:酒田市出身の画家の作品など
  • 設計:池原義郎建築設計事務所
  • 竣工:1997年
  • 用途:美術館
  • 住所:山形県酒田市飯森山
  • URL:公式ページ

酒田市美術館は、最上川や市街地を一望できる小高い丘の上に建つ、酒田市立の美術館建築である。

設計を務めたのは、「西武遊園地」や「西武ドーム」などの設計者として知られる建築家「池原義郎」である。

本施設は、約3千平方メートルある敷地の外周部を回るように「建物」と「壁」を配置した構成となっており、中央には広大な緑の「中庭」が広がっている。

また、この伸びやかな敷地構成を活かしたアプローチ空間も魅力的で、「門→外通路→エントランス→ロビー→展示室→中通路→展示室」といった風に、敷地を一周するような回遊的な動線設計が行われている。

4.鶴岡アートフォーラム【小沢明】

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  • 展示:1200点以上の美術作品を展示
  • 設計:小沢明建築研究室
  • 竣工:2005年
  • 用途:美術館
  • 住所:山形県鶴岡市馬場町
  • URL:参考ページ

鶴岡アートフォーラムは、芸術文化活動が盛んな街「鶴岡市」に新たに建設された展示施設である。

設計を務めたのは、早稲田大学・ハーバード大学大学院・槇文彦事務所を経て、1980年に独立し設計業務を行う建築家「小沢明」である。

本施設は、日本の歴史公園100選にも選ばれた、緑豊かな鶴岡公園内に建っており、周囲の自然との親和性を高めるため、全面がガラス張りになった開放的な建築物になっている。

当然、ギャラリーに関しては作品を保護する観点から、日射を避ける必要があるのだが、その点については開放的なガラスの箱の中に、閉鎖的な箱(ギャラリー)を配置する「入れ子構造」を採用することでしっかりと対応している。

5.マルコの蔵・広場【林寛治・片山和俊】

※本施設は美術館・博物館ではなく「ギャラリー」です。

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  • 展示:金山町にまつわる作品を展示
  • 設計:林寛治・片山和俊
  • 竣工:2013年
  • 用途:広場 展示場 交流施設
  • 住所:山形県最上郡金山町
  • URL:公式ページ

マルコの蔵・広場は、金山町が進める「街並みづくり100年運動」のシンボルとして2013年に建設された、展示場・広場・交流施設など複数の機能を持つ複合施設である。

設計は、両者ともに東京芸術大学美術学部出身の建築家「林寛治」と「片山和俊」の共同設計で行われた。

本施設は、かつて金山町で商家として栄えた西田家が所有していた「2棟の蔵」を再建する形で計画され、そこに屋根付きの回廊で囲われた「広場」を付加している。

この広場は、町の人同士はもちろんのこと、町を訪れた観光客と町人との交流の場として提供されている。

6.山形美術館【本間利雄】

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  • 展示:日本美術・東洋美術・郷土関係美術など
  • 設計:本間利雄設計事務所
  • 開館:1985年
  • 用途:美術館
  • 住所:山形県山形市大手町1-63
  • URL:公式ページ

山形美術館は、1964年に開館し、1985年に現在の建物が完成した、山形県山形市に建つ美術館建築である。

設計を務めたのは、山形県を中心に設計活動を行う建築家「本間利雄」である。

本施設は、日本伝統の切妻屋根を何倍かに拡大したかのような象徴的な形態をしているが、下層部を見ると、2本の大きな柱で上部ボリュームを持ち上げたかのような構成となており、日本伝統と近代建築が融合したかのような作品となっている。

また、本施設の西側には緑豊かな霞城公園が広がっており、その公園と連続するように建物前面にも緑豊かな大広場が配置されている。

7.本間美術館【伊藤喜三郎】

  • 展示:大地主・本間家が所有した美術作品
  • 設計:伊藤喜三郎
  • 竣工:1968年(新館)
  • 用途:美術館
  • 住所:山形県酒田市御成町7−7
  • URL:公式ページ

本間美術館は、山形県庄内地方の大地主「本間家」が所有した美術作品を保存・展示するための施設として、本間家別荘「清遠閣」と庭園「鶴舞園」を開放する形で1947年に開館した私立美術館である。

設計を務めたのは、日本の医療施設を数多く設計したことで知られる建築家「伊藤喜三郎」である。

1枚目の写真は、1968年に竣工した「新館」、2枚目の写真は本間家別荘であった「清遠閣」となっており、本間家が所有した美術作品は新館の方に展示されている。

また、この新館や清遠閣がある「本間氏別邸庭園・鶴舞園」は国指定名勝にも選ばれており、春は白ツツジ、秋は紅葉が楽しめる見事な庭園となっている。

8.庄内米歴史資料館(山居倉庫)【高橋兼吉】

  • 展示:山居倉庫の歴史・米の歴史など
  • 設計:高橋兼吉
  • 竣工:1893年
  • 用途:博物館
  • 住所:山形県酒田市山居町
  • URL:公式ページ

庄内米歴史資料館は、1893年に米の保存・集積を目的として建設された「山居倉庫(12棟現存)」の中の1棟を、山居倉庫の歴史や米の歴史などを展示する施設として改修し、1985年に開館した歴史博物館である。

山居倉庫は、山形市出身の建築技師「高橋兼吉」によって設計された土蔵造りの建物で、1893年~1897年の間に14棟建設された。

庄内米歴史資料館の内部では、山居倉庫や米の歴史を「原寸大模型」や「展示パネル」といった方法でわかりやすく解説しており、60㎏の米俵を担ぐ体験もできるという。

また、山居倉庫は全部で12棟あるわけだが、そのうちの1棟は「庄内米歴史資料館」、別の2棟は「酒田夢の倶楽」と呼ばれる観光物産館として活用されており、それ以外の棟は「現役の米蔵」として使用されている。

9.米沢市上杉博物館(伝国の杜)【関・空間設計】

米沢市上杉博物館
photo by contri/CC 表示-継承 2.0
  • 展示:上杉鷹山に関する資料の展示
  • 設計:関・空間設計
  • 竣工:2001年
  • 用途:博物館
  • 住所:山形県米沢市丸の内
  • URL:公式ページ

米沢市上杉博物館は「置賜文化ホール」「米沢市上杉博物館」という2つの施設を併設する形で建設された複合文化施設「伝国の杜」の中に建つ、博物館施設である。

米沢藩9代藩主「上杉鷹山」に関する資料の展示などを行っている。

伝国の杜の設計は、東北地方を拠点とする組織設計事務所「関・空間設計」が担当。

建築としては、建物前面に広がる緑豊かな広場と連続するように、大きなピロティ空間が設けられた構成が特徴的で、周辺の豊かな環境を建物内部にも反映させたデザインとなっている。

10.最上義光歴史館【本間利雄】

  • 展示:戦国武将・最上義光に関する展示
  • 設計:本間利雄設計事務所
  • 竣工:1989年
  • 用途:博物館
  • 住所:山形県山形市大手町
  • URL:公式ページ

最上義光歴史館は、戦国武将・最上義光に関する資料の保存・展示を目的として、山形市内にある「山形美術館」のすぐ隣に建設された歴史博物館である。

本施設の設計は、山形美術館と同様に、山形県を中心に設計活動を行う建築家「本間利雄」が担当。

建築としては、日本伝統の「切妻屋根」と西洋風の「列柱」が組み合わされた和洋折衷型の構成が特徴的な外観を作り出しており、建物前面には大きな池を持つ広場が配置されている。

山形美術館と合わせてみておきたい、山形県の観光名所である。

以上!

今回はこれで以上になります。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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