みなさんこんにちは、本サイト・建築LIFEを運営している「たけ」です。
今回は、山梨県の美術館・博物館10選をご紹介したいと思います。
山梨県には、果物歴史に関する展示を行うフルーツミュージアムから、日本を代表する建築家「安藤忠雄」が設計した美術館まで、多種多様な美術館・博物館施設が存在しています。
本記事では、それらの魅力的な施設の概要や建築の特徴などをわかりやすく解説しているので、山梨県で美術館巡りなどをする際には是非本記事を参考にしてみてください。
では早速本題に入ります。
山梨県の美術館・博物館10選【フルーツミュージアム~安藤忠雄建築まで】
1.フルーツミュージアム【長谷川逸子】
- 展示:果物の歴史に関する展示など
- 設計:長谷川逸子
- 竣工:1995年
- 用途:博物館 観覧場 温室
- 住所:山梨県山梨市江曽原
- URL:公式ページ
フルーツミュージアムは、フルーツ王国として名高い山梨県に建つ、温室・観覧場・展示室などからなる複合施設である。
本施設は、日本人女性として初めて大規模公共建築の設計を担当したとされる建築家「長谷川逸子」が設計を担当。
それぞれの機能は、ガラスや鋼管フレームで囲まれた「3つのドーム型建築」に分けて配置されており、それぞれ「トロピカル温室」「くだもの工房」「くだもの広場」という名称がつけられている。
長谷川逸子はこの建築を「フルーツ」をイメージして設計しているらしく、そういわれると地面に3つの果物が落ちているようにも見えなくはない。
2.山梨県立美術館【前川國男】




- 展示:フランスの画家「ジャン=フランソワ・ミレー」の作品など
- 設計:前川國男
- 開館:1978年
- 用途:美術館
- 住所:山梨県甲府市貢川
- URL:公式ページ
山梨県立美術館は、山梨県甲府市貢川にある芸術の森公園内に建てられた県立美術館である。
本美術館では、フランスの画家「ジャン=フランソワ・ミレー」の作品や、近現代の日本人作家による美術品などを中心に保存・展示を行っている。
本施設の設計は、日本建築界の巨匠「前川國男」が担当。
建築としては、前川國男の師匠ル・コルビュジエの代表作『サヴォア邸』を想起させるようなピロティ空間が象徴的な外観を形成している。
一方で、外壁には前川國男お得意の「赤レンガ風タイル」が使用されており、コルビュジェと前川國男が共演したような一作となっている。
3.富士山レーダードーム館【大成建設】




- 展示:富士山レーダーの歴史や気象観測に関する展示
- 施工:大成建設
- 開館:2004年
- 用途:体験学習施設
- 住所:山梨県富士吉田市新屋
- URL:公式ページ
富士山レーダードーム館は、元々富士山頂に立っていた「富士山レーダー」と呼ばれる気象レーダーを、2004年に富士山の麓に位置する山梨県富士吉田市に移設した建築物である。
前身の富士山レーダーは、世界一高い場所にある気象レーダーとして、いち早く台風の位置を感知し、台風による被害を抑えることができたため、日本にとって相当重要な役割を担っていた。
しかし、気象衛星の発達や施設の老朽化に伴い、富士山頂での気象レーダーとしての役割を終え、移設後は体験学習施設として機能している。
1964年に富士山頂に建設された「富士山レーダー」の施工は大成建設が行っており、そのまま引き継ぐ形で「富士山レーダードーム館」の施工も大成建設が行っている。
4.山梨県立富士湧水の里水族館【トライポッド・アーキテクツ】




- 展示:淡水魚
- 設計:トライポッド・アーキテクツ
- 竣工:2000年
- 用途:水族館
- 住所:山梨県南都留郡忍野村忍草
- URL:公式ページ
山梨県立富士湧水の里水族館は、海に面しない内陸県である山梨県に唯一存在する、淡水魚を専門的に取り扱う水族館施設である。
本施設の設計は「トライポッド・アーキテクツ」が担当。
建築としては、外壁に用いられている「イペ材」と呼ばれる木材と、緩やかな曲面を描く「ガラス」の対比が印象的な外観を形成しており、周囲の豊かな自然と調和するかのような魅力的な構成となっている。
また、内部では水槽に入った「水」そのものが建築の一要素化のように存在しており、機能と建築家が一体となった豊かな緩衝空間が作り出されている。
5.河口湖音楽と森の美術館【森義純建築設計室】
- 展示:オルゴールや自動演奏楽器
- 設計:森義純建築設計室
- 竣工:1999年
- 用途:美術館
- 住所:山梨県南都留郡富士河口湖町
- URL:公式ページ
河口湖音楽と森の美術館は、富士五湖の一つとして知られる「河口湖」の北東沿いに建つ美術館施設である。
本施設は、コンサートホール・オルガンホール・ミュージアムショップ・森のレストラン&カフェといった複数の建物群によって全体が構成されており、それらの建物が庭園や池などの自然を囲うようにして敷地内に分散配置されている。
本施設は、建築家・都市プランナーと知られる「森義純」が設計を担当。
それぞれの建築物は、西洋建築風の様式が採用されており、日本にいるのにヨーロッパ観光をしているかのような不思議な体験ができる施設となっている。
6.光の美術館【安藤忠雄】




- 展示:抽象画家・アントニ・クラーベの作品
- 設計:安藤忠雄建築研究所
- 竣工:2011年
- 用途:美術館
- 住所:山梨県北杜市長坂町
- URL:公式ページ
光の美術館は、山梨県の芸術文化複合施設「清春芸術村」の一施設として、敷地内に建てられた美術館建築物である。
スペインの抽象画家で、ピカソの後継者とも呼ばれた「アントニ・クラーベ」の作品を常設展示している。
本施設は、コンクリート建築を数多く手がけることで知られる建築家「安藤忠雄」が設計を担当。
コンクリートでできたシンプルなボックス型の建築だが、頂点の1つが切断され、そこにガラスがはめ込まれている。そして、内部空間には照明が一切ない。開口部から入る自然光だけで空間を照らしているのである。
安藤忠雄は、代表作「光の教会」で魅力的な光の空間を演出していたが、ここでも安藤忠雄の光使いの巧みさが存分に発揮されている。
7.清春白樺美術館【谷口吉生】




- 展示:文芸思潮「白樺派」にまつわる作品や資料
- 設計:谷口吉生
- 竣工:1983年
- 用途:美術館
- 住所:山梨県北杜市長坂町
- URL:公式ページ
清春白樺美術館は「光の美術館」と同様に、芸術文化複合施設「清春芸術村」の一施設として1983年に建設された美術館建築物である。
1910年創刊の文学同人誌『白樺』を中心にして起こった文芸思潮「白樺派」にまつわる作品や資料などを展示している。
本施設は、豊田市美術館・法隆寺宝物館など、数多くの美術博物館施設を手がけることで知られる建築家「谷口吉生」が設計を担当。
建築については、最近の谷口吉生建築とはかなり異なる雰囲気を持っているが、よく見てみると水平性のある構成やエントランス部分のガラス使いなどからは、谷口吉生らしさを感じる建築作品となっている。
8.えほんミュージアム清里【設計者不明】
- 展示:絵本
- 設計:不明
- 開館:1997年
- 用途:美術館
- 住所:山梨県北杜市高根町清里
- URL:公式ページ
えほんミュージアム清里は、国内外の絵本の保存・展示などを目的として、1997年山梨県北杜市高根町清里に建設された絵本美術館である。
本施設の設計者は不明である。(調べても出てきませんでした)
本施設は、周りが緑で囲われた自然豊かな敷地に建設されており、鋭い角を持った大屋根と落ち着いた灰色の外壁が、スタイリッシュながらどこか親しみやすい外観を形成している。
また、内部空間は美術館というよりは、家にたくさんの絵本が並べられたような親しみ深い空間構成となっており、子どもでも楽しみやすい美術館となっている。
9.山梨県立博物館【梓設計】




- 展示:山梨県の自然・人・歴史に関する資料など
- 設計:梓設計・山梨建築設計監理協同組合
- 竣工:2005年
- 用途:博物館
- 住所:山梨県笛吹市御坂町成田
- URL:公式ページ
山梨県立博物館は、山梨県の自然・人・歴史に関する研究・展示などを行う施設として、2005年に開館した総合博物館である。
本施設の設計は、日本の大手組織設計事務所「梓設計」が担当。
本施設は、従来の一方向的な見学主体型の博物館ではなく、来館者が体験・交流などを通して山梨県の自然や歴史を自主的に学べる双方向的な「参加体験・交流型博物館」となっている。
建築としては、平屋建てで水平性の高い構成となっており、深い軒・庇・細い柱群などの洗練された要素同士が重なり合い、スタイリッシュで落ち着きのある外観を形成している。
10.根津記念館【梓設計】
- 展示:根津嘉一郎に関する資料
- 設計:梓設計
- 竣工:2008年
- 用途:記念館
- 住所:山梨県山梨市正徳寺
- URL:公式ページ
根津記念館は、鉄道王という異名を持つ実業家「根津嘉一郎」の実家を建設当時の状態に復元・改修した上で、新たに展示館などを加え、根津嘉一郎の顕彰を目的とした記念館として2008年に開館した施設である。
本施設は、複数の建物と庭園、そしてそれらを囲う外壁によって構成されているが、その中でも長屋門・旧主屋・土蔵の3つの建物は、国の登録有形文化財に指定されている。
記念館の改修・復元、さらに展示館の設計などを担当したのは、日本の大手組織設計事務所「梓設計」である。
それぞれの建物の詳細については、公式ページをご覧いただきたい。
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今回はこれで以上になります。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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