神戸市内の有名建築物10選【安藤忠雄・村野藤吾・竹中工務店など】

みなさんこんにちは、本サイト・建築LIFEを運営している「たけ」です。

今回は、神戸市内の有名建築物10選をご紹介したいと思います。

神戸市には安藤忠雄をはじめとする有名建築家による魅力的な建築物が多数存在しています。

本記事では、それら建築物の特徴をわかりやすく解説しているので、神戸市で建築巡りをする際には是非参考にしてみてください。

では早速本題に入ります。

目次

神戸市内の有名建築物10選【安藤忠雄・村野藤吾・竹中工務店など】

1.竹中大工道具館【竹中工務店】

竹中大工道具館は、日本で唯一「大工道具」を民族遺産として収集・展示している博物館建築である。

名称からもわかる通り、本施設は「竹中工務店」によって設立された博物館であるため、建築の設計・施工はもちろん、竹中工務店自身で行った。

大工道具の博物館という事で、建築のいたるところに伝統の職人技が用いられており、建物自体が一つの展示物になったかのような優れた建築作品となっている。

建築全体としては、周囲に広がる六甲山の麓の豊かな自然環境を破壊しないために、平屋建てにすることによって建物の存在感を抑え、地階に展示室や倉庫などの必要機能を収めている。

2.兵庫県立美術館【安藤忠雄】

兵庫県立美術館は、兵庫県にゆかりのある作品をはじめとして、彫刻や版画など様々な美術作品を収蔵・展示している公立美術館である。

建築の設計は、日本を代表する建築家「安藤忠雄」が担当。

建築全体は、石壁でできた「基壇」の上に、3つの「ガラスの箱」が乗っかったような構成となっており、この3つの箱にはマトリョーシカのようにガラスの箱の中にコンクリートの箱が収まるという「入れ子構造」が採用されている。

通常、展示室には作品保護の観点から直接太陽光を取り入れることはできないのだが、入れ子構造を採用することによって、展示室と外部空間の間に「中間領域」を生み出すことができ、内外の関係性をより密接なものへと変化させている。

また、3つのガラスの箱の間には、写真2枚目にあるように「螺旋階段による円形テラス」が設置されており、魅力的な空間体験ができるようになっている。

建築詳細ページ

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3.六甲の集合住宅【安藤忠雄】

六甲の集合住宅は、日本三百名山の一つである「六甲山」の斜面に沿うようにして建てられた集合住宅である。

建築の設計は、日本を代表する建築家「安藤忠雄」が担当。

外見上はかなり高層の集合住宅に見えるが、法規上はどの部分も地上から10m以下に高さが抑えられている。

なぜ、安藤忠雄がここまで「斜面に沿わせた形で集合住宅を建設すること」にこだわったかというと、理由はシンプルで、建物と自然が一体になった魅力的な集合住宅を造りたかったからである。

安藤忠雄は、この六甲の集合住宅を設計した後に「地中美術館(2004年)」や「李禹煥美術館(2010年)」といった、地中に埋め込まれ自然と一体になった作品を数多く手がけていくのだが、その先駆けとなったのが実は六甲の集合住宅だったのかもしれない。

4.風の教会【安藤忠雄】

風の教会は別名「六甲の教会」と呼ばれることからもわかる通り、兵庫県神戸市の六甲山の上に建つ教会建築である。

建築の設計は、日本を代表する建築家「安藤忠雄」が担当。

安藤忠雄が設計した教会建築は日本各地に存在するが、その中でもこの風の教会は「光の教会」「水の教会」と並び、安藤忠雄の『教会三部作』として世に名が知れ渡っている。

建築全体は、安藤忠雄らしいコンクリート打ち放しの「礼拝堂」と、その礼拝堂へ参列者をいざなう擦りガラスに囲まれた「コロネード(柱廊)」によって構成されている。

このコロネードは全長が約40mあり、この空間を通ることで参列者は、日常から非日常の世界へと徐々に気持ちを切り替えていくわけだ。

5.ギャラリー野田【安藤忠雄】

photo by Pepechibiryu/CC 表示-継承 3.0
  • 設計:安藤忠雄
  • 住所:兵庫県神戸市灘区
  • 竣工:1993年
  • 用途:ギャラリー・アトリエ・住居

ギャラリー野田は、10坪にも満たない小さな三角形の敷地に建つ、ギャラリー・アトリエ・住居という3つの機能を複合した建築物である。

建築の設計は、日本を代表する建築家「安藤忠雄」が担当。

安藤忠雄らしいコンクリート打ち放しでできた外観は、見ての通り外周部にほとんど開口部を持っておらず、高さが増した「住吉の長屋」のようにも見える。

この狭い敷地に置かれたコンクリートの塊の内部空間にはなんと、高さ10m・4層吹き抜けの空間が広がっている。

そして、その吹き抜けを作る内壁に沿うようにして回り階段が設置されており、この階段自体がギャラリー空間にもなっているのだ。

安藤忠雄は「住吉の長屋」や「六甲の集合住宅」、そして「ギャラリー野田」といった条件の厳しい敷地でこそ本領を発揮するのではないだろうか、と思ってしまうほど逆境の時の安藤建築は魅力的だ。

6.原田の森ギャラリー【村野藤吾】

原田の森ギャラリーは、村野藤吾が初めて手掛けた美術館建築物である。

元々は「兵庫県立美術館」として建てられた施設なのだが、2001年からは安藤忠雄が設計した現・兵庫県立美術館に機能が移され、現在この施設は「原田の森ギャラリー」と名前を変え、兵庫県立美術館の分館として運営されている。

建築としては、真っ白なボリュームが柱で持ち上げられ、まるで浮遊しているかのような重厚ながらも軽快さをあわせもった外観が特徴的。

極限まで無駄を排したような純粋な形態を持ちつつ、どこか豊かさを感じる建築物となっている。

7.横尾忠則現代美術館【村野藤吾】

  • 設計:村野藤吾
  • 住所:兵庫県神戸市灘区原田通
  • 竣工:1982年(2012年改築)
  • 用途:美術館
  • URL:公式ページ

横尾忠則現代美術館は、兵庫県西脇市出身の現代美術家「横尾忠則」の作品を収蔵・展示する施設として、2012年に開館した美術館である。

本美術館は、旧兵庫県立美術館(現・原田の森ギャラリー)の西館として1982年に建設された建物を改修して利用。

そのため、建築の設計は原田の森ギャラリーと同じく村野藤吾が行っている。

建物の構成も基本的には「原田の森ギャラリー」を踏襲したものとなっており、真っ白なボリュームがピロティによって持ち上げられた特異な構成となっている。

8.西山記念会館【村野藤吾】※現存せず

photo by 663highland/CC 表示 2.5
  • 設計:村野藤吾
  • 竣工:1975年
  • 用途:記念館・ホール
  • 住所:兵庫県神戸市中央区脇浜町
  • URL:参考ページ

西山記念会館は、川崎製鉄初代社長・西山弥太郎の顕彰を目的として1975年建設された、記念室や多目的ホールなどからなる複合施設である。

本施設の設計は、商業建築の礎を築いたと言われる建築家「村野藤吾」によって行われた。

この建築の平面形態には三角形が採用されており、それぞれの頂点に値する部分は「強固なRC造のコア」、残りの部分は「フレキシブルな鉄骨造」として構造を使い分けている。

さらに、RC造コア部分の壁面は、コンクリートの可塑性という性質を活かして「滑らかな曲面」となっており、その微妙な曲面が建築に豊かな表情をもたらしている。

残念ながら本施設は2012年頃に解体され、跡地にはマンションが建てられてしまった。

9.六甲枝垂れ【三分一博志】

六甲枝垂れは、兵庫県の六甲山上に建てられた展望台施設である。

本建築では、自然環境と調和した建築作品を数多く手がける建築家「三分一博志」が設計を担当。

「山の上に立つ一本の大きな樹」をコンセプトに、枝垂れをイメージし、スチールとヒノキの枝材で作られた建物がシンボリックな外観を形成している。

さらに、樹の幹を成す煙突のような部分の中には、天井に直径約2mほどの穴が開けられており、この孔を通り風が外に抜けていく仕組みとなっている。

三分一博志建築らしい、地球の一部となった建築というわけである。

10.豊雲記念館【清家清】※閉館

  • 設計:清家清
  • 住所:兵庫県神戸市東灘区住吉山手
  • 竣工:1970年
  • 用途:記念館
  • URL:参考サイト

豊雲記念館は、大阪府出身の華道家「小原豊雲」の顕彰を主目的として兵庫県神戸市東灘区に建設された建築物である。

本施設は、京都出身の建築家「清家清」が設計を担当。

この建築は竣工当初、作品の収蔵をメインにした「小原流芸術参考館」として開館したが、1998年からは作品の展示なども行う「豊雲記念館」として運営されていた。

建築としては、重厚感のある建物に軽々しい「波形の屋根」が乗った構成が特徴的で、この波形は内部の天井にそのまま現れ、豊かな内部空間を作り出している。

※残念ながら本施設はすでに閉館しており、建物自体もいつ解体されてもおかしくない状況だという。

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今回はこれで以上になります。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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