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サヴォア邸【ル・コルビュジエ】

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photo by scarletgreen/CC BY 2.0
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サヴォア邸とは?

サヴォア邸は、フランス・パリ郊外の街ポワシーに建つ20世紀を代表する住宅作品である。

設計を務めたのは、「近代建築の三大巨匠」の一人として名高い建築家ル・コルビュジエ。

ル・コルビュジエの「近代建築の五原則」や「建築的プロムナード」といった建築に対する思想が凝縮されているのがこのサヴォア邸である。

たけひこ
たけひこ

そんなサヴォア邸の特徴を今回ご紹介します!!

ル・コルビュジエとは?

ル・コルビュジエは、近代に生まれた新しい技術「鉄筋コンクリート」を巧みに利用し、近代建築の先駆者となった建築家である。

近代建築の三大巨匠(四大巨匠)
  1. ル・コルビュジエ(1887~1965年、スイス)
  2. ミース・ファン・デル・ローエ(1886~1969年、ドイツ)
  3. フランク・ロイド・ライト(1867~1959年、アメリカ)
  4. (ヴァルター・グロピウス(1883~1969年、ドイツ))

代表作としては、「ユニテ・ダビタシオン」「国立西洋美術館」「ロンシャンの礼拝堂」などが挙げられる。

さらに、ル・コルビュジエは建築家としてだけではなく、画家としても有名であり、「ピュリスム(1918~25年)」と呼ばれるフランスで展開された絵画運動の先導者としても知られている。

建築の特徴

サヴォア邸の建築的特徴としては、次のような点が挙げられる。

  1. 「近代建築の五原則」が洗練された作品
  2. 「建築的プロムナード」による空間構成
  3. キャンバスとしての建築
  4. 壁に囲まれた2階テラス
  5. 車の動線を兼ねるビロティ

「近代建築の五原則」が洗練された作品

サヴォア邸はル・コルビュジエが1926年に発表した「近代建築の五原則」を基につくられている。

近代建築の五原則
  1. 自由な平面(プラン)
  2. 自由な立面(ファサード)
  3. 水平連続窓
  4. ピロティ
  5. 屋上庭園

1.自由な平面(プラン)

自由な平面は、鉄筋コンクリート造の発明によって、従来の組積造によるパターン化されたプランから解き放たれ、自由な部屋割りなどが実現したことをさす。

この自由な平面を実現する構造システムをコルビュジエは「ドミノシステム」と名付けている。

ドミノシステムは、「柱」「スラブ」「階段」の3つの要素のみで構成される構造システムである。

2.自由な立面(ファサード)

自由な立面は、鉄筋コンクリート造が生まれたことで開口部や壁の位置を自由に決められるようになったことをさす。

これによって、どの面を見ても正面のように見える、裏表のないファサードが実現している。

3.水平連続窓

水平連続窓は、2の自由な立面が実現したことによって、すべての住戸に豊かな採光と景色を取り入れられるようになったことをさす。

この横に長い開口によって、すべての部屋にまんべんなく光を取り入れられる。

4.ピロティ

ピロティは、組積造の重々しい外観から解き放たれ、浮いたようにも見える軽々しい外観が実現したことをさす。

このピロティが、建物の内側と外側の境界部を曖昧にし、人や風などの通り道の連続性を生み出している。

5.屋上庭園

屋上庭園は、地上でなく屋上に庭園を設けることで、プライバシーが確保された空間をつくれることをさしている。

この空間があることで、住宅という空間が豊かなものへと変化している。

「建築的プロムナード」による空間構成

サヴォア邸には「近代建築の五原則」の他にもう一つ、ル・コルビュジエのコンセプトがある。

それが「建築的プロムナード」である。

プロムナードとは日本語で「散策路」を意味し、スロープや階段といった移動要素を通して、建築内を散策し、その中で変化する景色や活動を楽しむというものである。

この考えを基に、サヴォア邸でも建物の中央にスロープ、その横に螺旋階段が設けられている。

キャンバスとしての建築

サヴォア邸の全体的な色合いとしては白を基調としているが、所々に青や緑といった色彩豊かな壁が設けられている。

なぜこのような構成がとられているのか?

この疑問を紐解く手がかりとして、ル・コルビュジエが画家としても活動していたということが挙げられる。

そう、建築を白いキャンバスに見立て、そこに色鮮やかな色をのせているのである。

さらに、この色の壁も何となく配置しているのではなく、木や芝生に続く部分には「緑色」、水回りには「青色」といった具合に設備や環境に合わせ配置されている。

壁に囲まれた2階テラス

2階部分には、コの字型の部屋と壁に周囲を囲われたテラスが存在する。

テラスと部屋をつなぐ部分は大きなガラス面、壁部分には水平連続窓が設置されており、テラスにも部屋にも豊かな採光や景色が入り込む構成となっている。

車の動線を兼ねるビロティ

外部と内部の中間領域となり、人や風をグラデ―ショナルに通す役割を果たすピロティであるが、サヴォア邸ではその他にも変わった役割を持つ。

1階部分の壁が曲線状になっており、ピロティ空間が車をガレージまで導く動線にもなっているのである。

この構成により、空間としては外部空間だが、建物の中を回ってガレージに向かっているような不思議な体験ができるだろう。

建築概要

  • 所在地:82, Chemin de Villiers, 78300 Poissy
  • 竣工 :1931年
  • 用途 :専用住宅
  • 構造 :RC造
  • 階数 :地上2階
  • 設計 :ル・コルビュジエ

最後に・・・

以上がサヴォア邸の特徴でした。

「近代建築の五原則」や「建築的プロムナード」といった、ル・コルビジエの建築に対する考えが凝縮された魅力的な建築だったと思います。

たけひこ
たけひこ

是非一度、サヴォア邸を訪れてみてください!!

ご覧いただきありがとうございました。

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