みなさんこんにちは、本サイト・建築LIFEを運営している「たけ」です。
今回は、瀬戸内海に浮かぶ小島「直島」の有名建築物12選をご紹介します。
アートの島として有名な直島には、安東忠雄やSANAAなどの有名建築家が設計した建築物が数多く存在しています。
本記事では、そんな建築物の特徴などをわかりやすく解説しているので、ぜひ直島観光をする際には本記事を参考にしてみてください。
では早速本題に入ります。
直島の有名建築物12選【SANAA・安藤忠雄・藤本壮介など】
1.海の駅なおしま【SANAA】

海の駅なおしまは、瀬戸内海に浮かぶアートの島「直島」の宮ノ浦港に建つフェリーターミナルである。
建築の設計は、妹島和世と西沢立衛による建築家ユニット「SANAA」が担当した。
最大70メートルにも及ぶ水平な大屋根が、穏やかな宮ノ浦港の風景に溶け込むように静かに佇んでいる。
計画当初は、直島のランドマークになるようなシンボルタワーを建てる案なども出ていたそうだが、安藤忠雄が直島で徹底的に行っている自然と同化した建築に影響を受けたのか、この施設でも周辺環境との調和を最優先として設計が行われている。
ちなみに、この大屋根の下には複数のガラスの箱が設置されており、事務スペースや待合スペース、カフェなどが内包されている。
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2.直島港ターミナル【SANAA】

直島港ターミナルは、瀬戸内海に浮かぶアートの島「直島」の旅客船ターミナルとして2006年に建設された施設である。
建築の設計は、妹島和世と西沢立衛による建築家ユニット「SANAA」が担当した。
雲のような半球状の形態がシンボリックな外観を形成しているが、これはFRPと呼ばれる繊維強化プラスチックでできており、一つあたり直径は約4mもある。
さらに、その球体は木の架構によって支えられており、内部では木のぬくもりとFRPを通して入る光に満たされた豊かな空間が形成されている。
3.地中美術館【安藤忠雄】
地中美術館は、瀬戸内海に浮かぶアートの島「直島」に建つ美術館建築物である。
建築の設計は、コンクリート建築でおなじみの建築家「安藤忠雄」が担当した。
コンセプト「自然に埋没する建築」
このコンセプトを基に、もともと敷地に存在していた豊かな自然環境や景観を破壊しないように、安藤忠雄は建築の全ヴォリュームを地中に埋め込むという、とんでもない計画を立てた。
しかし、この大胆な設計によって、瀬戸内の美しい風景や環境はそのままに保存しつつ、地下空間にはその環境と一体となった魅力的なアート空間が生まれている。
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4.李禹煥美術館【安藤忠雄】

李禹煥美術館は、瀬戸内海に浮かぶアートの島「直島」に建つ美術館建築である。
建築の設計は、コンクリート建築でおなじみの建築家「安藤忠雄」が担当した。
李禹煥は1936年に韓国で生まれ、1960~70年代にかけて日本で流行した「もの派」という現代美術の先駆者として知られる彫刻家である。
その李禹煥の作品を展示する美術館として建設されたのがこの李禹煥美術館で、建築としては地中美術館と同様に、建築ボリュームの大半を地下に埋め込み、周辺の自然環境に溶け込ませた構成となっている。
また、この美術館はアプローチ空間も魅力的で、コンクリートの壁を何枚も並行に並べ、その壁の間を迂回するように展示室まで歩いていく構成となっている。
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5.ANDO MUSEUM【安藤忠雄】
ANDO MUSEUMは、瀬戸内海に浮かぶアートの島「直島」に建つ美術館建築物である。
建築の設計は、コンクリート建築でおなじみの建築家「安藤忠雄」が担当した。
「安藤忠雄のエッセンスを詰め込んだ美術館」
敷地周辺には、木造の古民家がたくさん立ち並んでおり、ANDO MUSEUM自体も外観だけ見るとそれら古民家に溶け込むような木造建築物となっている。
しかし、実際に内部に入ってみると、安藤忠雄らしいコンクリートに埋め尽くされた空間が広がっており、内外の想定外性が魅力的な美術館となっている。
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6.ヴァレーギャラリー【安藤忠雄】
ヴァレーギャラリーは、瀬戸内海に浮かぶアートの島「直島」に2022年に開館したギャラリーである。
建築の設計は、コンクリート建築でおなじみの建築家「安藤忠雄」が担当した。
コンセプト「建築の原点に立ち返る光」
このコンセプトを基に、若き日の安藤忠雄に絶大な影響を与えたという「ローマ・パンテオン」を彷彿とさせる、魅力的な光の空間が直島に誕生した。
ちなみに、ヴァレーギャラリー内や外の庭や池などに設置されているミラーボールは、芸術家・草間彌生による「ナルシスの庭」というアート作品である。
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7.ベネッセハウス・ミュージアム【安藤忠雄】
ベネッセハウス・ミュージアムは、瀬戸内海に浮かぶアートの島「直島」に建つ美術館とホテルを併設した施設である。
建築の設計は、コンクリート建築でおなじみの建築家「安藤忠雄」が担当した。
本施設は、瀬戸内海を望む高台に位置しており、安藤忠雄の代表作「地中美術館」や「李禹煥美術館」と同様に、コンクリートの建物が周囲の地形に埋め込まれる形で建設されている。
建物自体は、円柱や直方体といった幾何学的な形態を組み合わせることで成立しており、特に建物中央に存在する円柱型のギャラリー(写真1枚目)では、スロープやトップライトによって魅力的な空間が形成されている。
また、本美術館では特定の展示室の中に作品を展示するのではなく、建物全体を展示室と見立て、内外問わず至る所に現代アート作品が点在しているのも特徴的だ。
8.ベネッセハウス・オーバル【安藤忠雄】

ベネッセハウス・オーバルは、瀬戸内海に浮かぶアートの島「直島」に建つ宿泊施設である。
建築の設計は、コンクリート建築でおなじみの建築家「安藤忠雄」が担当した。
ベネッセハウス・ミュージアムの別館として建てられた施設で、小高い丘の頂上に建っているため、本館からリフトカーに乗って移動する仕組みとなっている。
建築全体は、直島における安藤忠雄建築と同様に、地中に埋め込まれたような構成となっており、中央には大きな水庭が設置され、その水庭を囲うようにして6室しかない客室が配置されている。
9.南寺【安藤忠雄】
南寺は、瀬戸内海に浮かぶアートの島「直島」に建つギャラリー施設である。
建築の設計は、コンクリート建築でおなじみの建築家「安藤忠雄」が担当した。
本施設は、直島におけるアートプロジェクト「家プロジェクト」の一環として建設された施設で、このプロジェクトは南寺を合わせて全7軒の建築物で構成されている。(2023年現在)
南寺では、アメリカロサンゼルス出身のアーティスト・ジェームズ・タレルの作品を公開しているが、展示内容に関してはネタバレしないでおこう。(やばい体験ができます)
建築としては、深い軒が象徴的な木造建築となっているため、一見しただけだと安藤忠雄建築とは思えないが、内外の動線計画などを見ると安藤忠雄らしさが随所に現れている。
10.直島パヴィリオン【藤本壮介】

直島パヴィリオンは、瀬戸内海に浮かぶアートの島「直島」にあるパヴィリオン(仮設建築物)である。
このパヴィリオンの設計は、建築家「藤本壮介」が担当。
直島の玄関口である宮浦港のすぐそばに設置されており、直島を訪れた人々はまずこのパヴィリオンで写真を撮ってから島を巡ることとなる。
ステンレスメッシュで構成されるこのパヴィリオンの中に入ると、まるで雲の中にいるような不思議な感覚に陥る。
11.直島ホール【三分一博志】
直島ホールは、犬島と同様に、瀬戸内海に浮かぶ島「直島」に建設された、ホールや集会所からなる施設である。
建築の設計は、山口県出身の建築家「三分一博志」が担当。
建築としては、入母屋造りの大屋根に大きな「風穴」が開けられた構成が特徴的で、この風穴から直島特有の南風を取り込める仕組みとなっている。
三分一博志は自身の一貫したテーマとして「建築が地球の一部となること」というのを掲げているが、この直島ホールは「風」という地球の要素を通して、まさに地球の一部になった建築物となっている。
12.The Naoshima Plan「住」【三分一博志】
The Naoshima Plan「住」は、新たに直島に住む人のための長屋住宅を設計し、それをスケルトン(骨組み)のまま公開した作品である。
建築の設計は、山口県出身の建築家「三分一博志」が担当。
この作品で三分一博志氏は、現代の環境問題に対応する「新たな建築工法」を作り出し、その工法や素材をそのまま公開することで、多くの人と「自然と建築」の現状を共有しようとしている。
具体的には、日本伝統の工法「慣工法」に着目し、その弱点であった地震の際の揺れが大きいという点を克服し科学的に証明するために「平間柱貫工法」という新しい工法を作り出した。
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今回はこれで以上になります。
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