みなさんこんにちは、本サイト・建築LIFEを運営している「たけ」です。
今回は、岐阜県の有名建築物12選をご紹介したいと思います。
岐阜県には、藤森照信や安藤忠雄、伊東豊雄といった超有名建築家が設計した魅力的な建築物が多数存在しており、本記事ではそれらの建築物の概要や特徴などを解説しています。
岐阜県で建築巡りをする際などには、是非本記事を参考にしてみてください。
では早速本題に入ります。
岐阜県の有名建築物12選【安藤忠雄・伊東豊雄・藤森照信など】
1.多治見市モザイクタイルミュージアム【藤森照信】
- 設計:藤森照信
- 竣工:2016年
- 用途:博物館
- 住所:岐阜県多治見市笠原町
- URL:公式ページ
多治見市モザイクタイルミュージアムは、モザイクタイル発祥の地である岐阜県多治見市笠原町に建つ、モザイクタイルを専門的に取り扱う博物館である。
ちなみに、モザイクタイルとは「1枚の表面積が50㎠以下のタイル」のことを指す。
本施設の設計は、ジブリに出てきそうな建築物を数多く手掛けることで知られる建築家「藤森照信」が担当。
建築としては、モザイクタイルの原料となる土を掘りだすための「採土場」をモチーフとした、巨大な土壁が象徴的な外観を形成しており、実際にこの壁の仕上げには土が使用されている。
2.セラミックパークMINO【磯崎新】
- 設計:磯崎新アトリエ
- 竣工:2002年
- 用途:美術館・イベントホールなど
- 住所:岐阜県多治見市東町
- URL:公式ページ
セラミックパークMINOは、美術館・イベントホール・国際会議場など複数の機能を内包する、岐阜県多治見市の小高い丘の上に建つ複合施設である。
本施設の設計は、北九州市立美術館や京都コンサートホールなど、数多くの公共建築物を設計したことで知られる建築家「磯崎新」が担当。
普通、建物を丘の上に建てるとなると、いったん地面を平らにしてから、そこに新たに建物を建設するのが一般的な方法なのだが、この建築はできるだけ既存の自然環境を破壊しないために、地形や植栽の間を縫うようにして建物が建設されている。
ただでさえ、必要とされる機能が多い施設であるのにもかかわらず、周辺環境にも配慮して計画しているあたりは、さすが磯崎新といったところだろうか。
3.瞑想の森 市営斎場【伊東豊雄】
瞑想の森市営斎場は、岐阜県各務原市に建つ火葬場建築物である。
本施設の設計は、せんだいメディアテーク・ぎふメディアコスモスなど、数多くの公共施設を手がけることで知られる建築家「伊東豊雄」が担当。
本施設は、南側に緑豊かな山、北側には大きな溜池が広がる、自然豊かな敷地環境に計画された。
そんな敷地環境を考慮してか、設計者である伊東豊雄は、従来の重厚で閉鎖的な火葬場建築物ではなく、空に浮かぶ雲のような軽やかな屋根に覆われた、おおらかな建築物をつくり出している。
4.みんなの森 ぎふメディアコスモス【伊東豊雄】
みんなの森 ぎふメディアコスモスは、図書館・交流センター・展示ギャラリーなど複数の機能からなる、岐阜県岐阜市に建つ複合施設である。
本施設の設計は、日本のみならず国外でも活躍する世界的建築家「伊東豊雄」が担当。
本施設最大の特徴は、2階の天井に吊るされている「グローブ」と呼ばれる傘型の構築物である。
このグローブが空間を曖昧に区切ることで、大空間の中に多様な居場所を生みだしつつ、全体としては一体性を持った賑やかな内部空間を作り出している。
5.加藤栄三・東一記念美術館【吉村順三】




- 設計:吉村順三設計事務所
- 竣工:1990年
- 用途:美術館
- 住所:岐阜県岐阜市大宮町
- URL:公式ページ
加藤栄三・東一記念美術館は、岐阜市出身の画家「加藤栄三」「加藤東一」兄弟の顕彰を目的として、岐阜県岐阜市に建設された美術館建築である。
本美術館は、昭和期を代表する日本人建築家「吉村順三」が設計を担当。
背後に山が迫る樹木に囲まれた敷地に本美術館は建設されており、その景観に自然と馴染む「漆喰の白壁」と「平板瓦の屋根」がこの建築を印象付けている。
また、施設全体の形状としては、2つのL字型の展示室が向き合うような構成となっており、その間には中庭が設けられ、内部にいても外の豊かな自然を感じられる魅力的な空間が形成されている。
6.旧・羽島市役所【坂倉準三】




- 設計:坂倉準三
- 竣工:1959年
- 用途:市役所
- 住所:岐阜県羽島市竹鼻町
- URL:公式ページ
旧・羽島市役所は、市役所としての機能だけではなく、小公民館・市立図書館・消防用事務所など、複数の機能が入る複合施設として1959年に建設された、岐阜県羽島市の市役所である。
本施設は、新宿駅西口地下広場・国際文化会館など、数多くの公共建築物を手がけることで知られる昭和期を代表する建築家「坂倉準三」が設計を担当。
建築としては、モダニズム建築を象徴するかのような重量感のあるコンクリート柱や、その先のピロティ空間、2階部分まで伸びる大きなスロープ空間などが特徴的な建築となっている。
残念ながらこの建築は、耐震不足などの理由から2022年に解体が決定している。
7.藤村記念館【谷口吉郎】




- 設計:谷口吉郎
- 開館:1952年
- 用途:文学館
- 住所:岐阜県中津川市馬籠
- URL:公式ページ
藤村記念館は、明治・大正・昭和の三代にわたって活躍した詩人「島崎藤村」の顕彰を目的として、1952年岐阜県中津川市に開館した文学館施設である。
本施設は、東京国立近代美術館・東京帝国劇場など、数多くの有名建築物を手掛けたことで知られる昭和期を代表する建築家「谷口吉郎」が設計を担当。
谷口吉郎は「日本の伝統様式×コンクリート」という和洋折衷型建築を数多く手がけているが、この建築は純木造の建築物となっている。
なぜ木造なのかというと、この建築が戦後の貧しい時代に建てられたことが原因となっており、まともに建設会社も雇えなかったため、村民が力を合わせてつくり上げたという歴史を持っている。
8.長良川国際会議場【安藤忠雄】
- 設計:安藤忠雄建築研究所
- 竣工:1995年
- 用途:国際会議場・多目的ホール
- 住所:岐阜県岐阜市長良福光
- URL:公式ページ
長良川国際会議場は、国際会議場・多目的ホール・市民ギャラリーなど複数の機能を内包する、岐阜県岐阜市に建つ複合施設である。
本施設は、コンクリート建築を数多く手がけることで知られる建築家「安藤忠雄」が設計を担当。
建築は、国際会議場が入る卵型のボリュームを、その他の機能が入る屋上が大階段になったボリュームに貫入させたかのような構成となっており、それらがコンクリートで仕上げられ象徴的な外観を作り出している。
さらに、屋上の大階段を上った先には、4つのキューブ型のトップライトが設置されており、その下には4層吹き抜けとなった市民ギャラリーが存在し、光が降り注ぐ豊かな大空間が形成されている。
9.岐阜県美術館【日建設計】




- 設計:日建設計
- 竣工:1982年
- 用途:美術館
- 住所:岐阜県岐阜市宇佐
- URL:公式ページ
岐阜県美術館は、岐阜県にゆかりのある作家の作品を中心に収集・展示を行っている、岐阜県岐阜市に建つ美術館である。
本施設は、東京タワー・東京スカイツリーなど、日本を代表する建築物を数多く手がける日本の組織設計事務所「日建設計」が設計を担当。
上空写真を見ると、施設中央に東西に細長く伸びる棟が設置されていることがわかるが、この棟は「美術館ホール」と呼ばれ、2層吹き抜けのトップライトが設けられた大空間となっている。
そして、美術館のあらゆる機能はこの「美術館ホール」を基点として展開されており、来館者はまずこの美術館ホールに入ってから、常設展示室や企画展示室にアプローチする動線計画となっている。
10.北方町庁舎【宇野享・武藤圭太郎】




- 設計:宇野享・武藤圭太郎
- 竣工:2016年
- 用途:庁舎
- 住所:岐阜県本巣郡北方町
- URL:公式ページ
北方町庁舎は、岐阜県北方町の庁舎として2016年に建設された建築物である。
本施設の設計は、シーラカンスアンドアソシエイツのパートナー「宇野享」と、東海地方を中心に活動する「武藤圭太郎」の共同設計で行われた。
建築としてはなんといっても、重厚感のある大屋根が象徴的な外観を形成しており、その大屋根によってつくられた深い軒下空間は、街の人々が自然と集まり交流を深める公共空間となっている。
また、大屋根には至る所に開口部やテラスなどが設けられており、大屋根の内部に光を取り入れつつ、内部での活動が外に表出されるような構成となっている。
11.神戸町立図書館【安井建築設計事務所】




- 設計:安井建築設計事務所
- 竣工:1995年
- 用途:図書館
- 住所:岐阜県安八郡神戸町
- URL:参考ページ
神戸町立図書館は、岐阜県神戸町の町立図書館として1995年に竣工した施設である。
本施設は、大阪府大阪市に本社を置く組織設計事務所「安井建築設計事務所」が設計を担当。
本施設最大の特徴は何といっても、水平線のように永遠に伸びていくかのような美しい直線を描いた「フラットルーフ」であろう。
施設全体は平屋建てとなっており、その建物の上に乗っかる水平ラインが強調された大屋根が、周囲の山並みや木々の有機的な形態と対比を成し、自身の存在を主張するかのような力強い外観を形成している。
12.博石館【小栗廣正】
- 設計:小栗廣正+建築計画工房MA-TRICKS
- 竣工:1986年
- 用途:鉱物展示館
- 住所:岐阜県中津川市蛭川
- URL:参考ページ
博石館は、世界の珍しい鉱物や、日本有数の鉱物の産地として知られる蛭川産の鉱物などを収蔵・展示する施設として、1986年岐阜県中津川市に建設された博物館である。
本施設は、岐阜県を中心に活動を行う「小栗廣正+建築計画工房MA-TRICKS」が設計を担当。
施設全体は「博石館本館」「みかげ館」「第2博石館」の3棟によって構成されており、すべての棟は石の博物館らしく、石造り風の外観を呈している。
また、敷地内には地元蛭川産の御影石を使用して作られた「ピラミッド」や、ストーンヘンジを模したかのような「石の門」など、様々な石を用いた構築物が建てられており、施設全体で石を学び・石を感じらる楽しい空間が形成されている。
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今回はこれで以上になります。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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