みなさんこんにちは、本サイト・建築LIFEを運営している「たけ」と言います。
今回は、福島県にある有名建築物13選をご紹介したいと思います。
駅舎と図書館が一体化した「駅図書館」から音楽堂や水族館建築まで、多種多様な施設を紹介しているので、是非福島県で建築巡りをする際には参考にしてみてください。
早速本題に移ります。
福島県の有名建築物13選【駅図書館~音楽堂建築まで】
1.アクアマリンふくしま【日本設計】
- 設計:日本設計
- 竣工:2000年
- 用途:水族館・海洋科学館
- 住所:福島県いわき市小名浜字辰巳町
- URL:公式サイト
アクアマリンふくしまは、福島県いわき市に建つ「水族館(観光施設)」と「海洋科学館(教育施設)」という二つの機能をあわせもった博物館建築である。
本施設の設計は、設計協議審査会で最優秀賞を受賞した大手組織設計事務所「日本設計」が担当。
生物のように緩やかな曲面を描いた「ガラスシェルター」が象徴的な外観を形成しつつ、前面に広がる太平洋と呼応するような開放性のある博物館となっている。
建築に詳しい人からすると、優れた水族館建築を聞かれてまず思いつくのは谷口吉生設計の「葛西臨海水族園」だと思うが、福島にもこれほど魅力的な水族館建築があることを忘れてはいけない。
2.福島県国見町庁舎【ジェイアール東日本建築設計事務所・田畑建築設計事務所】




- 設計:ジェイアール東日本建築設計事務所・田畑建築設計事務所
- 竣工:2015年
- 用途:庁舎
- 住所:福島県伊達郡国見町
- URL:公式サイト
福島県国見町庁舎は、福島県伊達郡国見町の行政業務を行うための施設として、2015年に建設された庁舎建築物である。東日本大震災で被災した庁舎の中でいち早く復興を果たして建設された施設である。
本庁舎の設計は「ジェイアール東日本建築設計事務所」と「田畑建築設計事務所」が共同で実施。
「町民が集う未来に向けた森の庁舎」というコンセプトを基に、主要構造部の柱と梁に「鋼材を内蔵した集成材」を利用することによって、木のぬくもりであふれる内部空間を構築している。
また、ファーサードでも「木製ルーバー」や木材に囲まれた「テラス」を複数飛び出させることによって、暖かみのある外観を形成。内外共に、木材であふれた豊かな空間を形成している。
3.福島県立美術館【大高正人】
- 設計:大高建築設計事務所
- 竣工:1984年
- 用途:美術館
- 住所:福島県福島市森合字西養山
- URL:公式サイト
福島県立美術館は、福島県福島市の市街地にポツリと佇む山「信夫山」の麓に、福島県立図書館と併置する形で建設された県立美術館である。
本施設の設計は、福島県出身の建築家「大高正人」が担当。
建築としては、大高正人の事務所が何年も前から挑戦していた「日本の伝統的な独自性の蘇生」というテーマを基に、切妻屋根・寄棟屋根・方形屋根といった日本伝統の屋根形式を付与した構成となっており、それにより落ち着きのある外観を作り出している。
また、併置する福島県立図書館とは「渡り廊下」で動線的に接続されているが、それだけではなく、外壁タイルなどの「素材」も統一することによって、視覚的な統一感も演出している。(設計者は別々だが、協議を行いながら設計を進めた)
4.福島県立博物館【佐藤武夫】




- 設計:佐藤武夫設計事務所
- 竣工:1986年
- 用途:博物館
- 住所:福島県会津若松市城東町
- URL:公式サイト
福島県立博物館は、福島県会津若松市の「鶴ヶ城公園」内に建つ県立博物館で、福島県の歴史・民俗・自然に関する資料の収集・展示などを行っている。
設計は、日本の大手組織設計事務所「佐藤総合計画」の生みの親である建築家「佐藤武夫」が担当。
本施設は、この地方に伝わる伝統的な「蔵」の形式をモチーフとして設計されており、日本伝統の「切妻屋根」と「漆喰」をイメージさせる白タイルの外壁が、建物に重厚感を付加している。
また、この蔵をモチーフにした形態は、周辺に建つ「会津若松城」などの歴史のある建物との調和を成しており、周辺一帯の景観にも溶け込んだ優れた建築作品となっている。
5.道の駅 あいづ 湯川・会津坂下【アルセッド建築研究所】




- 設計:アルセッド建築研究所
- 竣工:2014年
- 用途:道の駅
- 住所:福島県河沼郡湯川村大字佐野目字
- URL:公式サイト
道の駅 あいづ 湯川・会津坂下は、国道49号の道の駅として2014年に建設された施設で、多目的広場やレストランなど様々な機能が複合されている。
本施設の設計は、住宅から公共施設まで様々な建築作品を手掛ける設計事務所「アルセッド建築研究所」が担当。
本施設は全面的に木造でできており、建物内部には地場製材を用いた「樹状トラスの架構」が連続し、森の中にいるかのような豊かな内部空間が形成されている。
また、この樹状トラス架構は、鉛直方向の荷重だけでなく水平方向の荷重にも対応しているため、耐震壁のない開放的なファサードや内部空間の実現に寄与している。
6.いわき平競輪【日本設計】
- 設計:日本設計
- 竣工:2006年
- 用途:競輪場・観覧場
- 住所:福島県いわき市平
- URL:公式サイト
いわき平競輪は、日本選手権競輪やオールスター競輪など様々なビッグレースも実施される、福島県いわき市平に建つ競輪場建築物である。
本競輪場の設計は、日本の大手組織設計事務所「日本設計」が担当。
本施設はバンク(競争路)が2階レベルまで持ち上げられたことによって、まるでUFOのような異様な外観を呈しているが、この形態は、地上レベルに大規模な駐車場を設置するためにとられた構成だという。
また、バンクに迫るように斜めのガラス面が設置された「メインスタンド」も象徴的な外観をしており、施設全体として地域のランドマーク的な存在となっている。
7.JR磐城塙駅【伊藤邦明】
- 設計:伊藤邦明+建築研究所MAIS
- 竣工:1994年
- 用途:JR駅舎 展示館 図書館
- 住所:福島県東白川郡塙町
- URL:公式サイト
JR磐城塙駅は、「塙町立図書館」と「塙町コミュニティプラザ」を含む複合施設として、1994年建てられたJR東日本の駅舎建築である。
本施設の設計は、東北大学工学部建築学科出身の建築家「伊藤邦明」が担当。
施設全体としては「円錐型の屋根を持った棟」6つと「四角錐型の屋根を持った棟」2つの、計8棟で構成されており、写真手前の3棟が展示室や待合室からなる「塙町コミュニティプラザ」、それ以外の棟には「塙町立図書館」の機能が入っている。
象徴的な屋根群の内部空間は「林の中」や「大傘の下の休憩所」といった空間をイメージして設計されており、傘の骨組みのような木造架構が豊かな空間を作り出している。
8.泉崎資料館【湯澤正信】




- 設計:湯澤建築設計研究所
- 竣工:1993年
- 用途:歴史民俗資料館
- 住所:福島県西白河郡泉崎村大字泉崎字八丸
- URL:公式サイト
泉崎資料館は、JR東日本東北本線の駅「泉崎駅」に隣接する位置に建つ、泉崎村の歴史・民俗に関する展示などを行う資料館である。
設計を務めたのは、磯崎新のアトリエに勤務後、自身の設計事務所を設立して活動した建築家「湯澤正信」である。
本施設は、電車の通る線路側に展示室や収蔵庫といった閉鎖的な機能を配置し、その反対側にはロビーやイベントホールといった開放的な機能を配置。
そして、それら複数の機能を包み込むように軽やかな大屋根がコンクリートの建物全体にかぶせられており、施設全体として一体感を演出している。
9.郡山市立美術館【柳澤孝彦】
- 設計:TAK建築・都市計画研究所/柳澤孝彦
- 竣工:1992年
- 用途:美術館
- 住所:福島県郡山市安原町字大谷地
- URL:公式サイト
郡山市立美術館は、福島県郡山市にゆかりのあるアーティストの作品の保存・展示など目的として、緑豊かな「風土記の丘公園」内に建設された美術館建築である。
設計は「東京都現代美術館」や「新国立劇場」など、数多くの公共施設を手掛けたことで知られる建築家「柳澤孝彦」が担当。
上空写真を見るとわかりやすいのだが、本施設は、緩やかな傾斜を持った「石の広場」を囲うようにして「L字型の棟」が配置されており、そのL字型の棟には丘と呼応するかのような「大屋根」がかけられている。
また、建物の前面に設けられた池と石の広場の間には、約100mに及ぶキャノピー(庇)を持った回廊空間が設けられており、来館者をエントランスまで誘う役割を果たしている。
10.ビッグパレットふくしま【北川原温】




- 設計:北川原温建築都市研究所
- 竣工:1998年
- 用途:展示場・集会場
- 住所:福島県郡山市南2丁目52
- URL:公式サイト
ビッグパレットふくしまは、多目的ホール・コンベンションホール・屋外展示場など、複数の機能が内包された、福島県郡山市に建つ複合施設である。
設計を務めたのは、日本建築学会賞作品賞や村野藤吾賞など数多くの賞を受賞した経験を持つ建築家「北川原温」である。
本施設は、建物を覆うように設けられた「楕円形の大屋根」が象徴的な外観を作り出しているが、この形態は「一粒の水滴」をモチーフとしており、これは西側にある猪苗代湖の「水」を引くことによって栄えた郡山市の歴史を象徴する形態にもなっている。
また、本施設の愛称「ビックパレットふくしま」も、この象徴的な大屋根の形態が大きなパレットに見えることが由来になっているという。
11.棚倉町文化センター【古市徹夫】
- 設計:古市徹雄・都市建築研究所
- 竣工:1995年
- 用途:公会堂・生涯学習施設
- 住所:福島県東白川郡棚倉町
- URL:公式サイト
棚倉町文化センターは、多目的ホールや会議室、プラネタリウムなど様々な機能が内包された、福島県東白川郡棚倉町に建つ複合施設である。
設計は、福島県出身の建築家「古市徹雄」が担当。
本施設は、2つの軸線によって建物の配置が決定されており、その一つは街のシンボル的存在である「八溝山」への軸線、もう一つは棚倉町の姉妹都市であるギリシャの「スパルタ市」への軸線である。
また、本施設は、ギリシャ建築を想起させるような「列柱」や「白壁」も特徴の一つになっているが、これはスパルタ市と姉妹都市の関係にある棚倉町から「ギリシャ風のデザインを取り入れてほしい」という要請があったからだという。
12.ふくしん夢の音楽堂【岡田新一】




- 設計:岡田新一設計事務所
- 竣工:1984年
- 用途:音楽ホール 体育館
- 住所:福島県福島市入江町
- URL:公式サイト
ふくしん夢の音楽堂は、大小2つのホールや体育室などの機能が内包された、福島県福島市に建つコンサートホールである。
設計を務めたのは「警視庁本部庁舎」や「最高裁判所」など、国の重要施設を数多く手がけたことで知られる建築家・岡田新一である。
上空写真を見てもらうとわかるが、本施設は円や台形などの「幾何学的平面形態」を持った複数の棟が、付かづ離れずの適度な距離感を保ちながら、一つの中庭を囲うように配置されており、まるでどこかの集落のような不思議な空間を作り出している。
このような構成は、バッハやベートーヴェンの音楽を生んだ「ドイツの集落」をイメージして設計しているとかいないとか。
13.福島市古関裕而記念館【岡田新一】




- 設計:岡田新一設計事務所
- 竣工:1988年
- 用途:記念館
- 住所:福島県福島市入江町
- URL:公式サイト
福島市古関裕而記念館は、福島市出身の作曲家・古関裕而の顕彰を目的として「ふくしん夢の音楽堂」に隣接する位置に建設された記念館建築物である。
建築の設計は「ふくしん夢の音楽堂」と同様に岡田新一が担当した。
本施設は、隣接するふくしん夢の音楽堂と同じ「アクリル系スタッコ吹き付けの外壁」となっており、音楽堂が作り出す集落的空間に溶け込むように設計されていることがわかる。
また、外観を印象付けている円筒型の塔は、「鐘」をモチーフとして設計しているそうだが、これは古関裕而の曲に「鐘」がつくタイトルが多いことがきっかけになっているらしい。
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今回はこれで以上になります。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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