兵庫県内の安藤忠雄建築10選【美術館~教会建築まで】

みなさんこんにちは、本サイト・建築LIFEを運営している「たけ」です。

今回は、建築家安藤忠雄が設計した兵庫県内に建つ建築作品10選をご紹介したいと思います。

美術館から教会建築まで、多種多様な安藤建築をご紹介しているので、是非最後までご覧ください。

では早速本題に入ります。

目次

兵庫県内の安藤忠雄建築10選【美術館~教会建築まで】

1.兵庫県立美術館

  • 設計:安藤忠雄
  • 住所:兵庫県神戸市中央区
  • 竣工:2001年9月
  • 用途:美術館
  • URL:建築詳細ページ

兵庫県立美術館は、兵庫県にゆかりのある作品をはじめとして、彫刻や版画など様々な美術作品を収蔵・展示している公立美術館である。

建築全体は、石壁でできた「基壇」の上に、3つの「ガラスの箱」が乗っかったような構成となっており、この3つの箱にはマトリョーシカのようにガラスの箱の中にコンクリートの箱が収まるという「入れ子構造」が採用されている。

通常、展示室には作品保護の観点から直接太陽光を取り入れることはできないのだが、入れ子構造を採用することによって、展示室と外部空間の間に「中間領域」を生み出すことができ、内外の関係性をより密接なものへと変化させている。

また、3つのガラスの箱の間には、写真2枚目にあるように「螺旋階段による円形テラス」が設置されており、魅力的な空間体験ができるようになっている。

建築詳細ページ

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2.兵庫県立木の殿堂

  • 設計:安藤忠雄
  • 住所:兵庫県美方郡香美町村
  • 竣工:1994年4月
  • 用途:展示施設
  • URL:公式ページ

兵庫県立木の殿堂は、「森と海と太陽」というテーマをもとに建設された、木の文化に関する展示などを行う展示施設である。

建築全体は、直径46mの円形平面の中に、直径22mの円形の吹き抜けが配置され、残ったリング状の内部に展示空間が設けられた空間構成となっている。

安藤忠雄建築としては珍しく、内外に木材をふんだんに使用した建築物となっているが、建物の形態はまるでコンクリートでつくった造形物かのような有機的な曲面をしており「やはり安藤忠雄建築だな」と笑みがこぼれる。

ちなみに、建物中央の吹き抜け空間の底には「水盤」が設けられており、ここではテーマである「森と海と太陽」という3つの要素を感じられる象徴的な空間が形成されている。

3.兵庫県立こどもの館

「工作館」photo by Bergmann/CC 表示-継承 3.0
  • 設計:安藤忠雄
  • 住所:兵庫県姫路市太市中
  • 竣工:1989年
  • 用途:児童福祉施設
  • URL:公式ページ

兵庫県立こどもの館は、児童図書室・多目的ホール・遊戯室など、子どものための複数の機能からなる、兵庫県姫路市に建つ大型児童福祉施設である。

本施設は、池や木々に囲まれた大自然の中に建ちながらも、安藤建築に象徴される「コンクリートの幾何学的な形態による建物」が自然に抵抗するかのように力強く佇んている。

安藤忠雄は、時が経つにつれてコンクリートの建築が周囲の木々に埋め尽くされ、自然と共生し始める未来を思い描いて本施設を設計したそうだ。

4.淡路夢舞台

  • 設計:安藤忠雄
  • 住所:兵庫県淡路市夢舞台
  • 竣工:1999年
  • 用途:会議場 店舗 野外劇場etc.
  • URL:建築詳細ページ

淡路夢舞台は、瀬戸内海最大の島「淡路島」の大阪湾と緑地に囲われた傾斜地に建つ、国際競技場・ホテル・野外劇場・温室など様々な施設が併設された超大型複合施設である。

本施設は、広大な敷地内に、複数の棟が連携するように建てられており、まるで安藤忠雄に関するテーマパークかのような全体構成となっている。

淡路夢舞台内の建物の詳細については、以下の記事をご覧いただきたい。↓

建築詳細ページ

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5.本福寺水御堂

  • 設計:安藤忠雄
  • 住所:兵庫県淡路市浦
  • 竣工:1991年
  • 用途:寺院
  • URL:公式ページ

本福寺水御堂は、淡路島北東部の小高い丘の上に建つ寺院建築である。

本施設は、長径40m・短径30mの楕円形の構造物(屋根)の上に蓮池が設置されており、なんとその蓮池の下(地下空間)に本堂が収められている。

その本堂へは、楕円形の蓮池を切り裂くように設けられた階段を下っていくことでアプローチできるのだが、こんな特殊な寺院建築は世界のどこを探しても見つからないだろう。

また、蓮池の周りを囲うようにしてコンクリートの「曲面壁」と「直線壁」が2枚設置されているが、この2枚の間の空間は俗界と聖界を結ぶ中間域となっており、人々を非日常へと誘導するアプローチ空間としても機能している。

6.六甲の集合住宅

  • 設計:安藤忠雄
  • 住所:兵庫県神戸市
  • 竣工:1983年
  • 用途:集合住宅
  • URL:参考ページ

六甲の集合住宅は、日本三百名山の一つである「六甲山」の斜面に沿うようにして建てられた集合住宅である。

外見上はかなり高層の集合住宅に見えるが、法規上はどの部分も地上から10m以下に高さが抑えられている。

なぜ、安藤忠雄がここまで「斜面に沿わせた形で集合住宅を建設すること」にこだわったかというと、理由はシンプルで、建物と自然が一体になった魅力的な集合住宅を造りたかったからである。

安藤忠雄は、この六甲の集合住宅を設計した後に「地中美術館(2004年)」や「李禹煥美術館(2010年)」といった、地中に埋め込まれ自然と一体になった作品を数多く手がけていくのだが、その先駆けとなったのが実は六甲の集合住宅だったのかもしれない。

7.風の教会

  • 設計:安藤忠雄
  • 住所:兵庫県神戸市灘区六甲山町
  • 竣工:1986年
  • 用途:教会
  • URL:公式ページ

風の教会は別名「六甲の教会」と呼ばれることからもわかる通り、兵庫県神戸市の六甲山の上に建つ教会建築である。

安藤忠雄が設計した教会建築は日本各地に存在するが、その中でもこの風の教会は「光の教会」「水の教会」と並び、安藤忠雄の『教会三部作』として世に名が知れ渡っている。

建築全体は、安藤忠雄らしいコンクリート打ち放しの「礼拝堂」と、その礼拝堂へ参列者をいざなう擦りガラスに囲まれた「コロネード(柱廊)」によって構成されている。

このコロネードは全長が約40mあり、この空間を通ることで参列者は、日常から非日常の世界へと徐々に気持ちを切り替えていくわけだ。

8.姫路文学館

  • 設計:安藤忠雄
  • 住所:兵庫県姫路市山野井町
  • 竣工:1991年(北館)・1996年(南館)
  • 用途:展示室 講堂
  • URL:公式ページ

姫路文学館は、姫路を中心とした播磨にゆかりのある作家の資料を収集・展示するための施設として、1991年に開館した文学館である。

本施設は、コンクリートの円形や立方体格子などの幾何学形態が複雑に絡み合う「北館」と、ガラスの箱にコンクリートの箱が貫入したような形態を持つ「南館」の2棟で構成されており、両者が適度な距離感を保って配置されている。

また、本施設の敷地は姫路城の北西に位置する「男山」の麓に設定されており、安藤忠雄は常に姫路城と男山の関係性を意識しながら建築の設計を行ったという。

9.西宮市貝類館

  • 設計:安藤忠雄
  • 住所:兵庫県西宮市西宮浜
  • 竣工:1999年
  • 用途:博物館
  • URL:公式ページ

西宮市貝類館は、世界各地の貝類の標本を収蔵・展示するための施設として、1999年兵庫県西宮市に建設された博物館建築である。

建築は、ヨットの帆をイメージしたというシェル状の屋根が象徴的な外観を形成しており、シェル以外の平面部分には、海の中をイメージしているのか青みがかったガラスが使用されている。

さらに、本施設の裏にある中庭には、海洋冒険家堀江謙一の「マーメイド4世号」が展示されており、その中庭を挟んで向かい側には同じく安藤忠雄が設計した「西宮浜公民館」が存在。

そして、この2つの棟は写真3枚目にある60mにも及ぶ「ガラスのコロネード(柱廊)」によって接続され一体利用されている。

このコロネードは、安東忠雄の代表作「風の教会」にも同じような空間が登場している。

10.ギャラリー野田

photo by Pepechibiryu/CC 表示-継承 3.0
  • 設計:安藤忠雄
  • 住所:兵庫県神戸市灘区
  • 竣工:1993年
  • 用途:ギャラリー・アトリエ・住居

ギャラリー野田は、10坪にも満たない小さな三角形の敷地に建つ、ギャラリー・アトリエ・住居という3つの機能を複合した建築物である。

安藤忠雄らしいコンクリート打ち放しでできた外観は、見ての通り外周部にほとんど開口部を持っておらず、高さが増した「住吉の長屋」のようにも見える。

この狭い敷地に置かれたコンクリートの塊の内部空間にはなんと、高さ10m・4層吹き抜けの空間が広がっている。

そして、その吹き抜けを作る内壁に沿うようにして回り階段が設置されており、この階段自体がギャラリー空間にもなっているのだ。

安藤忠雄は「住吉の長屋」や「六甲の集合住宅」、そして「ギャラリー野田」といった条件の厳しい敷地でこそ本領を発揮するのではないだろうか、と思ってしまうほど逆境の時の安藤建築は魅力的だ。

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今回はこれで以上になります。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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