みなさんこんにちは、本サイト「建築LIFE」を運営しているたけです。
今回は、前川國男の弟子として知られる建築家「鬼頭梓」の代表作5選をご紹介していきたいと思います。
図書館建築のパイオニアとしても有名な、日本を代表する建築家です。
是非最後までご覧ください。
鬼頭梓(きとうあずさ)とは?
- 1926年 現在の東京・吉祥寺に生まれる
- 1950年 東京帝国大学建築学科を卒業
- 1950年 前川國男建築設計事務所に入所
- 1964年 鬼頭梓建築設計事務所を設立
- 1992年 日本建築家協会会長
- 2008年 逝去(83歳)
鬼頭梓(きとうあずさ)は、日本近代建築の巨匠・前川國男の弟子として知られる日本人建築家である。
前川國男事務所に14年間務めたのち、38歳の時に独立を果たし、日本各地で数多くの公共施設を手掛けた。
代表作としては「日野市立中央図書館」「洲本市立洲本図書館」など数多くの図書館建築が挙げられ、鬼頭梓が生涯で手掛けた図書館建築は30を超えるという。
日本の公共図書館のパイオニアとしても知られる建築家である。
鬼頭梓の建築作品5選
1.日野市立中央図書館
- 設計:鬼頭梓
- 住所:東京都日野市豊田2-49
- 竣工:1973年
- 用途:図書館
- URL:公式ページ
日野市立中央図書館は、東京都日野市の閑静な住宅街に建つ公立図書館である。
元々、移動図書館「ひまわり号」として1965年にスタートした日野市図書館は、インターネットが普及していなかった当時としてはかなり画期的な取り組みだった。
その後、常設図書館の需要も拡大したことから中央図書館の設立が計画され、その設計者として選ばれたのが、当時東京経済大学図書館で注目を集めていた鬼頭梓だったのである。
鬼頭梓は日野市立中央図書館で、蔵書の大半を開架書庫として開放した上で、児童室やレファレンス室といった諸室を配置し、全体を統括できる位置にカウンターを設けるという平面構成を採用している。
今でこそごく一般的な公共図書館の平面構成ではあるのだが、そのプロトタイプとなったのがこの日野市立中央図書館なのである。
2.洲本市立洲本図書館
洲本市立洲本図書館は、兵庫県・淡路島の中に建つ公立図書館である。
元々この地に建っていた紡績工場の煉瓦建築(1909年竣工)を保存・再生する形で洲本図書館は開館しており、明治時代からの記憶を継承した魅力的な建築作品となっている。
保存・再生建築とは言ったものの、既存棟で残されたのはほぼ煉瓦壁のみで、煉瓦の表層の中にコンクリートの架構を入れ込む形で、図書館へコンバージョンされている。
写真をよく見てみると、煉瓦壁の開口部分にコンクリートの構造体が表出しているのが見て取れる。
3.山口県立山口図書館
- 設計:鬼頭梓
- 住所:山口県山口市後河原150-1
- 竣工:1973年
- 用途:図書館
- URL;参考ページ
山口県立山口図書館は、山口県唯一の県立図書館として、山口市後河原に建っている図書館建築である。
レンガ風タイルによって落ち着きのある佇まいをした山口図書館は、師匠である前川國男から影響を受けたと思われるエレメントが随所に取り込まれた建築作品となっている。
例えば、象徴的なレンガ風タイルは、前川國男がよく用いた「打ち込みタイル工法」によって設置されており、耐久性と安全性に優れた構成となっている。
さらに、前川國男は常々、広場やロビーといった人が集まる空間を重視して建築の設計を行っていたのだが、山口図書館でも、前面広場やホールなど、人が集まる場所に魅力的な空間がつくられている。
4.山口県立美術館
- 設計:鬼頭梓
- 住所:山口県山口市亀山町
- 竣工:1979年
- 用途:美術館
- URL:公式ページ
山口県立美術館は、山口県にゆかりのある作品を中心に展示する施設として、1979年山口市に建設された公立美術館である。
すぐ近くには、一つ前で紹介した山口県立山口図書館も建っている。
山口県立美術館に関しても、山内図書館と同様、前川國男譲りのエレメントが随所に現れている。
特に、彫刻などが設置された前庭に面する、ガラス張りのカフェスペースが魅力的な空間となっており、来場者がのんびりと滞在できるおおらかな空間が形成されている。
5.函館市中央図書館
- 設計:鬼頭梓
- 竣工:2005年
- 用途:図書館
- 住所:函館市五稜郭町26番1号
- URL:公式ページ
上空から見ると、きれいな星型をしていることで有名な江戸時代の城郭「五稜郭」。
その五稜郭と道路を挟んで対面する位置に建つのが、函館市の公立図書館「函館市中央図書館」である。
鋭角な角を持つ三角形の敷地に建つ本図書館は、対面に位置する五稜郭や、周辺の住宅街との調和を目指して、2階建ての『低層図書館』として設計されている。
また、北海道西部地区に数多く残る伝統的建築物に使用されている「煉瓦・漆喰」といった素材を使いつつ、「ガラス・メタル」といった新素材も併用することで、新旧の融合を図っている。
鬼頭梓の関連書籍
今回はこれで以上になります。
最後までご覧いただきありがとうございました。