みなさんこんにちは、本サイト・建築LIFEを運営している「たけ」です。
今回は、島根県の有名建築物13選をご紹介したいと思います。
島根県には、地元出身の建築家・高松伸を始めとして、他にも伊東豊雄や菊竹清訓など、有名建築家が設計した魅力的な建築物が数多く存在しています。
本記事では、それら建築物の特徴などをわかりやすく解説しているので、島根県で建築巡りをする際には、是非本記事を参考にしてみてください。
では早速本題に入ります。
島根県の有名建築物13選【伊東豊雄・菊竹清訓・高松伸など】
1.島根県立美術館【菊竹清訓】
島根県立美術館は、島根県松江市と出雲市にまたがる湖「宍道湖(しんじこ)」沿いに建つ、山陰地方最大規模の美術館である。
本施設は、昭和期を代表する建築家「菊竹清訓」が設計を担当。
テーマ「水と調和する美術館」
建築全体としては、まるで地面を這う生き物のような有機的形態を持った大屋根が施設全体を覆っており、前面に広がる宍道湖と共鳴しながら魅力的な外観を作り出している。
さらに、2枚目の写真を見てもらうとわかるが、この生き物のような建物は、宍道湖に対して全面的にガラス張りとなっており、美術館内にいても松江市の雄大な自然を感じられる豊かなロビー空間を形成している。
2.島根県立図書館【菊竹清訓】
島根県立図書館は、島根県松江市に建つ県立図書館である。
本施設は設計は、昭和期を代表する建築家「菊竹清訓」が担当。
菊竹は島根県において、一つ前で初回した「島根県立美術館」をはじめ、そのほかにも「島根県立武道館」「島根県庁第三分庁舎」など、数多くの建築作品を手掛けている。
そんな中でもこの図書館は、建物中央を覆う「複雑な形態を持った大屋根」が特徴的で、その下に形成される魅力的なロビー空間を一目見ようと、国内外から多くの見学者が訪れるという。
3.大社文化プレイス【伊東豊雄】

大社文化プレイスは、ホール・図書館・会議室など複数の機能で構成される、島根県出雲市に建つ複合文化施設である。
本施設は、世界的建築家「伊東豊雄」が設計を担当。
施設全体としては、地面から緩やかに盛り上がる「丘のような大屋根」が象徴的な外観を形成しており、周囲に広がる低層の住宅群に威圧感を与えないランドスケープと一体化した建築物となっている。
一方で、その大屋根に貫入するように「コンクリートの棟」が1棟立っているが、この内部空間はホールの舞台となっており、高さが必要な部分だけ屋根から頭を飛び出させている形となる。
4.島根県芸術文化センター【内藤廣】
島根県芸術文化センターは、島根県益田市に建つ美術館や劇場、レストランなどが併設した大型複合施設である。
本施設は、日本を代表する建築家「内藤廣」が設計を行った。
愛称は「グラントワ」。フランス語でグラントワ(Grand Toit)は「広い屋根」を意味する。
この愛称の通り本施設は、日本伝統の大きな「切妻屋根」を持った複数の棟によって全体像が構成されており、その多様な切妻屋根の下に、ホール・美術館・回廊空間といった多様な機能が内包されている。
さらに本施設は、赤みがかった屋根や外壁が象徴的な外観を作り出しているが、実は屋根と外壁の仕上げには島根県の石見地方で生産される「赤い石州瓦」が使用されている。
通常、瓦は屋根にしか用いられないものだが、ここでは外壁にも瓦を使用することで「耐久性の高さ」を確保しつつ、独特な外観を作り出している。
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5.和鋼博物館【宮脇檀】

和鋼博物館は、高級刃物や日本刀の金属刃部を構成する材料「和鋼」に関する博物館として、1993年に建設された施設である。
建築の設計は、優れた住宅作品を数多く手がけたことで知られる建築家「宮脇檀」が担当。
建築としては、高殿(製鉄設備を覆う大型建物)をイメージしつつ、十神山のシルエットを重ね合わせた形状を持つ「大屋根」が特徴的で、安来町のシンボル的な建築になっている。
また、外壁には「耐候性鋼板」という腐食しずらい特殊な鉄板を使用しており、「和鋼」に関する博物館として、建物の素材にもこだわった様子が伝わってくる。
6.島根県立古代出雲歴史博物館【槇文彦】
島根県立古代出雲歴史博物館は、出雲大社や島根県の歴史に関する資料の収蔵・展示を行う施設として、2006年に建設された博物館建築物である。
建築の設計は、日本建築界の巨匠「槇文彦」が担当。
本施設は、展示室や収蔵庫などが入る閉鎖的な空間には、時間が経つにつれ美しい茶褐色を現す「コルテン鋼」を使用し、エントランスホールやミュージアムショップなどの開放的な空間には「ガラス」を使用している。
この「鉄」と「ガラス」というシンプルな素材の対比が、本施設を特徴づける要素となっているのである。
7.仁摩サンドミュージアム【高松伸】

仁摩サンドミュージアムは、「鳴り砂」で有名な琴ヶ浜がある、島根県・仁摩町に建設された「砂の博物館」である。
建築の設計は、島根県出身の建築家「高松伸」が行った。
「砂の博物館」という事で、砂をイメージさせる形態「ピラミッド型」が建築に採用されており、大小6つのガラスのピラミッドが仁摩町のランドマークとなっている。
また、館内には世界最大の一年計砂時計「砂暦(すなごよみ)」が設置されており、その高さは約5メートルにも及ぶ。
8.くにびきメッセ【高松伸】
くにびきメッセは、島根県松江市に建つ、山陰地方最大規模のコンベンション・センターである。
建築の設計は、島根県出身の建築家「高松伸」が行った。
施設全体としては、大展示場が入った「低層棟」と、会議室・事務室などが入った「高層棟」によって構成される。
2枚目の写真を見て分かる通り、高層棟の中央部分には5層ほど吹き抜けた「ガラスアトリウム空間」が存在し、その内部には円錐型や球型をした構造物が収められている。
この空間は「交流サロン」としての役割を果たすのだが、まるで宇宙のような空間となっており、コンベンションセンターとしては異彩を放っている。
9.浜田市世界こども美術館【高松伸】

浜田市世界こども美術館は、次代を担う子どもたちのための施設として、島根県浜田市の海のみえる文化公園建設された美術館である。
建築の設計は、島根県出身の建築家「高松伸」が行った。
本施設は「日本海に漂う創造と美の船」というコンセプトを基に設計されており、真っ白な直方体の建物がシンボリックな外観を形成している。
また、施設の前面には「湾曲するコンクリート壁」で覆われた芝生の広場が存在。
この広場では、屋外彫刻などが展示できるようになっている。
10.玉造温泉 ゆ~ゆ【高松伸】
玉造温泉 ゆ~ゆは、1996年・島根県玉湯町(現松江市)に建設された温泉施設である。
建築の設計は、島根県出身の建築家「高松伸」が行った。
コンクリートの上に乗っかる、直径約41メートルの「半球体状の構造物」がシンボリックな外観を形成しており、この内部に浴場が配置されている。
また、インパクトのある半球体に気を取られがちだが、実はその下のコンクリート部分は平面が「鋭角な角を持つ三角形」となっており、内部にはトップライトのある求心的な空間がつくられている。
11.江津市総合市民センター【高松伸】

江津市総合市民センターは、大ホール・会議室・ギャラリーなどが入った、島根県江津市に建つ市民ホールである。
建築の設計は、島根県出身の建築家「高松伸」が行った。
本施設は「天の川」をイメージしてデザインされており、そこから「ミルキーウェイホール」という愛称もつけられている。
さらに、外壁には複数の光ファイバーが埋め込まれており、夜になると12宮星座が壁面に浮かび上がる仕組みとなっている。
12.メテオプラザ【高松伸】

メテオプラザは、島根県松江市にある湾港「七類港」のフェリーターミナルとして建設された施設である。
本施設にはフェリーターミナルの他にも、博物館・プール・多目的ホール・レストランなど様々な施設が併設されており、超大型複合施設として運営されている。
建築の設計は、島根県出身の建築家「高松伸」が行った。
写真を見て分かる通り、本施設はとんでもない構成となっている。
レセプションルームが入る「円錐型」の構造物があったり、博物館が入る「卵型」の構造物があったり、波打つ屋根があると思えば、その屋根はV字型の柱で支えていたりと、とにかくもう規格外の建築物だ。
このようなポストモダニズム的な建築は、高松伸の初期によく見られた作風である。
13.江津市庁舎【吉阪隆正】

江津市庁舎は、島根県江津市の市役所として1962年に建設された建築物である。
本施設は、近代建築の父「ル・コルビュジエ」の弟子としても知られる「吉阪隆正」が設計を行った
建築全体としては、箱状のボリュームを持ち上げる「Λ型の柱」と、その柱によって生み出された「ピロティ空間」がシンボリックな外観を形成している。
最先端の「橋梁技術」を援用することによって建設されたこの施設は、建設当時、技術面やデザイン面に関してかなりの注目を集めたという。
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今回はこれで以上になります。
最後までご覧いただきありがとうございました。