【代表作】建築家宮脇檀の建築作品4選

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宮脇檀(みやわきまゆみ)とは?

  • 1936 愛知県に生まれる
  • 1959 東京芸術大学美術学部建築科卒業
  • 1961 東京大学大学院修士課程修了
  • 1964 宮脇檀建築研究室を設立
  • 1991 日本大学生産工学部建築工学科教授
  • 1998 死去(62歳)

宮脇檀は、優れた住宅作品を数多く手がけたことで知られる、愛知県名古屋市出身の建築家だ。

代表作として「松川ボックス」「伊藤清永美術館」「和鋼博物館」などが挙げられ、住宅以外にも美術館や博物館など多種多様な作品を手掛けている。

とはいえ、宮脇檀と言えばやはり「住宅建築の名手」として知られており、箱型コンクリートと木の架構を組み合わせた住宅を、シリーズ的に多数設計したことでも有名である(ボックスシリーズと呼ばれている)。

今回は、そんな住宅建築の名手「宮脇檀」の建築作品4選をご紹介したいと思います。

【代表作】建築家宮脇檀の建築作品4選

1.松川ボックス

photo by Madoro Ishii/CC 表示-継承 4.0
  • 住所:東京都新宿区
  • 竣工:1971年
  • 用途:住宅
  • URL:参考ページ

松川ボックスは、宮脇檀が1970年頃から発表し始めた、都市に建てられた箱型の住宅シリーズ「ボックスシリーズ」の中で、特に優れた作品として知られる住宅建築である。

ボックスシリーズの建築は「箱型のコンクリートでできた外観」と「木の架構で構成される内観」という組み合わせが基本構成となっており、松川ボックスでもこの基本構成が採用されている

宮脇檀はこのような構成を採用することで、悪化する住環境・都市環境から住人を保護しつつ、内部では自由で豊かな空間を作り出すのだ。

このような都市に対して閉鎖的で、内部空間の充実を重視した構成は、安藤忠雄の代表作「住吉の長屋」と共通点を持っている。

一方で、宮脇檀は松川ボックス以降「周辺環境に対して背中を向けて閉鎖的すぎた」と自身のボックスシリーズを批評するようになり、その後は住宅と周辺環境との関係性を追求していったことでも知られている。

2.出石町立伊藤美術館(現・伊藤清永美術館)

photo by 663highland/CC 表示 2.5
  • 住所:兵庫県豊岡市出石町内町98
  • 竣工:1989年
  • 用途:美術館
  • URL:公式ページ

出石町立伊藤美術館は、兵庫県豊岡市出身の洋画家「伊藤清永」の顕彰を主目的として、1989年に開館した美術館である。

出石町立伊藤美術館という名称だと、豊岡市の美術館としての認知度が上がらなかったことから、2014年に豊岡市立美術館「伊藤清永記念館」に改称された。

コンセプト「瓦の大屋根の下にある小さな倉」

この美術館の主要構造は「鉄筋コンクリート造」でありながら、敷地周辺には日本伝統の瓦屋根を持った建築群が広がっていたため、その街並みと調和するように「瓦屋根」で全体を覆った構成が採用されている。

3.和鋼博物館

photo by Flow in edgewise/CC 表示 3.0
  • 住所:島根県安来市安来町1058
  • 竣工:1993年
  • 用途:博物館
  • URL:公式ページ

和鋼博物館は、高級刃物や日本刀の金属刃部を構成する材料「和鋼」に関する博物館として、1993年に建設された建築物である。

建築としては、高殿(製鉄設備を覆う大型建物)をイメージしつつ、十神山のシルエットを重ね合わせた形状を持つ「大屋根」が特徴的で、安来のシンボル建築になっている。

また、外壁には「耐候性鋼板」という腐食しずらい特殊な鉄板を使用しており、「和鋼」に関する博物館として、建物の素材にもこだわった様子が伝わってくる。

4.姫路市書写の里 美術工芸館

photo by 663highland/CC 表示 2.5
  • 住所:兵庫県姫路市書写1223番地
  • 竣工:1994年
  • 用途:美術工芸館
  • URL:公式ページ

姫路市書写の里・美術工芸館は、姫路市書写を中心とするの伝統文化や作品を保存・展示しつつ、参加・体験型ミュージアムとして、1994年に開館した美術工芸館である。

建築としては「曲線を描く大屋根」とその大屋根を支える「朱塗りの柱」が特徴的で、大自然に囲まれた周辺環境と調和する建築物となっている。

また内部の展示室は、背後に広がる書写山の地形を利用して「階段状の構成」が採用されており、他の博物館では見られないような独特の雰囲気を持った展示室となっている。

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今回はこれで以上になります。

今回ご紹介した建築は、宮脇檀が設計した建築のほんの一部です。

そのため、今後も随時情報を更新していきたいと思っています。
気が向いたら、また本記事をご覧ください。

ではまた。

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