みなさんこんにちは、本サイト「建築LIFE」を運営しているたけです。
今回は、香川県高松市に建つ安藤忠雄建築「四国村ギャラリー」の建築的特徴を解説していきたいと思います。
是非最後までご覧ください。
四国村ギャラリーの概要

- 設計:安藤忠雄
- 住所:香川県高松市屋島屋島中町
- 竣工:2002年
- 用途:美術館
四国村ギャラリーは、香川県高松市・屋島の南山麓に位置する、広大な敷地を持つ野外博物館「四国村」の一施設として2002年に開館した美術館である。
四国村創設者・加藤達雄のコレクションを中心に、フランスの絵画や中国の青銅器など、多種多様な美術品の展示を行っている。
建築の設計は、コンクリート建築でおなじみの建築家「安藤忠雄」が担当。
安藤忠雄らしいスタイリッシュなコンクリートの建物と、施設前面にある傾斜のある地形を生かした水庭によって豊かな建築空間が形成されている。
設計者:安藤忠雄とは?
- 1941 大阪市に生まれる
- 1969 安藤忠雄建築研究所設立
- 1976 住吉の長屋で日本建築学会賞受賞
- 1989 ハーバード大学客員教授
- 1997 東京大学工学部建築学科教授
建築に関わる者であれば、知らない人はいないであろう世界的建築家・安藤忠雄。
元プロボクサー、独学で建築を学んだこと、関西人らしい性格など、建築家以外の要素でも魅力的な面をたくさん持った人物である。
代表作としては「住吉の長屋」「光の教会」「頭大仏殿」などが挙げられ、コンクリートと幾何学を用いたスタイリッシュな建築作品を数多く手がけることで知られる。
安藤忠雄の建築は海外でも人気があり、アメリカの歌姫「ビヨンセ」とラッパー「ジェイ・Z」の夫婦が、安藤忠雄設計の住宅を約2億ドル(約283億円)で購入したことでも話題となった。
四国村ギャラリーの建築的特徴
野外博物館・四国村の一施設

香川県高松市・屋島の南山麓に位置する野外博物館「四国村」。
広大な敷地を持つ本博物館では、江戸時代~大正時代に建てられた住宅や米倉など、33棟もの歴史のある建物を四国四県から移築・展示している。
四国村全体は1976年に開館。その後、四国村創設者である「加藤達雄」の美術コレクションを展示するための施設として四国村ギャラリーが安藤忠雄の手によって設計された。
屋島の傾斜地に建つ安藤忠雄建築

まるで屋根のような形状をしていることからその名がつけられた、香川県高松市にある溶岩台地「屋島」。
屋島の山頂には「やしまーる」や「れいがん茶屋」といった魅力的な建築物が建てられており、高松市随一の観光スポットにもなっている。
そんな屋島の南山麓の傾斜地に建つのが、今回紹介している四国村ギャラリーである。
斜面に沿う形で建てられた本施設は、周囲の自然環境に溶け込むかのように高さを抑えた水平性の高い構成となっており、安藤忠雄建築らしさが随所に現れている。
控えめな玄関口

四国村内に建つ道案内の看板に誘われて四国村ギャラリーに到達すると、このような控えめな玄関口によって迎え入れられる。
まるで、自然の中にひっそりと佇む住宅のようだ。
香川県の安藤忠雄建築と言われまず思い浮かべるのは直島の「地中美術館」だと思うが、四国村ギャラリーの自然と一体になった構成からは地中美術館的な要素が感じられる。
地中美術館の竣工は2004年であるため、四国村ギャラリー(2002年)の方が先に竣工してるが・・・(笑)
建物前面に広がる水庭

四国村ギャラリーの展示棟の前面には、上の写真のように傾斜地に合わせるようにして、段上の水庭空間が形成されている。
水の流れる音や風で木々が揺れる音で満たされた、豊かな庭空間である。
空間的にはとても魅力的な場所なのだが、ベンチなどくつろげる場所が少なかったのが多少残念ではあった。
水庭に面するテラス空間

四国村ギャラリーの展示棟と前面の水庭の間には、上の写真の通り深い軒によって覆われたテラス空間が展開されている。
このテラスは、施設内部の展示空間の後に連続するように配置されているため、展示を楽しんだ後に一休みするのには絶好の場所となっている。
安藤忠雄の作品集

今回はこれで以上になります。
最後までご覧いただきありがとうございました。