みなさんこんにちは、本サイト「建築LIFE」を運営しているたけです。
今回は、脱構築主義の先駆者「フランク・ゲーリー」の建築作品7選をご紹介したいと思います。
数多くのカオスチックな建築作品を手掛ける、世界的建築家です。
是非最後までご覧ください。
フランク・ゲーリーとは?
フランク・ゲーリーの経歴
- 1929年 カナダ・トロントに生まれる
- 1947年 アメリカ・ロサンゼルスに移住
- 1954年 南カルフォルニア大学建築学科卒業
- 1961年 フランス・パリに移住
- 1962年 アメリカに戻り事務所開設
- 1989年 プリツカー賞受賞
フランク・ゲーリーは、1980年代に登場した建築思想「脱構築主義(ディコンストラクティヴィズム)」の先駆者として知られる建築家である。
脱構築主義は、モダニズムの均質的な空間構成を否定しつつ、歴史回帰的なポストモダンとも距離を置いた建築思想であり、アンバランスで非対称的な形態などが特徴となっている。
ゲーリーの代表作には、彼を一躍有名にした「ゲーリー自邸」や、1つの建築だけで衰退しかけていた地方都市に活気をもたらした「ビルバオ・グッゲンハイム美術館」などが挙げられる。
また、1989年には、建築界のノーベル賞とも呼ばれる「プリツカー賞」を受賞するなど、モダニズム以後の建築界を牽引した世界的建築家としても知られている。
フランク・ゲーリーの建築作品7選
1.ゲーリー自邸
- 設計:フランク・ゲーリー
- 住所:アメリカ・カルフォルニア州
- 竣工:1979年
- 用途:住宅
- URL:建築詳細ページ
ゲーリー自邸は、フランク・ゲーリーの自邸として1979年に建設された住宅建築である。
腰折れ屋根が特徴的なダッチ・コロニアル様式の既存住宅に、トタン・木材・金網などの建築資材を用いて増改築を行っている。
増改築された建物は、水平性や垂直性を無視したアンバランスな構成が特徴となっており、脱構築主義建築の先駆的事例として知られている。
フランク・ゲーリーを一躍有名にした、ゲーリー初期の代表作である。
建築詳細ページ
2.ビルバオ・グッゲンハイム美術館
- 設計:フランク・ゲーリー
- 住所:スペイン・ビルバオ
- 竣工:1997年
- 用途:美術館
- URL:建築詳細ページ
ビルバオ・グッゲンハイム美術館は、ニューヨークに建つフランク・ロイド・ライト設計の美術館「ソロモン・R・グッゲンハイム美術館」の分館として、1997年にスペイン・ビルバオに建設された美術館建築である。
建築は、不規則な曲面壁の集合によって「船」のような形態を作り出しており、水平垂直ラインがほとんどない構成は、脱構築主義の特徴を顕著に表している。
さらに、外壁は、鱗のようなチタニウムのパネルによって覆われており、光を反射し、建物全体に多様な表情とシンボリック性を付加している。
この美術館は、世界で最も成功した再開発事業と言われており、一つのシンボリックな建築物のみで、衰退していた街に活気を取り戻した事例として、再開発事業のモデルケースとしても知られている。
建築の持つ可能性を世界中に知らしめた、ゲーリー最大の代表作である。
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3.ダンシング・ハウス
- 設計:フランク・ゲーリー
- 住所:チェコ・プラハ
- 竣工:1996年
- 用途:オフィス
- URL:建築詳細ページ
ダンシング・ハウスは、1996年、チェコの首都であるプラハに建設されたオフィスビルである。
ダンシング・ハウスという名称は、建物正面に寄り添うように佇む2つの塔が、ダンスをする2人の人間のように見えることから名づけられている。
また、ゲーリーはこの建築を「CATIA」と呼ばれる、フランスの航空機制作会社が開発した3次元CADソフトウェアを利用して設計しており、最新の技術を導入することによって、脱構築主義建築を象徴するような歪んだ建築形態を作り出している。
プラハは、歴史的建造物が数多く立ち並ぶ地区として有名であるため、このような現代的かつ革新的な外観をしたダンシング・ハウスには批判的な意見も多く挙げられたが、今ではプラハのシンボルにもなっている。
建築詳細ページ
4.ウォルト・ディズニー・コンサートホール
- 設計:フランク・ゲーリー
- 住所:アメリカ・ロサンゼルス
- 竣工:2003年
- 用途:コンサートホール
- URL:建築詳細ページ
ウォルト・ディズニー・コンサートホールは、2003年にアメリカ第二の都市・ロサンゼルスに建設されたコンサートホールである。
ディズニーランドの中にあるコンサートホールというわけではなく、ウォルト・ディズニー・カンパニーが所有しているコンサートホールであることから、このような名称がつけられている。
建築全体は、有機的な曲面壁の集合によって構成されており、その外壁には、建物のファサードに多様な表情をもたらすステンレスパネルが全面に貼り付けられている。
この構成は、ゲーリーの代表作である「ビルバオ・グッゲンハイム美術館」と酷似しており、ロサンゼルスという大都市でも埋もれないシンボリックな外観を形成している。
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5.museum of pop culture
- 設計:フランク・ゲーリー
- 住所:アメリカ・ワシントン州・シアトル
- 竣工:2000年
- 用途:博物館
- URL:建築詳細ページ
museum of pop cultureは、Amazon・Microsoft・Starbucksなど、世界的な企業を数多く生み出してきたアメリカ・ワシントン州最大の都市「シアトル」に建つ博物館である。
ここでは、ファンタジー・ギター・SFなど、アメリカのポップカルチャー(大衆文化)を専門的に取り扱っている。
ゲーリー建築らしい、無秩序で有機的な形態とその形態を覆うカラフルな金属パネルによって、シアトルの街に異様な存在感を放つ建築作品を生み出している。
ゲーリー建築の中でも、特に物議を醸した博物館建築としても知られている。
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6.ヴィトラ・デザイン・ミュージアム
- 設計:フランク・ゲーリー
- 住所:ドイツ・ヴァイルアムライン
- 竣工:1989年
- 用途:博物館
- URL:建築詳細ページ
ヴィトラ・デザイン・ミュージアムは、スイスで生まれた家具メーカー「ヴィトラ」の専門博物館として、1989年にドイツのヴィトラ・キャンパス(ヴィトラ社が所有する敷地)内に建設された建築物である。
ゲーリーの欧州デビュー作としても知られている建築作品だ。
建築全体は、多種多様なボリュームを寄せ集めて合体したかのような、カオスチックな形態をしており、脱構築主義者としてのゲーリーのスタイルが明確に現れている。
さらに、ヴィトラ・キャンパス内には、他にも、安藤忠雄やザハ・ハディド、ヘルツォーク&ド・ムーロンなど有名建築家が設計した建築物が多数建てられており、建築好きにはたまらない観光スポットとなっている。
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7.DZ銀行
- 設計:フランク・ゲーリー
- 住所:ドイツ・ベルリン
- 竣工:1999年
- 用途:銀行・住居など
- URL:建築詳細ページ
DZ銀行は、ドイツ第3位の資産規模を誇る「DZ銀行」のベルリン支店として、1999年に建設された銀行建築である。
敷地は、ベルリンのシンボル的存在である「ブランデンブルク門」のすぐそばに位置しており、建物内にはDZ銀行のオフィス以外にも、29戸の住居なども収められている。
外観だけ見ると、ごく一般的なオフィスビルのようにも見える建築だが、内部には大きなアトリウム空間が展開されていおり、その中心には異様な形態をした造形物が設置されている。
内外の対比が魅力的な、一風変わったゲーリー建築である。
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フランク・ゲーリーの作品集
今回はこれで以上になります。
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