【建築解説】ゲーリー自邸|フランク・ゲーリー

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みなさんこんにちは、本サイト「建築LIFE」を運営しているたけです。

今回は、世界的建築家フランク・ゲーリーの自邸として建設された「ゲーリー自邸」の建築的特徴を解説したいと思います。

脱構築主義建築の先駆的作品とされるゲーリー建築です。

是非最後までご覧ください。

目次

ゲーリー自邸の建築的特徴

世界的建築家「フランク・ゲーリー」の自邸

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ゲーリー自邸は、その名の通り、アメリカを拠点に活動する世界的建築家「フランク・ゲーリー」の自邸として、1979年に建設された住宅建築である。

フランク・ゲーリーは、代表作である「ビルバオ・グッゲンハイム美術館」に象徴されるように、脱構築主義(ディコンストラクティヴィズム)の建築家として知られている。

そんな、脱構築主義の旗手であるフランク・ゲーリーが、設計活動を始めた初期に設計を行い、その後、世界的に活躍するきっかけになったのが、この「ゲーリー自邸」なのである。

脱構築主義の先駆的作品

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脱構築主義(ディコンストラクティヴィズム)とは、1980年代後半に、モダニズム・ポストモダンに代わる建築思潮として生まれた潮流である。

脱構築主義者たちは、均質性や普遍性などを追求したモダニズム建築を批判しつつ、歴史回帰的・装飾的なポストモダン建築とも距離を置き、独自の建築表現を持ち合わせた。

具体的に言うと、脱構築主義建築には、アンバランス・非対称性・幾何学性・歪み・混沌などといった建築的共通点ががみられる。

そして、今回解説する「ゲーリー自邸」は、そんな脱構築主義の先駆的な作品として知られている。

既存住宅を増改築した作品

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ゲーリー自邸は、元々アメリカのサンタモニカに建っていた既存住宅を、増改築する形で生み出された作品である。

既存住宅は、1920年代に建てられた、腰折れ屋根が特徴的なダッチ・コロニアル様式の建物となっており、その建物の周囲に、トタン・木材・ガラス・金網などのあらゆる建築資材を用いて増改築を行っている。

ただ増改築するだけなら、他の建物と何ら変わりはない。

しかし、ゲーリー自邸では、その増改築の手法に最大の特徴が現れている。

アンバランスで歪んだ形態

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ゲーリー自邸最大の特徴は、アンバランスで歪んだ建築形態にある。

既存住宅の周囲にめぐらされた波型鉄板(トタン)が、水平垂直を無視した形態をしていたり、角には木造架構とガラスで形成された不整形なトップライトを設置するなど、全体的にアンバランスさが目立つ。

これらの構成は、モダニズム建築で当たり前となっていた、均質性・水平性・垂直性といった要素を真っ向から否定しており、脱構築主義の特徴を顕著に示した形となっている。

この構成こそが、ゲーリー自邸が脱構築主義の代表作と言われる所以なのである。

ゲーリー自邸の建築概要

  • 設計:フランク・ゲーリー
  • 住所:アメリカ・カルフォルニア州サンタモニカ
  • 竣工:1979年
  • 用途:住宅

フランク・ゲーリーの建築作品7選

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今回はこれで以上になります。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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