みなさんこんにちは、本サイト「建築LIFE」を運営しているたけです。
今回は、アメリカ・ワシントン州最大の都市シアトルに建つ「museum of pop culture」の建築的特徴を解説していきたいと思います。
フランク・ゲーリーの作品の中でも、特に異彩を放った作品です。
是非最後までご覧ください。
museum of pop cultureの概要
- 設計:フランク・ゲーリー
- 住所:アメリカ・ワシントン州・シアトル
- 竣工:2000年
- 用途:博物館
- URL:公式ページ
museum of pop cultureは、Amazon・Microsoft・Starbucksなど、世界的な企業を数多く生み出してきたアメリカ・ワシントン州最大の都市「シアトル」に建つ博物館である。
ここでは、ファンタジー・ギター・SFなど、アメリカのポップカルチャー(大衆文化)を専門的に取り扱っている。
建築の設計は、アメリカを拠点に活動する世界的建築家「フランク・ゲーリー」が担当。
ゲーリー建築らしい、無秩序で有機的な形態とその形態を覆うカラフルな金属パネルによって、シアトルの街に異様な存在感を放つ建築作品を生み出している。
ゲーリー建築の中でも、特に物議を醸した博物館建築としても知られている。
museum of pop cultureの建築的特徴
アメリカ・シアトルに建つ博物館
アメリカ・ワシントン州最大の都市「シアトル」。
AmazonやMicrosoft、Starbucks、Costcoなど、世界的な大企業を数多く輩出しているビジネス街・シアトルの中心地にmuseum of pop cultureは建っている。
この博物館の発案者は、ビル・ゲイツと共にMicrosoftを共同創業した「ポール・アレン」である。
アメリカのポップカルチャー愛するポール・アレンの出資によって、SF・ファンタジー・ロックギターなど、アメリカが誇るポップカルチャーに関する展示などを行う、珍しい博物館がシアトルに誕生した。
フランク・ゲーリーの物議を醸した建築作品
museum of pop cultureの設計を行ったのは、アメリカ在住の世界的建築家「フランク・ゲーリー」である。
フランク・ゲーリーは、アンバランスでカオスチックなスタイルが特徴的な建築思潮「脱構築主義」の代表的建築家として知られる人物で、世界各地にシンボリックな建物を数多く生み出している。
その中でも「ビルバオ・グッゲンハイム美術館」は、一つの建築だけで衰退していた都市を再生した事例として、世界的に有名である。
そんな、ゲーリーが設計したmuseum of pop cultureは、当然のごとくフランク・ゲーリー節が全面的に現れた外観をしているのだが、何か生物のようにも見える異様な外観からは、かなり批判的な意見も聞かれたという。
生き物のような異様な外観
「海から這い出し、ひっくり返って死んだもの」「世界一醜い建物」
2000年、museum of pop cultureがシアトルに現れた際には、上記のような批判的な意見が相次いだという。
確かに、なにか得体のしれない生き物のようにも見える独特な外観は、シアトルという最先端の街でさえ恐れるほどの異様な雰囲気を漂わせている。
しかし、アメリカのポップカルチャーという、混沌に満ちた展示を行う博物館だということを考慮すると、これくらいカオスチックな建物でもいいのではないのだろうかと、私は少し思ってしまう。
外壁全体を覆うカラフルな金属パネル
museum of pop cultureが物議を醸している理由は、もちろんその独特な形態も原因の一つだと思うが、他にも、そのカラフルな色遣いにも原因があると思う。
フランク・ゲーリー作品は確かに、有機的な形態をした建築物が多いが、ここまでいろんな色を組み合わせた作品はほとんどなかった。
ではなぜ、この博物館では、赤色・水色・銀色といったカラフルな色を使ったのかと考えると、それはやはり、ポップカルチャー専門博物館という用途に起因しているのだと思われる。
建物内を貫通するモノレール
museum of pop cultureの建物の間には、シアトル万博(1962年)の時に開通したモノレールが走っている。
これによって、都市と博物館の間に、密接なつながりを生み出しているのである。
フランク・ゲーリーの建築作品7選
フランク・ゲーリーの作品集
今回はこれで以上になります。
最後までご覧いただきありがとうございました。