みなさんこんにちは、本サイト「建築LIFE」を運営しているたけです。
今回は、ドイツ・スイス・フランスの国境付近に位置する博物館「ヴィトラ・デザイン・ミュージアム」の建築的特徴について解説していきたいと思います。
フランク・ゲーリーの欧州デビュー作となった建築作品です。
是非最後までご覧ください。
ヴィトラ・デザイン・ミュージアムの概要
- 設計:フランク・ゲーリー
- 住所:ドイツ・ヴァイルアムライン
- 竣工:1989年
- 用途:博物館
- URL:公式ページ
ヴィトラ・デザイン・ミュージアムは、スイスで生まれた家具メーカー「ヴィトラ」の専門博物館として、1989年にドイツのヴィトラ・キャンパス(ヴィトラ社が所有する敷地)内に建設された建築物である。
建築の設計は、アメリカを拠点に活動する世界的建築家「フランク・ゲーリー」が担当。
ゲーリーの欧州デビュー作としても知られている。
建築全体は、多種多様なボリュームを寄せ集めて合体したかのような、カオスチックな形態をしており、脱構築主義者としてのゲーリーのスタイルが明確に現れている。
さらに、ヴィトラ・キャンパス内には、他にも、安藤忠雄やザハ・ハディド、ヘルツォーク&ド・ムーロンなど有名建築家が設計した建築物が多数建てられており、建築好きにはたまらない観光スポットとなっている。
ヴィトラ・デザイン・ミュージアムの建築的特徴
家具会社「ヴィトラ」の専門博物館
1950年に創業されたスイスの家具メーカー「vitra(ヴィトラ)」。
そんなヴィトラは、ドイツ・フランス・スイスの三国が交わる国境付近に「ヴィトラ・キャンパス」と呼ばれる広大な敷地を有しており、そこは数多くのユニークな建築物が建つ観光スポットになっている。
その中でも、ヴィトラ社が所有する家具や照明などを展示する施設として1989年に建設されたのが、今回紹介する「ヴィトラ・デザイン・ミュージアム」なのである。
フランク・ゲーリーの欧州デビュー作
ヴィトラ・デザイン・ミュージアムの設計を担当したのは、アメリカを拠点に活動する世界的建築家「フランク・ゲーリー」である。
ゲーリーは、1980年代後半に登場した建築思潮「脱構築主義」の先駆者として知られる建築家で、水平垂直ラインを無視したかのようなカオスチックな建築作品を数多く手がけることで知られている。
そんな、世界的建築家フランク・ゲーリーが、初めて欧州で設計を担当した作品が、このヴィトラ・デザイン・ミュージアムなのである。
また、ゲーリーはミュージアム以外にも、背後に佇む大きな工場建築の設計も担当している。
脱構築主義・初期の代表作
脱構築主義とは、均質性や普遍性ばかりを追求したモダニズム建築の反動として、1980年代後半に生まれた建築思潮である。
そのため、脱構築主義の建築は、モダニズムとは正反対の特徴を有している。
例えば、モダニズムが水平垂直ラインが整った均質空間を好んだのに対して、脱構築主義は有機的な曲線で生み出されるカオスチックな空間を好んだ。
そして、ヴィトラ・デザイン・ミュージアムは、その脱構築主義の初期の代表作としても知られていおり、脱構築主義らしい構成が顕著に表れた作品となっている。
複数のボリュームの集合体
上の写真を見て分かる通り、ヴィトラ・デザイン・ミュージアムは、複数の複雑な形態をした建築ボリュームを無造作に組み合わせたような形態をしている。
そして、それによって生まれた形態全体を、白い外装と亜鉛屋根で覆うことによって、カオスの中に一種の統一感をもたらしている。
モダニズムの均質空間を真っ向から否定したような、複雑な空間が生み出されている。
有名建築家の作品が集まる「ヴィトラ・キャンパス」
前述した通り、ヴィトラ・デザイン・ミュージアムが建つ「ヴィトラ・キャンパス」内には、複数のユニークな建築物が建てられており、観光地化されている。
その中でも、有名建築家が設計した建築物をいくつかご紹介する。
安藤忠雄「Conference Pavilion」
ザハ・ハディド「Fire Station」
ヘルツォーク&ド・ムーロン「VitraHaus」
ヘルツォーク&ド・ムーロン「Vitra Schaudepot」
フランク・ゲーリーの建築作品7選
フランク・ゲーリーの作品集
今回はこれで以上になります。
最後までご覧いただきありがとうございました。