みなさんこんにちは、本サイト「建築LIFE」を運営しているたけです。
今回は、アメリカ第二の都市・ロサンゼルスに建つ「ウォルト・ディズニー・コンサートホール」の建築的特徴などを解説していきたいと思います。
フランク・ゲーリーの代表作として知られる、シンボリックな建築作品です。
是非最後までご覧ください。
ウォルト・ディズニー・コンサートホール概要
- 設計:フランク・ゲーリー
- 住所:アメリカ・ロサンゼルス
- 竣工:2003年
- 用途:コンサートホール
ウォルト・ディズニー・コンサートホールは、2003年にアメリカ第二の都市・ロサンゼルスに建設されたコンサートホールである。
ディズニーランドの中にあるコンサートホールというわけではなく、ウォルト・ディズニー・カンパニーが所有しているコンサートホールであることから、このような名称がつけられている。
建築の設計は、アメリカを拠点に活動する世界的建築家「フランク・ゲーリー」が担当。
建築全体は、有機的な曲面壁の集合によって構成されており、その外壁には、建物のファサードに多様な表情をもたらすステンレスパネルが全面に貼り付けられている。
この構成は、ゲーリーの代表作である「ビルバオ・グッゲンハイム美術館」と酷似しており、ロサンゼルスという大都市でも埋もれないシンボリックな外観を形成している。
ウォルト・ディズニー・コンサートホールの建築的特徴
大都市ロサンゼルスに建つコンサートホール
ウォルト・ディズニー・コンサートホールは、ニューヨークに次ぐアメリカ第二の都市として知られる「ロサンゼルス」の街中に建てられたコンサートホール建築である。
所有者は、カルフォルニア州に本拠地を置く世界的企業「ウォルト・ディズニー・カンパニー」だ。
ここでは、クラシックやジャズ、ワールドミュージックなど、多種多様なコンサートが日々開催されており、世界屈指のコンサートホールとして知られている。
フランク・ゲーリーの代表作
ウォルト・ディズニー・カンパニーの設計者は、アメリカを拠点に活動する世界的建築家「フランク・ゲーリー」である。
ゲーリーは、モダニズム以後の1980年代後半に登場した建築思潮「脱構築主義」の先駆者として知られる建築家であり、均質性を追求したモダニズム建築とは対照的な、アンバランスで非対称的な建築作品を数多く手がけている。
そして、今回紹介するウォルト・ディズニー・カンパニーも、脱構築主義の特徴が顕著に表れた作品となっており、フランク・ゲーリーの代表作の一つとしても知られている。
脱構築主義の構成
脱構築主義とは、1980年代後半に登場した、革新的な建築思潮である。
それまで、モダニズムが追及していた均質性を重視する思想に異を唱えつつも、歴史回帰的なポストモダンとも距離を置いた、全く新しい建築の捉え方である。
脱構築主義の建築は、モダニズム建築とは対照的な、アンバランス・歪み・混沌などといった建築的特徴を持っている。
そして、そんな脱構築主義建築の中で最も有名な建築が、フランク・ゲーリーの「ビルバオ・グッゲンハイム美術館」であり、その美術館と同じ設計手法で手掛けられたのが、このウォルト・ディズニー・コンサートホールなのである。
ビルバオ・グッゲンハイム美術館と同様の構成
上の写真は、フランク・ゲーリーの代表作にして脱構築主義の最高傑作としても知られる、スペインのビルバオに建つ、ビルバオ・グッゲンハイム美術館である。
ご覧の通り、ウォルト・ディズニー・コンサートホールと非常によく似た構成になっていることがわかるだろう。
建築全体は、有機的な曲面壁の集合体で構成され、ほとんど直線部分が見当たらない。そして、その曲面壁全体は、光を反射する金属パネルによって覆われており、見る角度や時間などで多様な表情を見せる。
このような、水平性や垂直性を無視し、モダニズムが追及した普遍性を完全に否定したような建築を、脱構築主義建築というのである。
ダイナミックなホール空間
ウォルト・ディズニー・コンサートホールの魅力は、外観だけに収まらない。
内部には、ヴィンヤード型と呼ばれる、ステージの周囲360度を座席で囲んだ、ダイナミックな形式のホール空間が展開されている。
そして、このホール空間も建物の外観と同じく、有機的な曲線の組み合わせで構成されており、荘厳で華麗なコンサートホール空間を生み出している。
フランク・ゲーリーの建築作品7選
フランク・ゲーリーの作品集
今回はこれで以上になります。
最後までご覧いただきありがとうございました。