みなさんこんにちは、たけです。
今回は、千葉県の有名建築物14選をご紹介します。
槇文彦・大高正人・中村拓志など有名建築家の作品を多数紹介しているので、是非最後までご覧ください。
では早速本題に入ります。
千葉県の有名建築物14選【槇文彦・大高正人・中村拓志など】
1.幕張メッセ【槇文彦】

幕張メッセは「国際展示場」「国際会議場」「幕張イベントホール」の3つの施設からなる、千葉市に建つ複合施設である。
建築の設計は、日本を代表する建築家「槇文彦」が担当。
「人と人」「人ともの」との直接的な出会いの場を創出する。このようなコンセプトを基に幕張メッセは計画された。
上の写真は1997年に増築された「国際展示場」で、サスペンション構造(吊り構造)によって立ち上げられたウェーブを描く大屋根が、軽やかな外観を形成している。
通常、国際展示場やイベントホールなどの大空間を必要とする施設では、アーチやドーム型をした閉鎖的な建築になることが多いのだが、これほど開放的で軽やかな大規模建築はなかなかみかけない。
2.柏の葉T-SITE【日建設計・クラインダイサムアーキテクツ】
- 設計:日建設計・クラインダイサムアーキテクツ
- 住所:千葉県柏市若柴
- 竣工:2016年
- 用途:商業施設・調整池
- URL:建築詳細ページ
柏の葉T-SITEは、蔦屋書店を中核施設として展開される、千葉県柏市に建つ生活提案型商業施設である。
建築の設計は、日建設計とクラインダイサムアーキテクツが共同で行った。
アイコニックな家型をした5つの建物が、前面に広がる小規模な調整池に沿う形で建てられてられた親水施設となっており、夜になると建物と池が連動するようにライトアップされ魅力的な外観を形成。
一方で、外観上は5つの独立した建物の集まりに見えるが、実は内部空間はすべて連続しており、建物を貫く「マガジンストリート(写真5枚目)」を中心としてその左右にカフェ・物販店舗・書店・ラウンジ空間などが展開されている。
建築詳細ページ

3.ホキ美術館【日建設計】
ホキ美術館は、日本初の写実絵画(見たままをそのまま忠実に描いた絵)を専門的に取り扱う美術館として、千葉県千葉市に建設された建築物である。
建築の設計は、日本最大手の組織設計事務所「日建設計」が担当した。
建築全体は、複数のチューブ型ボリュームがわずかに弧を描きながら積層された特殊な構成となっており、そのチューブの一つが約30mほど空中に張り出し、ダイナミックな外観を形成している。
外形からも何となく想像できるが、内部の展示空間は約100mにも及ぶ細長い構成となっており、1つ1つの作品と一対一で向き合える鑑賞空間となっている。
建築詳細ページ

4.富津岬展望台【池原謙一郎】

富津岬展望台は、千葉県富津市の富津岬にある公立公園「千葉県立富津公園」の先端に位置する展望施設である。
建築の設計は、ランドスケープデザインの研究者としても知られる造園家「池原謙一郎」が担当した。
太い柱と薄いスラブが最小単位を構成し、それらが肩を寄せ合いながら群を成した本施設は、盆栽などにも使われる「五葉松」をモチーフとして設計されている。
最高高さは21.8m。それぞれのスラブは階段で接続されており、山登りをするかのような空間体験と移り変わる東京湾の風景を楽しめる、魅力的な展望スポットとなっている。
5.市原湖畔美術館【カワグチテイ建築計画】

- 設計:カワグチテイ建築計画
- 住所:千葉県市原市不入
- 竣工:2013年
- 用途:美術館
- URL:公式ページ
市原湖畔美術館は、千葉県一の貯水面積を誇るダム湖「高滝湖」の沿岸に建つ美術館建築物である。
本美術館では、市原市の名誉市民である日本版画家・深沢幸雄の作品を中心に収蔵・展示等を行っている。
建築の設計は、川口有子と鄭仁愉による設計事務所「カワグチテイ建築計画」が担当。
元々「水と彫刻の丘(1995年)」という観光文化施設をリノベーションする形で開館した市原湖畔美術館。
スロープや階段によって回遊的な空間が構成されていた既存建物の特性をそのまま生かしつつ、アートウォールと呼ばれる鉄板の壁を複数挿入することによって、新たに展示空間やラウンジ空間などを生み出している。
6.千葉県立美術館【大高正人】

千葉県立美術館は、千葉県にゆかりのある美術作品を中心的に収集・展示する施設として、1976年に建設された公立美術館である。
建築の設計は、福島県出身の建築家「大高正人」が担当。
広い敷地に対して、複数の低層ボリュームを並べた分棟形式を採用する本施設は、中庭やテラスといった外部と内部の緩衝空間を作り出しながら魅力的な美術館を形成。
また、外壁は赤レンガ風の磁器質タイル、内部はコンクリート打ち放しによって仕上げることによって、公立美術館らしい落ちつきのある佇まい作り出している。
7.神田外語大学7号館【松田平田設計】

神田外語大学7号館は、千葉県千葉市にキャンパスを持つ神田外語大学の図書館として、カフェやホールを併設する形で2008年に竣工した大学施設である。
建築の設計は、国内に複数の事務所を展開する設計事務所「松田平田設計」が担当。
本施設は、隣接するラグビー場から、緑の地面を連続する形で立ち上げられた丘状の建築物となっており、側面をガラス張りにすることで自然と一体になった豊かな内部空間を作り出している。
また、丘に埋め込まれるように建っている円錐型のガラス棟は、内部がエントランスホールとなっており、光であふれる魅力的な空間を形成している。
8.柏たなか駅【渡辺誠】

柏たなか駅は、首都圏新都市鉄道つくばエクスプレスの駅舎として2004年に建てられた建築物である。
建築の設計は、横浜市出身の建築家「渡辺誠」が担当。
神々しいステンレスのチューブがインパクトのある外観を形成している本施設だが、形態のモチーフは特にないそうで、高架線の一部が盛り上がってそこが駅舎になるというイメージをそのまま具現化したという。
この建築を見ていると、原広司の代表作「宮城県図書館」を想起するのは私だけではないだろう。
9.花と緑の文化館【飯田善彦建築工房】

花と緑の文化館は、千葉県印西市にある「北総花の丘公園」の中心施設として、図書コーナー・展示コーナー・会議室など複数の機能を併設する形で建てられた複合施設である。
建築の設計は、横浜国立大学出身の建築家・飯田善彦によって設立された「飯田善彦建築工房」が担当。
建築全体は、8mスパンで設置される白い柱が、鉄骨トラスで構成された厚みのある大屋根を支える構成となっており、その大屋根の下にはガラスで覆われた内部空間と、屋根だけに覆われた半屋外空間の2つの領域が共存。
さらに、屋根に覆われてはいるものの、天井面にはトップライトが設けられているため、内部では森の中のような豊かな木漏れ日空間が展開されている。
10.千葉市花の美術館【A&T建築研究所】

千葉市花の美術館は、その名の通り「花」とテーマにした施設として、千葉県千葉市美浜区に建設された植物館である。
建築の設計は、日本各地で公共施設を手掛ける建築事務所「A&T建築研究所」が担当した。
施設全体は、波形屋根を持った「展示棟」、円筒型のガラス張りとなった「温室棟」、折板屋根を持った低層の「休憩棟」の3つの棟によって構成されており、それぞれがインパクトなる空間となっている。
特に象徴的な展示棟は、海辺に建つ植物園として「波」や「雲」をイメージした波形屋根によって覆われており、内部にはガラス張りのアトリウム空間が展開されている。
11.千葉県文化会館【大高正人】

千葉県文化会館は、大小2つのホールや会議室などの機能が入る、千葉県千葉市に建つ文化施設である。
建築の設計は、福島県出身の建築家「大高正人」が担当。
建築全体は、コンクリート打ち放しの外壁や水平性の高い構成など、モダニズムの象徴的な要素が随所に取り入れられており、モダニズム建築好きにはたまらない建築作品となっている。
その証拠と言っては何だが、本施設はDOCOMOMO JAPANによって「日本におけるモダン・ムーブメントの建築」に選定されており、その建築的価値は十分に評価されているようだ。
12.千葉大学ゐのはな記念講堂【槇文彦】

千葉大学ゐのはな記念講堂は、千葉大学医学部創立85周年を記念して1963年に建設された記念講堂である。
建築の設計は、日本を代表する建築家「槇文彦」が担当。
槇文彦初期の代表作として名高い。
建築全体は、広場に対して断面を取った台形型の形態がシンボリックな外観を作り出しており、壁や柱はコンクリート打ち放し、屋根は鋼板によって仕上げられている。
槇文彦はこの建築を「鎮守の森の社」をイメージして設計しており、そのイメージ通り、社のような趣のある佇まいが魅力的な建築作品となっている。
13.ZOZO本社屋【中村拓志】

ZOZO本社屋は、ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営する株式会社ZOZOの本社屋として、2020年に新設されたオフィス建築である。
建築の設計は、隈研吾事務所出身の建築家「中村拓志」が担当。
この建築の最も特徴的な点は、布を垂らしたように垂れた3枚の曲面屋根である。
3枚の曲目屋根がすこしずつずれを生じさせながら、並列に配置されることによって、内部にはトップライトからの光が漏れ出す明るい空間が形成されている。
また、この屋根の下につくられる内部空間は、大きなワンルーム空間をスキップフロアでつないだダイナミックな空間構成となっており、様々な視線や活動が交わる賑やかな空間となっている。
14.国立歴史民俗博物館【芦原義信】

国立歴史民俗博物館は、千葉県佐倉市に建つ、日本の歴史、民俗学、考古学の研究・展示を主目的として建設された歴史博物館である。
建築の設計は、昭和期を代表する建築家「芦原義信」が担当。
上空写真を見るとわかりやすいが、この建築では「一つの大きな中庭」と「中庭沿いを一周する回廊」を中心として、その周りに複数の展示室が絡みつくようにして博物館が展開されている。
この構成によって、来館者は広い博物館内でも中庭を通して常に自分の位置を確認でき、さらには中庭に出て気分転換もできるようになっている。
非常に単純明快な構成ではあるが、シンプルだからこそ、来館者が落ち着いて展示を楽しめる空間となる。
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今回はこれで以上になります。
最後までご覧いただきありがとうございました。