みなさんこんにちは、本サイト・建築LIFEを運営している「たけ」です。
今回は、岡山県の有名建築物10選をご紹介したいと思います。
岡山には、安藤忠雄や隈研吾、磯崎新といった有名建築家が手がけた建築作品が数多く存在しています。
本記事では、それら建築物の特徴をわかりやすく解説しているので、岡山観光をする際には是非本記事を参考にしてみてください。
では早速本題に入ります。
岡山県の有名建築物10選【隈研吾・安藤忠雄・磯崎新など】
1.犬島精錬所美術館【三分一博志】
犬島精練所美術館は、瀬戸内海に浮かぶ離島「犬島」に建つ美術館である。
犬島は、100年ほど前に稼働していた「銅の精錬所」が廃墟として残されており、国からは「近代化産業遺産」として日本における近代化の歴史を示す貴重な資料と認定されていた。
そんな、歴史を持つ精錬所を保存しつつ、犬島という地域活性化を目的に、その精錬所を利用して建てられたのが、この犬島精練所美術館となっている。
この美術館の内部には、精錬所特有の煙突などを活用した、驚くべき仕掛けがなされている。
内部は撮影禁止なので、実際に訪れて、体験していただきたい。
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2.岡山シンフォニーホール【芦原義信】

岡山シンフォニーホールは、クラシックコンサートを中心に利用されている、岡山市北区に建つコンサートホールである。
建築の設計は、昭和期を代表する建築家「芦原義信」が担当。
建築としては見ての通り、円筒型の形態が象徴的な外観を形成しており、360度、街のどこからでもこのコンサートホールが見え、ランドマーク的な役割を果たしている。
円筒型の内部空間には、下層が「店舗」中間の窓がない層が「ホール」上層が「オフィス」という風にそれぞれの機能が分かれて配置されている。
3.奈義町現代美術館・奈義町立図書館【磯崎新】

奈義町現代美術館・奈義町立図書館は、岡山県奈義町の緑豊かな敷地の上に建つ、美術館・博物館・レストランを併設した複合施設である。
建築の設計は、日本建築界の巨匠「磯崎新」が担当。
本施設に入る「奈義町現代美術館」では、建築を設計するよりも前に、世界的に活躍する4人の芸術家に作品の作成を依頼し、その作品に合わせる形で建築の設計が行われている。
つまり、芸術作品と建築が一体になった美術館だという事だ。
このような特殊な条件で生まれた建築物は、シンプルなキューブ型の棟があるかと思えば、他方では円柱がそのまま横たわったかのような棟もあり、来館者の好奇心を刺激する魅力的な空間がつくられている。
4.岡山西警察署【磯崎新】

岡山西警察署は、岡山県警察が管轄する警察署の一つとして、1996年に岡山市北区に建設された建築物である。
建築の設計は、日本建築界の巨匠「磯崎新」と「倉森建築設計事務所」の共同で行われた。
建築家が設計した警察署なだけあってそのデザイン性は抜群で、「列柱による巨大なピロティ空間」や「PC板とガラスによる市松模様の外壁」などによって街に対して開放感のある親しみやすい警察署となっている。
ちなみに、この列柱によるピロティ空間はエントランスとして機能しており、その左のガラス張りの空間にロビー、さらにその左の市松模様の外壁の中には事務室が配置されている。
5.岡山県立美術館【岡田新一】

岡山県立美術館は、郷土にゆかりのある美術品の収集・展示などを行う施設として、1987年岡山市北区天神町に建設された公立美術館である。
建築の設計は、警視庁本部庁舎や最高裁判所などの設計者としても知られる建築家「岡田新一」が担当。
本建築の外壁には、万成石・ステンレス・ラスタータイルという3つの素材が使用されており、それらの対比によって建築に様々な表情が生まれている。
また、本施設のアプローチ空間では、まず重厚感のある建物を横目に前面の歩道を歩き、その歩道から連続するような階段を上り、上った先に広場を展開、その広場の先にエントランスを配置するという流れるような動線設計が行われている。
6.高梁市成羽美術館【安藤忠雄】

高梁市成羽美術館は、洋画家「児島虎次郎」の顕彰を目的として、彼の出身地である岡山県高梁市成羽町に1994年建設された美術館建築である。
建築の設計は、日本を代表する世界的建築家「安藤忠雄」が担当。
本施設は、南側には緑豊かな山の斜面がすぐ背後に迫り、北側には一級河川「成羽川」が流れるという、非常に自然環境に恵まれた敷地に建てられている。
このような豊かな敷地条件の場合、普通の建築家であれば自然に溶け込むような建物を設計するだろうが、安藤忠雄は別だ。
まずは、安藤忠雄らしい幾何学的なコンクリートの壁を大胆に配置し、その壁と背後の山との間には池を設ける。そしてその池に張り出す形で壁の外周を巡るスロープ(アプローチ空間)を設置するのである。
この建物が周囲の環境と調和しているのかどうかは正直分からないが、周囲の自然を最大限に生かした建築であることは間違いない事実だろう。
7.林原美術館【前川國男】
林原美術館は、実業家・林原一郎の「刀剣」を中心としたコレクションを収蔵・展示するための施設として、岡山市北区丸の内に建設された美術館である。
建築の設計は、昭和期を代表する建築家「前川國男」が担当。
本施設は、岡山城内堀のすぐ西側に建っており、建築は岡山城を強く意識した構成となっている。
施設全体としては、まず趣のある長屋門が来館者を出迎え、その門をくぐると大きな広場と大階段が姿を現す。そして、その大階段を上った先に美術館本館、右手側には3棟の蔵が建っている。
美術館本館は、前川國男建築らしいコンクリートと赤レンガ風タイルの外壁で覆われており、周囲の自然に溶け込むかのような落ち着いた佇まいをしている。
8.岡山大学共育共創コモンズ【隈研吾】
岡山大学共育共創コモンズは、岡山大学のメインキャンパス内に建つ木造2階建ての校舎で、内部には300人を収容できる大規模講義室が内包されている。
建築の設計は、木材と言えばでおなじみの「隈研吾」と日本のスーパーゼネコン「清水建設」が共同で行った。
建築全体は、木造CLTパネル工法によって構成されており、内外共に木材の温かみを感じる豊かな空間が作り出されている。
また、本施設2階に収められている大規模講義室は、スパンが18mあり、これはCLTパネル工法でできた建物においては内最大級の大空間となる。
現代の木造技術を結集して作り出された大学施設というわけだ。
9.真庭市立中央図書館【青木茂】
真庭市立中央図書館は、岡山県真庭市の公共図書館として建設された建築物である。
本施設は、リファイニング建築(再生建築)を提唱する建築家 「青木茂」が設計を担当。
この図書館も青木茂お得意の「リファイニング」によって成立しており、元々真庭市勝山庁舎として使用されていた建物をリファイニング(耐震補強や補修)することによって、図書館として再生利用している。
また、この施設では単に耐震補強するだけだはなく、CLTの壁や木製ルーバーなどを挿入することによって、木材に包まれた豊かな図書空間を作り出している。
青木茂が提唱するこのリファイニング建築は、今後の社会で確実に需要が高まる技術・建築であろう。
10.倉敷市芸文館【浦辺設計】

倉敷市芸文館は、大小2つの多目的ホールと会議室・練習室などからなる文化施設である。
建築の設計は、大阪市に本部を置く設計事務所「浦辺設計」が担当。
本施設は、本瓦葺塗屋造りの町屋や土蔵造りの蔵などを中心とした伝統的な町並みが残る倉敷川畔に位置しているため、建築自体もその街並みと調和するような趣のある外観を呈している。
また、建物前面には「芸文広場」「多目的広場」と呼ばれる大きな屋外広場が2つ設けられており、市民に憩いの場を提供している。
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