三重県の有名建築物10選【内藤廣・村野藤吾など】

みなさんこんにちは、本サイト・建築LIFEを運営している「たけ」です。

今回は、三重県の有名建築物10選をご紹介したいと思います。

三重県には、内藤廣や村野藤吾といった有名建築家が設計した魅力的な建築物が多数存在しています。

本記事では、それらの魅力的な建築物の特徴をわかりやすく解説しているので、三重県で建築巡りをする際には是非本記事を参考にしてみてください。

では早速本題に入ります。

目次

三重県の有名建築物10選【内藤廣・村野藤吾など】

1.海の博物館【内藤廣】

  • 設計:内藤廣
  • 竣工:1992年
  • 用途:博物館・収蔵庫
  • 住所:三重県鳥羽市浦村町
  • URL:公式ページ

海の博物館は、木造船など海に関する資料を収蔵・展示するための施設として、1992年三重県鳥羽市の浦村湾沿いに建設された博物館施設である。

建築の設計は、木材をふんだんに使用した建築物を数多く手がけることで知られる建築家「内藤廣」が担当。

本施設は、収蔵庫・展示棟・カフェテラスなどが入る複数の棟で構成されており、どの棟も日本伝統の「切妻屋根」を持った落ち着きのある外観を呈している。

内部構成は棟によって様々で、2枚目の写真のような「木造架構」でできた展示棟であったり、3枚目の写真の「コンクリート架構」でできた収蔵庫であったりと、外観は似ていても内部では全く質の異なる空間が形成されている。

内藤廣はこの作品で「日本建築学会賞作品賞」を受賞し、これをきっかけとして日本で大活躍していくこととなる。

建築詳細記事

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2.俳聖殿【伊東忠太】

photo by Outside147/CC 表示-継承 3.0

俳聖殿は、俳聖と称された「松尾芭蕉」の生誕300年を記念して、三重県伊賀市にある上野公園内に建設された施設である。

伊東忠太は「松尾芭蕉の旅姿」を模してこの建築を設計したと言われている。

具体的に言うと、上層の有機的な曲面を持った屋根が「笠」、下層の八角形をした屋根が「蓑(みの)と衣姿」、その屋根を支えている柱は「杖」を模していると言われている。

確かに、そう言われれば、旅をする松を芭蕉に見えてくる気もする。

この施設は、伊東忠太後期の代表作として知られ「他に例を見ない構成をもつ近代和風建築」として国の重要文化財にも指定されている。

3.賢島駅【村野藤吾】

賢島駅
photo by 東京特許許可局/CC 表示-継承 3.0

賢島駅は、近畿日本鉄道・志摩線の終点駅として、三重県志摩市阿児町に建設された駅舎建築物である。

本駅舎の設計は、昭和期を代表する建築家「村野藤吾」が担当。

建築は、浅く低く伸びる「寄棟屋根」と、1階部分の「ピロティ空間」の組み合わせが象徴的な外観を形成しており、日本の伝統とモダニズム建築を融合したかのようなデザインとなっている。

そして、本施設の2階部分は、2016年開催の伊勢志摩サミットで使用された円卓や椅子などを展示する「伊勢志摩サミット記念館」が設置されている。

4.式年遷宮記念 せんぐう館【栗生明】

せんぐう館
photo by Miyuki Meinaka/CC 表示-継承 3.0
  • 設計:栗生明
  • 竣工:2011年
  • 用途:資料館・休憩所・奉納舞台
  • 住所:三重県伊勢市豊川町
  • URL:公式ページ

式年遷宮記念 せんぐう館は、伊勢神宮で20年に1度行われる式年遷宮(定期的に行われる遷宮)に関する資料などを展示するための施設として、2011年に建設された資料館である。

本施設の設計は、槇文彦アトリエ出身の建築家「栗生明」が担当。

建築は、伊勢神宮外宮にある勾玉池に接する形で建てられており、池に向かって伸びるような象徴的な大屋根は、社殿に倣って矩勾配(45度の勾配)で設計されている。

また、上の写真には写っていないが、せんぐう館の西側には両ガラス面を開放できる「休憩所」が設置されており、豊かな自然を目前に優雅なひと時を過ごすことができる。

5.三重県立熊野古道センター【建築研究所アーキヴィジョン】

三重県立熊野古道センター
photo by Alpsdake/CC 表示-継承 4.0
  • 設計:建築研究所アーキヴィジョン
  • 竣工:2007年
  • 用途:博物館
  • 住所:三重県尾鷲市向井
  • URL:公式ページ

三重県立熊野古道センターは、世界遺産にも登録された「熊野古道」に関する情報を発信するための施設として、2007年に開館した博物館兼ビジターセンターである。

設計は、建築研究所アーキヴィジョン(現・アーキヴィジョン広谷スタジオ)が担当。

本施設は、ロビーや展示室からなる「2棟の木造平屋建て」と、収蔵庫や資料室などからなる「RC造の研究収蔵棟」の計3棟で構成されており、それらの棟が適度な距離感を保ちながら雄大な自然の中に佇んでいる。

また、3棟ともに、低く水平に伸びる2段の大屋根によって覆われており、周囲に広がる雄大な自然と呼応するかのような伸びやかな構成となっている。

6.三重県立美術館【富家宏泰】

三重県立美術館は、三重県にゆかりのある作家の作品を中心に収蔵・展示する施設として、1982年三重県津市に建設された公立美術館である。

建築の設計は、戦後日本を代表する建築家「富家宏泰」が担当。

また、本施設は必要機能の拡大に伴い、2003年に既存棟の「改築」と展示室や収蔵庫などの「増築」を執り行っているが、その時はル・コルビュジエの弟子として知られる建築家「坂倉準三」が設立した坂倉建築研究所が設計を行っている。

本施設は、本館と別館の2棟を「連絡通路」によって連結した全体構成となっており、連絡通路の左右には緑豊かな中庭とスキッププラザが配置されている。

7.斎宮歴史博物館【梓設計】

photo by Yanajin33/CC 表示-継承 3.0
  • 設計:梓設計・三重県土木部建築営繕課
  • 竣工:1989年
  • 用途:博物館
  • 住所:三重県多気郡明和町
  • URL:公式ページ

斎宮歴史博物館は、伊勢神宮に奉仕した斎王の御所「斎宮」に関する歴史を紹介する施設として、1989年斎宮跡地に建設された博物館施設である。

本博物館は「斎宮」という発掘物だけでは表現しにくいテーマを扱う事から、資料の展示だけでなく、映像・音響・舞台などのメディアをフル活用して多様な発信活動を行っている。

建築の設計は、組織設計事務所「梓設計」と「三重県土木部建築営繕課」の共同で行われた。

本施設は、60㎜角の「炻器質タイル」と線状に設けられた「御影石」によって構成された曲面壁が、流動的な外観を形成しており、この流動性は内部空間にまで連続している。

8.四日市ドーム【久米設計】

四日市ドームは、スポーツ・展示会・コンサートなど、様々なイベントを開催できる多目的ドームとして、三重県四日市市の霞ヶ浦緑地公園内に建設された多目的施設である。

本施設は、アトリエ型組織設計事務所「久米設計」が設計を担当。

本施設のドームを形成する2枚の大屋根は、長辺方向から見ると「アーチ型」、短辺方向から見ると「台形型」に見える、少し変わった形態をしている。

そして、その2枚の大屋根の間には半透明の「テフロン膜」、地面と大屋根の間には「ガラスカーテンウォール」が設置されており、昼間は証明がなくても光であふれる明るい空間がつくられている。

9.式年遷宮記念 神宮美術館【大江宏】

photo by N yotarou/CC 表示 2.5

式年遷宮記念 神宮美術館は、第61回式年遷宮(伊勢神宮で20年に1度行われる遷宮)を記念して建設された美術館である。

神宮美術館では、過去に遷宮の奉賛として納められた優れた「美術品」や「工芸品」などの展示を行っている。

本建築物は「乃木神社」や「国立能楽堂」など、由緒正しい建築物を数多く手掛けたことで知られる建築家「大江宏」が設計を担当。大江宏が死の直前まで病室で設計をしていた遺作である。

建築は、勾配屋根を持つ日本の伝統をふまえた現代建築となっており、周囲の自然と調和するかのような見事な佇まいをしている。

10.鳥羽マリンターミナル【日清設計】

鳥羽マリンターミナルは、伊勢志摩地域の海の玄関口として2011年に建設された「旅客船ターミナル」である。

本施設は、三重県津市に本部を置く設計事務所「日清設計」が設計を担当。

布団を折り畳んだかのような曲面が美しい外観を形成する本施設だが、実はこの外観は「真珠のネックレス」をイメージしており、夜間には側面に設置されたLEDライトが発行し、まさに真珠のネックレスのようなシルエットを浮かび上がらせる。

メイン用途はもちろん「旅客船ターミナル」であるが、本施設には他にも交流ラウンジや交流デッキ、喫茶店など複数の施設が内包されており、交流施設としての機能も果たしている。

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編集:三重県高等学校日本史研究会
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今回はこれで以上になります。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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