熊本県の有名建築物15選【伊東豊雄・安藤忠雄・西沢立衛など】

こんにちは、たけです。

今回は、熊本県の有名建築物15選をご紹介します。

本記事では、伊東豊雄・安藤忠雄・西沢立衛といった有名建築家が設計した、熊本県の建築物を数多く紹介しているので、熊本で建築巡りをする際には是非参考にしてみてください。

では早速本題に入ります。

目次

熊本県の有名建築物15選【伊東豊雄・安藤忠雄・西沢立衛など】

1.八代市立博物館【伊東豊雄】

photo by Wiiii/CC 表示-継承 3.0

八代市立博物館は、熊本県八代市の文化と歴史を紹介する施設として、1991年に建設された公立博物館である。

建築の設計は、日本を代表する建築家「伊東豊雄」が担当した。

建築全体としては、軽快なヴォールト屋根に覆われたカフェやエントランスホールと、その背後に浮かぶシリンダー状の収蔵庫によってシンボリックな外観が形成されている。

伊東豊雄が手がける建築作品は、時代や用途によって多様に変化することで知られているが、この八代市立博物館からは、伊東豊雄の自邸「シルバーハット(1984年)」のような、軽快さに対する追求がうかがい知れる作品となっている。

2.玉名天望館【高崎正治】

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  • 設計:高崎正治
  • 住所:熊本県玉名市大倉字高田
  • 竣工:1992年
  • 用途:展望・学習コミュニティー室
  • URL:公式ページ

玉名天望館は、熊本県玉名市にある桃田運動公園内の小高い丘の上に建つ展望施設である。

建築の設計は、鹿児島県出身の建築家「高崎正治」が担当した。

建築全体は、下から「地の座」「雲の座」「星の座」と呼ばれる3層によって構成されているらしく、幾何学的形態の集合によって人々の好奇心を刺激する魅力的な空間が形成されている。

建築というよりは、彫刻的な要素が強い作品である。

3.天草ビジターセンター 展望休憩所【古谷誠章】

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  • 設計:古谷誠章
  • 住所:熊本県天草郡松島町
  • 竣工:1994年
  • 用途:博物館・無料休憩所
  • URL:公式ページ

天草ビジターセンター展望休憩所は、日本で初めて国立公園に指定された雲仙天草国立公園の「ビジターセンター(公園の利用案内所)」と「展望休憩所」の2棟からなる複合施設である。

建築の設計は、早稲田大学で教授を務めている建築家「古谷誠章」が担当。

写真奥には広大な海が広がっており、天草の絶景が眺められる敷地に本施設は建っている。

その景観を重視して、2つの棟の海側は前面がガラス張りとなっており壁が一切ない。そのため、施設内部にいても常に天草の絶景を堪能できる魅力的な空間が作り出されている。

さらに、建物全体を覆う屋根は天草松島の景観に溶け込むようにと、島の稜線に屋根ラインを合わせているという。

4.馬見原橋【青木淳】

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馬見原橋は、熊本と宮崎県の県境に建設された全長約40mの橋建築である。

建築の設計は、ルイヴィトンの店舗を数多く手がけることで知られる建築家「青木淳」が担当した。

この橋の面白いところは、橋が上下で2本に分かれていることである。上は車と歩行者用、下は歩行者専用の橋となっており、まるで唇のような外観を作り出す。

さらに、下側の歩行者専用の橋には、途中2カ所に直径2~3m程の穴が開いており、下がのぞき込めるようになっている。

まるでアスレチックのような、人間の好奇心を刺激する橋建築である。

5.熊本県立装飾古墳館【安藤忠雄】

photo by STA3816/CC 表示-継承 3.0

熊本県立装飾古墳館は、古墳内部の石棺や石室などに模様や絵画などの装飾が施された「装飾古墳」をメインテーマとして、熊本県山鹿市に開館した歴史資料館である。

建築の設計は、コンクリート建築でおなじみの建築家「安藤忠雄」が担当した。

本施設は、美しい形態を持つことで有名な前方後円墳「双子塚古墳」に隣接する位置に敷地が設定されており、安藤忠雄はこの双子塚古墳を参照して本施設の設計を行っている。

具体的には、矩形と円弧とL字型のコンクリートの壁を組み合わせによって全体像が形成されており、この自然と幾何学の対立した様子は、まさに安藤忠雄建築といった独特な外観を形成している。

6.熊本駅【安藤忠雄】

photo by どと/CC 表示-継承 4.0

熊本駅は、JR熊本駅における在来線連続立体交差事業の一環として、2019年に新設された駅舎建築物である。

建築の設計は、コンクリート建築でおなじみの「安藤忠雄」が担当した。

建築全体は、熊本城に象徴される「石垣」をモチーフとした構成となっており、石垣のように地上から反り上がるアルミキャストパネルの外壁が、重厚感と軽快さを兼ね備えた外観を作り出している。

また、ホームの上に設置されている屋根には、合計3000㎡にもなる木材が使用されており。「森の都」として名高い熊本県らしい駅舎建築物となっている。

ちなみに、熊本駅の駅前広場は東口を西沢立衛、西口を佐藤光彦が設計している。(両広場に関しては以下で詳しく解説する)

建築詳細ページ

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7.熊本駅白川口駅前広場【西沢立衛】

熊本駅白川口駅前広場は、安藤忠雄が設計した熊本駅の東口駅前広場として2021年に竣工した建築物である。

建築の設計は、国内外で活躍する建築家「西沢立衛」が担当した。

元々この東口駅前広場は、2010年に雲をモチーフとした形状のものが完成していたのだが(写真2枚目)、2016年に発生した熊本地震の影響を受けて、以前のものは取り壊され、2021年に新たな屋根が建設された。

現在の東口駅前広場に建っている屋根は、駅に出入りする人々の流れや交通機能に沿った帯状の屋根となっており、以前より明るく開放的なデザインが採用されている。

8.熊本駅西口駅前広場【佐藤光彦】

photo by そらみみ/CC 表示-継承 4.0

熊本駅西口駅前広場は、安藤忠雄が設計した熊本駅の西口駅前広場として2011年に竣工した建築物である。

建築の設計は、伊東豊雄事務所出身の建築家「佐藤光彦」が担当した。

建築全体は、ロータリーを囲うようにして鉄骨造の壁が設置され、その壁の歩道側には一部天井に穴の開いた屋根を設けるという全体構成となっている。

さらに、壁の歩道側と車道側では仕上げが異なっており、歩道側は白を基調としたスチールプレート、車道側は黒を基調としたスラブプレートとすることで、一つの壁であっても見る方向によって様々な表情を作り出している。

9.熊本県営保田窪第1団地【山本理顕】

熊本県営保田窪第1団地は、熊本県が文化の向上などを目的に実施する事業「くまもとアートポリス」の一環として建設された共同住宅である。

建築の設計は、国内外で様々な公共施設を手掛ける建築家「山本理顕」が担当した。

建築全体は、計110戸からなる「3つの住棟」と「集会室」の建物群を中央広場を囲うようにして配置。

また、住棟に関しては、家族室と寝室を分けた分棟型にして、ブリッジで2棟の間をつなぐという構成がとられており、外部空間を内部に巻き込んだ魅力的な居住空間が作り出されている。

10.熊本県立美術館【前川國男】

熊本県立美術館は、熊本城二の丸公園の敷地内に建つ県立美術館である。

建築の設計は、昭和期を代表する建築家「前川國男」が担当した。

この美術館には、サンクガーデンや広場、テラスなど複数の屋外空間が、分棟式の建物の間を縫うようにして配置されているため、建物内にいても常に外部を感じられるような魅力的な空間となっている。

さらに、内部に設けられた広いロビー空間も特徴的で、前川國男建築特有の「赤レンガ風タイル」と「格子状の堀の深い天井」に囲まれた、落ち着く空間が形成されている。

11.熊本県立劇場【前川國男】

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熊本県立劇場は、2つの大型劇場を内包する、熊本県熊本市に建つ県立劇場である。

本施設の特徴でもある2つの大型劇場は、他の劇場のように多目的ホールとしてではなく、コンサートおよび演劇のための専用ホールとして設計されている。

建築の設計は、昭和期を代表する建築家「前川國男」が担当。

建築全体としては、前川國男が常々重視していた、広場・ロビー・ホワイエといった人々が集う空間がここでも魅力の一つとなっており、前川國男のエッセンスが詰まった建築作品になっている。

また、建物前面に設けられたアプローチ空間には、玄関に向かって2本のキャノピー(庇)が設置されており、自然な流れで人々を建物内部へと誘導するかのような見事な動線計画がなされている。

12.熊本中央警察署【篠原一男】

photo by P150315/CC 表示-継承 4.0

熊本中央警察署は、1990年・くまもとアートポリス(熊本の都市・建築文化の向上を目的に実施された事業)」の一環として建設された警察署施設である。

建築の設計は、幾何学的な建築物を数多く手がけたことで知られる建築家「篠原一男」が担当した。

建築としては、上層になるほど幅が広くなる「逆ピラミッド型の立面」が特徴的で、篠原一男らしい幾何学がこの建築でも採用されているようだ。

また、この逆ピラミッド型の立面には「ハーフミラー」が使用されており、昼間は街並みや空を映し出しつつ、夜間は内部の活動が透けて見えるような工夫がなされている。

13.三角港フェリーターミナル「海のピラミッド」【葉祥栄】

三角港フェリーターミナル「海のピラミッド」は、熊本県宇城市三角町にある港湾「三角港」のフェリーターミナル待合室として、1990年に建設された建築物である。

建築の設計は、熊本県熊本市出身の建築家「葉祥栄」が担当した。

本施設は写真を見て分かる通り、円錐型をしたピラミッドのような形態がシンボリックな外観を形成しており、その独特な形態と立地から「海のピラミッド」という愛称が付けられている。

また、この円錐型の内外には逆向きの二重螺旋階段が設置されており、頂上部分は展望台になっている。

14.新八代駅前モニュメント「きらり」【乾久美子】

photo by MK Products/CC 表示-継承 3.0

新八代駅前モニュメント「きらり」は、熊本県八代市にある新八代駅駅前広場に設置されているモニュメント建築物である。

建築の設計は、横浜国立大学大学院Y-GSAで教授を務めるプロフェッサーアーキテクト「乾久美子」が担当した。

建物全体は、遠くから見ると、そこらにあるごく一般的な住宅建築のようにも見えるが、近くによると大小さまざまな無数の開口が開けられているという、非日常性に気がづく。

また、家型という事で無意識に平面は四角形であろうというイメージをしてしまいがちだが、実はこの建築の平面は「直角三角形」となっている。

このように、日常に潜む形態やスケール感と、非日常的な形態やスケール感を併せ持った両義的なモニュメントとなっている。

15.熊本南警察署熊本駅交番【クライン・ダイサム・アーキテクツ】

photo by Junki.pc27/CC 表示-継承 3.0

熊本南警察署熊本駅交番は、JR熊本駅の東口広場に隣接する位置に建つ交番建築物である。

建築の設計は、日本国内で様々な公共施設を手掛ける設計事務所「クライン・ダイサム・アーキテクツ」が担当した。

交番建築とは思えないようなポップな外観が特徴的な本施設は、熊本駅周辺地域のランドマーク的な役割を果たしており、地域住民も親しみやすい構成が魅力となっている。

上層部を覆う白いスクリーンの裏面には、色彩のグラデーションが施してあり、見る方向によって円形の開口部の色が多様に変化し、様々な表情を作り出すデザインとなっている。

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今回はこれで以上になります。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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