乾久美子とは?
- 1969 大阪に生まれる
- 1992 東京藝術大学美術学部建築科卒業
- 1996 イェール建築学校修士課程修了
- 1996 青木淳建築計画事務所入所
- 2000 乾久美子建築設計事務所設立
乾久美子は、建築学生なら知らない者はいない横浜国立大学大学院「Y-GSA」の教授を務める建築家である。
ルイ・ヴィトンやディオールといった商業建築を数多く手がける一方で、近年では旅客ターミナルや大学キャンパスなど活動の幅を広げている。

今回は、そんな今勢いのある建築家「乾久美子」の代表作品をご紹介したいと思います!
【代表作】建築家乾久美子の建築作品4選
1.エンクロス




- 住所:宮崎県延岡市幸町3-4266-5
- 竣工:2018年
- 用途:駅 市民活動スペース 図書閲覧書籍販売 カフェ
エンクロスは、宮崎県のJR延岡駅舎前に建つ複合施設である。
この建築で乾久美子氏が行ったのは、おおらかな骨格(構造フレーム)を用意することだけである。
少し大げさに言ったが、そのくらいこの建築は「シンプルで力強い骨格」が作り出すおおらかな空間が魅力的なのである。
建築はあくまで空間を分節するためだけのものであり、それを建築にするのはあくまで人間の活動だという事が示されているような、力強い建築である。
2.宮島口旅客ターミナル
- 住所:広島県廿日市市宮島口1-11-1
- 竣工:2020年
- 用途:旅客ターミナル 物産販売 情報発信スペース
宮島口旅客ターミナルは、世界遺産「宮島(厳島)」に向かうフェリーの発着所となるターミナル建築である。
スギ板で仕上げされた「大屋根」とそれを支える純白の「鉄骨柱」が印象的。
大屋根の下は「半屋外空間」となっており、白い柱の間から海や街の風景が覗き込む。
また、大屋根の下には周囲の街にある「まんじゅう屋」や「食べ物屋」の建物の大きさを踏襲した「箱状の空間」入れ子状に配置されており、街並みの連続をより一層感じられるようになっている。
3.フラワーショップH




- 住所:東京都千代田区日比谷公園
- 竣工:2009年
- 用途:店舗
フラワーショップHは、日比谷公園内に建つ「花屋」である。
床面積が100㎡ほどしかない上に複数の建物に分節されているため、一つ一つの空間は面積的には相当狭くなっている。
しかし、高さが7.5mあり、さらに建物の4辺には大きなガラス張りの開口部が設けられているため、狭さを感じないアトリウムのような空間がつくられている。
これらの特異な構成によって「境界の曖昧さを追求する」というコンセプトが見事に実現されており、魅力的な建築空間が出来上がっている。
4.ディオール銀座




- 住所:東京都中央区銀座5-6-1
- 竣工:2004年
- 用途:店舗
ディオール銀座は、パリの老舗ファッションブランド「Dior」の銀座店である。
乾久美子氏はディオール銀座の「外装設計」をメインに担当した。
建物全体をアルミ板で覆い、そのアルミ板に大小2種類の穴でディオール特有の「カナージュ」と呼ばれるパターンを浮かび上がらせている。
通常建築家は開口部の設計を重視するが、ディオールのような店舗では建物の外壁にほとんど開口部が現れない。
そんな状況下でいかに外装をデザインするのかを考え抜いた末に、このアルミ板による構成にたどり着いたのだろう。
乾久美子の作品集など








今回はこれで以上になります。
今回ご紹介した建築は、乾久美子が設計した建築のほんの一部です。
そのため、今後も随時情報を更新していきたいと思っています。
気が向いたら、また本記事をご覧ください。
ではまた。
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