福井県の有名建築物10選【黒川紀章・内藤廣など】

みなさんこんにちは、本サイト・建築LIFEを運営している「たけ」です。

今回は、福井県の有名建築物10選をご紹介したいと思います。

福井県には、黒川紀章や内藤廣などの有名建築家が設計した、美術館や博物館建築物が数多く存在しています。

本記事では、それら魅力的な建築作品の特徴などをわかりやすく解説しているので、福井県で建築巡りをする際には是非本記事を参考にしてみてください。

では早速本題に入ります。

目次

福井県の有名建築物10選【黒川紀章・内藤廣など】

1.福井県立図書館・文書館【槇文彦】

  • 設計:槇文彦
  • 竣工:2002年
  • 用途:図書館・文書館
  • 住所:福井県福井市下馬町
  • URL:公式ページ

福井県立図書館・文書館は、県立図書館と文書館を併設する形で2002年に竣工した、福井県福井市に建つ公立図書館である。

本施設の設計は、日本を代表する建築家「槇文彦」が担当した。

この図書館は、2枚目の写真を見てもらうとわかりやすいのだが、とにかく開架・閲覧スペースが広い。

しかし、ここまで広い空間を作ってしまうと読書環境が乱される恐れがある。

そこで槇文彦氏は、図書館に「読書テラス」「中庭」「池」という3つの要素を組み込むことで、空間に適度な「あき」を作り、落ち着きのある読書空間を作り出した。

2.福井県立恐竜博物館【黒川紀章】

福井県立恐竜博物館はその名の通り、福井県に建つ恐竜専門の博物館である。

本施設は、国立新美術館や広島市現代美術館など、数多くの芸術文化施設を手掛けたことで知られる建築家「黒川紀章」が設計を担当。

建築の特徴はなんといっても、存在感のある回転楕円体の大展示空間であり、恐竜の卵のようなどでかい構造体がシンボリックな外観を形成している。

一方で、この大胆な形態に注目が集まりやすいが、この博物館の最大の魅力は、卵型の大展示空間まで続くアプローチ空間にある。

2枚目の写真にある、33mにも及ぶエスカレーターによって人々を大展示空間へ誘導しており、この空間を通ることで来館者はより一層、展示に対する好奇心が増幅される。

建築詳細記事

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3.福井市美術館【黒川紀章】

photo by 藤谷良秀/CC 表示-継承 4.0

福井市美術館は、福井市にゆかりのある彫刻家「高田博厚」の作品を収蔵・展示する施設として、1996年に建設された美術館である。

建築の設計は、日本を代表する建築家「黒川紀章」が担当。

本施設は「エントランス棟」と「美術館棟」の2棟によって全体が構成されており、どちらの棟も有機的な曲面を持ったガラスカーテンウォールで囲われており、透過性のある豊かな内部空間が形成されている。

黒川紀章の代表作と言えば、2006年に竣工した「国立新美術館」がよく挙げられるが、有機的なガラスのカーテンウォールなど、福井市美術館には国立新美術館の片鱗が見受けられる。

4.若狭三方縄文博物館【横内敏人】

photo by Yasunorihayashi/CC 表示-継承 4.0

若狭三方縄文博物館は、縄文文化に関する資料や出土品などを収蔵・展示する施設として、2000年福井県に竣工した博物館である。

建築の設計は、前川國男の設計事務所に勤務していた経歴を持つ建築家「横内敏人」が担当。

本施設は、地面から連続する有機的な大屋根が、丘のような外観を形成しており、一目見ただけだと建築物なのか本物の丘なのかが区別できないほど自然と一体化している。

横内敏人は、この建築物を「母なる大地が妊娠した姿」をイメージして設計したという。

伊東豊雄の「ぐりんぐりん」や、藤本壮介の「白井屋ホテル」など、近年はあらゆる建築家が丘のような建築物を作っている印象があるが、ここまで本物の丘に見える建築はなかなか存在しないだろう。

5.福井県年縞博物館【内藤廣】

  • 設計:内藤廣
  • 竣工:2018年
  • 用途:博物館・研究所
  • 住所:福井県三方上中郡若狭町
  • URL:公式ページ

福井県年縞博物館は、福井県・水月湖の湖底で発見された45mにも及ぶ年縞(縞模様の湖底堆積物)を展示する施設として、2018年に建設された博物館・研究所建築である。

本施設は、木造架構建築に定評のある建築家「内藤廣」が設計を担当。

45mにも及ぶ年縞を展示するために、建築は横に細長い形態をしており、そのボリュームの上には内藤廣らしい木造の切妻屋根が乗っかり、展示空間全体を優しく包み込んでいる。

また、展示スペースは2階部分にすべて集約されているため、1階部分はピロティ空間となっており、風や視線が通り抜ける軽やかな外観を作り出している。

6.福井県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館【内藤廣・仙坊幸治】

photo by Yasunorihayashi/CC 表示-継承 4.0

福井県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館は、戦国時代の遺跡「一乗谷朝倉氏遺跡」から出土した遺跡や資料などを収蔵・展示するための施設として、2022年に建設された博物館建築物である。

本施設は、木造架構建築に定評のある建築家「内藤廣」が設計を担当。

建築は、内藤廣が設計の際によく用いる「切妻屋根」を複数連続させた形態がシンボリックな存在となっており、周囲に広がる山並みや緑と呼応するかのような外観を作り出している。

一つだけサイズの大きい切妻屋根があるが、この内部には朝倉氏の館が復元展示されている。(メイン展示物である)

7.福井県立歴史博物館【佐藤武夫設計事務所】

福井県立歴史博物館は、福井県の歴史・民俗・自然に関する資料などを展示する総合博物館「福井県立博物館」として、1983年に開館した施設である。

現在は、自然に関する資料を「福井県立恐竜博物館」に移管したため、歴史・民俗をメインに取り扱う「福井県立歴史博物館」として運営されている。

建築の設計は、日本の大手組織設計事務所「佐藤武夫設計事務所(現・佐藤総合計画)」が担当。

本敷地の周辺は、住宅や学校などからなる低層地域であったため、博物館も可能な限り高さを抑えることで周囲の景観と調和しつつ、外壁も落ち着いた色の磁器タイルで覆うことで、周囲の緑と自然に馴染む外観を作り出している。

8.サンドーム福井【岡崎甚幸・川口衞】

photo by 賀正/CC 表示-継承 4.0

サンドーム福井は、1995年にアジアで初めて開催された世界体操競技選手権の競技場として建設された施設で、各種スポーツやコンサートなども開催できる1万人規模のイベントホールとなっている。

本施設の設計は、岡崎甚幸川口衞などが共同で行った。

建築は、ぼこぼこと凹んだ陰影のある大屋根が象徴的な外観を形成しているが、この屋根は、雪下ろしをしなくても重さに耐えられる「滞雪屋根」となっており、この地域の気候を基に建築の形態が決定されたことがわかるような構成となっている。

また、本施設は全体の規模としてはかなり大きい建築物であるが、外周部に小さいスケールのボリュームや開口部を並べているため、周辺建物との規模の差が曖昧になり、威圧感を抑える効果をもたらしている。

9.若州一滴文庫【泊建築設計事務所】

  • 設計:泊建築設計事務所
  • 竣工:1984年(本館)
  • 用途:文学館
  • 住所:福井県大飯郡おおい町
  • URL:公式ページ

若州一滴文庫は、福井県出身の作家・水上勉が主催する「若州人形座」の拠点として1984年に建設された文学館である。

「若州人形座」の拠点以外に、美術・宗教・文学に関する資料を保存・展示する施設としても機能している。

本施設の設計は「泊建築設計事務所」が担当。

施設全体は、本館・茅葺館・竹人形館・六角堂・くるま椅子劇場の「5つの棟」と、その間に広がる「庭園」によって構成されており、どの棟も周囲の自然環境に溶け込むかのような日本伝統の建築物となっている。

10.坂井市龍翔博物館【設計者不明】

photo by 663highland/CC 表示 2.5
  • 設計:不明
  • 竣工:1981年
  • 用途:博物館
  • 住所:福井県坂井市三国町緑ケ丘
  • URL:公式ページ

坂井市龍翔博物館は、明治時代にオランダ人土木技師によって建設された「龍翔小学校」の外観を模す形で、1981年に建設された博物館建築物である。

建設当時は、旧三国町の資料館「みくに龍翔館」として運営されていたが、2023年にリニューアルを行い「坂井市龍翔博物館」として再オープンを果たした。

本施設の設計者は不明。(検索しても出てきませんでした)

建物は、日本海を一望できる高台の上に立っており、五層八角形の形態をした疑洋風建築物となっている。

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今回はこれで以上になります。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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