福井県立恐竜博物館とは?

福井県立恐竜博物館は、建築家黒川紀章が設計した、恐竜を主なテーマとした自然史博物館である。
また、研究や情報発信といった活動も行う大規模な博物館で、世界三大恐竜博物館の一つとしても知られている。
- 福井県立恐竜博物館(日本)
- ロイヤルティレル古生物学博物館(カナダ)
- 自貢恐竜博物館(中国)

そんな世界的に有名な福井県立恐竜博物館の特徴をご紹介します!!
黒川紀章とは?
- 1934 愛知県に生まれる
- 1957 京都大学工学部建築学科卒業
- 在学中 黒川紀章建築都市設計事務所設立
- 1959 メタボリズムを提唱
- 1960 世界デザイン会議に参加
- 2007 東京都知事選挙、参院選に立候補
- 2007 参院選2か月後に死去
黒川紀章は、世界的に活躍した日本の建築家である。
代表作としては、「中銀カプセルタワービル」や「国立新美術館」などがあり、美術館作品を多く手がけたことでも知られている。
黒川紀章氏は、建築理論「メタボリズム」を提唱し、活動した建築家としても有名である。

黒川紀章氏は、建築家菊竹清則らと共に「メタボリズム・グループ」というものを結成。
メタボリズムとは、日本語で新陳代謝を意味する。
人間の新陳代謝のように、建物も増改築しやすいように設計するという建築的構想。
この考えは、現在のサステナビリティに近いものがある。
建築の特徴

福井県立恐竜博物館の建築的特徴としては、次のような点が挙げられる。
- 卵のような形状の恐竜ホール
- 地中に埋まった低層棟
- 四層吹き抜けを通るエスカレーターと階段
- ダイノストリート
- 三つのゾーンに分かれた大展示ホール
恐竜の卵のような恐竜ホール

福井県立恐竜博物館の最大の特徴である恐竜ホールは、巨大な卵のような形状をしている。
この回転楕円体の内部は、44体にも及ぶ恐竜の全身骨格などが展示され、世界最大級の恐竜展示空間となっている。
自然豊かな地域にある恐竜ホールは、ただでさえインパクトがあるが、外壁がメタリックで輝いているため、さらに象徴性が増している。
地中に埋まった低層棟

福井県立恐竜博物館は先ほど紹介した恐竜ホールと、低層棟による構成の対比が特徴的である。
このは4層からなる低層棟は、下3層が地下に埋められた状態になっているため、アプローチ部分から見ると低い建築に見える。
また上の写真はエントランス部分であるが、このファサードは地層の断面をイメージした曲線的な外壁となっている。
四層吹き抜けを通るエスカレーターと階段

低層棟の玄関を入ると正面にこのエスカレーターが現れ、4層吹き抜けの大空間を一直線に降りていく構成となっている。
この動線と4層吹き抜けの組み合わせによって、大展示ホールへのワクワク感を増大させる効果がもたらされている。
まるでスターウォーズに出てきそうなSF的空間である。
ダイノストリート
ダイノストリートは、先ほどのエスカレーターのある吹き抜け空間を通った先に現れる、大展示ホールに続く細い通路である。
通路には恐竜の化石などが展示されている。
この細い通路から大展示ホールに出るという大胆な空間の変化は、展示物への興味・関心を最大に高めるための構成となっている。
三つのゾーンに分かれた大展示ホール

大展示ホールの内部は、次の三つのゾーンに分かれている。
44体に及ぶ恐竜の全身骨格が展示してあり、福井県立恐竜博物館の目玉となる展示ゾーン
地球を構成している岩石や鉱物、堆積物などが展示されている
46億年に及ぶ、地球の歴史における、海・植物・生命の誕生などを時間の流れと共に、ジオラマを通して展示
建築物概要
- 所在地:福井県勝山市村岡町寺尾
- 竣工 :2000年6月
- 用途 :博物館
- 構造 :SRC造 RC造 S造
- 階数 :地下1階 地上3階 + ドーム
- 寸法 :高さ約37.5m、長径 84m、短径 55m(ドーム)
- 設計 :黒川紀章建築都市設計事務所
- 構造 :織本匠構造設計研究所
- 設備 :建築設備設計研究所
- 施工 :熊谷組、前田建設など
施設概要
- Tel :0779-88-0001
- 休館日 :第2・4水曜日 年末年始
- 料金 :予約制
小・中学生 | 高・大学生 | 一般 |
260円 | 420円 | 730円 |
- 営業時間:9時~17時
- URL :https://www.dinosaur.pref.fukui.jp/
最後に・・・
以上が黒川紀章設氏が手がけた福岡県立恐竜博物館の特徴でした。
巨大な卵のような回転楕円体空間と、エスカレーターやダイノストリートによる演出的動線が魅力的な建築作品であったと思います。

福井県を訪れた際はぜひ立ち寄ってみてください!!
閲覧していただきありがとうございます。