皆さんこんにちは、当サイト「建築LIFE」を運営しているたけと言います。
今回は、なまはげやきりたんぽなどで有名な、東北地方に属する都道府県「秋田県」に存在する、有名建築15選をご紹介したいと思います。
実は秋田県には、安藤忠雄・坂茂・黒川紀章など、有名建築家が設計した作品が数多く存在しています。
そこで本記事では、そのような名だたる建築家が設計した作品を始め、一生に一度は訪れておきたい魅力的な建築スポットをご紹介しています。
是非、秋田で建築巡りをする際にご参照ください。では早速本題に移ります。
秋田県の有名建築物15選【安藤忠雄・坂茂・黒川紀章など】
1.秋田県立美術館【安藤忠雄】
- 設計:安藤忠雄
- 竣工:2012年
- 用途:美術館
- 住所:秋田県秋田市中通1
- URL:公式ページ
秋田県立美術館は、秋田市の千秋公園内にある旧秋田県立美術館(平野政吉美術館)を前身とする、公立美術館である。
設計を務めたのは、コンクリート建築でおなじみの日本を代表する建築家・安藤忠雄だ。
本施設は、旧秋田県立美術館のある「千秋公園」と対面する位置に建てられており、2階のラウンジ空間からは「水庭」越しに旧美術館が望める空間構成となっている。
また、この建築最大の特徴でもある「水庭のあるラウンジ空間」は、水庭に面する開口部の高さを極限まで低くすることによって、視覚情報を制限し、対面の千秋公園の自然や旧美術館をより身近に感じられるようになっている。
安藤忠雄の空間づくりのうまさが際立つ建築作品である。
2.国際教養大学図書館【仙田満】




- 設計:仙田満
- 竣工:2008年
- 用途:大学施設(図書館 教室)
- 住所:秋田県秋田市雄和椿川字奥椿岱193-2
- URL:公式ページ
国際教養大学図書館は、秋田県に本部を置く公立大学「国際教養大学」の図書施設である。
設計を務めたのは「石川県立図書館」「マツダスタジアム」など、数多くの公共建築を手掛ける建築家・仙田満だ。
建築としては、「コロシアムのような段状の構成」と「和傘のように放射状に広がる木組みの大屋根」の組み合わせが特徴的で、多様性のある居心地のいい読書空間が形成されている。
仙田満は、コロシアム型の図書空間を作ることによって、生徒たちに多様な居場所を提供しつつ、学習意欲を喚起するような空間を作り出すことを目指して本施設を設計した。
3.秋田市立中央図書館明徳館【谷口吉生】




- 設計:谷口建築設計研究所
- 竣工:1983年
- 用途:図書館
- 住所:秋田県秋出市千秋明徳町4-4
- URL:公式ページ
秋田市立中央図書館明徳館は、「あきた芸術劇場ミルハス」や「旧秋田県立美術館」など複数の施設を有する「千秋公園」内に建つ、秋田市立の中央図書館である。
設計を務めたのは、「葛西臨海水族園」や「豊田市美術館」など洗練されたかっこいい建築を数多く手がける建築家・谷口吉生だ。
本施設は、シンメトリーの格式高い構成と、グレーの磁器タイルや金属板で構成されたスタイリッシュな外壁が印象的な外観を作り出しており、谷口吉生らしさが存分に発揮された作品となっている。
また、内部構成としては、施設利用者の80%以上が利用する開架書庫を、半円形の中庭によって研究教育部門から分離独立させることで、日常利用しやすい雰囲気を作り出している。
4.白瀬南極探検隊記念館【黒川紀章】




- 設計:黒川紀章建築都市設計事務所
- 竣工:1991年
- 用途:展示施設
- 住所:秋田県にかほ市黒川字岩潟15番地3
- URL:公式ページ
白瀬南極探検隊記念館は、日本人で初めて南極探検に挑んだ探検家・白瀬矗の顕彰を目的として、彼の出身地である秋田県にかほ市に建設された博物館建築である。
設計を務めたのは、「新国立美術館」や「豊田スタジアム」など数多くの公共建築を手がける、日本を代表する建築家・黒川紀章だ。
黒川紀章は「円錐形」を好んで設計に取り入れることで有名であるが、この建築でも点まで伸びるかのような鋭い円錐が建物中央に配置され、独特な外観を作り出している。
この円錐型の建築部分は「オーロラドーム」という名がつけられており、音と光によって難局をイメージさせる空間になっている。
5.大館樹海ドーム【伊東豊雄】
- 設計:伊東豊雄建築設計
- 竣工:1997年
- 用途:野球場および多目的競技場
- 住所:秋田県大館市上代野字稲荷台1-1
- URL:公式ページ
大館樹海ドームは、野球・サッカー・テニス・コンサートなど、様々な用途で使用される、秋田県大館市に建つドーム型球場である。
設計を務めたのは「せんだいメディアテーク」や「ぎふメディアコスモス」など、数多くの公共施設を手掛ける建築家・伊東豊雄だ。
本施設の大屋根は、秋田杉約25,000本をアーチ状に組み、その上に膜材を張った構成となっており「国内最大の木造建築物」として知られている。
また、大館樹海ドームのすぐ隣には「親水公園」が存在しており、大型ドームと湖が融合した独特な景観を作りだしている。
6.JR田沢湖駅舎【坂茂】
- 設計:坂茂建築設計・東日本旅客鉄道東北工事事務所・ジェイアール東日本建築設計事務所
- 竣工:1997年
- 用途:駅舎 観光案内センター
- 住所:秋田県仙北郡田沢湖町生保内男坂
- URL:公式ページ
JR田沢湖駅舎は、田沢湖観光情報センターの機能を併設した、JR東日本の駅舎建築である。
設計を務めたのは、日本・パリ・ニューヨークに3つの設計事務所を構える世界的建築家・坂茂だ。
本施設は、駅前広場に対して円弧状の曲線を描く建物の上に、木材を使用した浅いボールド形状の屋根がかけられており、坂茂建築らしさを感じる空間構成となっている。
また、内部空間は2層構造となっているのだが、2階部分を通路状にし、大きな吹き抜けを作ることによって、魅力的な木造の大屋根が1階でも感じられるような空間がつくられている。
7.由利本荘市文化交流館 カダーレ




- 設計:新居千秋都市建築設計
- 竣工:2011年
- 用途:劇場 図書館 店舗
- 住所:秋田県由利本荘市東町15
- URL:公式ページ
由利本荘市文化交流館 カダーレは、ホール・図書館・店舗など様々な機能が入った、秋田県由利本荘市に建つ文化複合施設である。
設計を務めたのは、ペンシルベニア大学の大学院を卒業し、日本各地で数多くの公共施設を手掛ける建築家・新居千秋である。
本施設最大の特徴はなんといっても、建物上部に乗っかる重々しいコンクリートのボリュームである。
この多面的な形状は、3次元上でデータの製図を行うことができるソフト「3DCAD」を用いて設計されており、現代の最先端技術をフルに活用した作品となっている。
8.秋田市立体育館【渡辺豊和】
- 設計:渡辺豊和建築工房
- 竣工:1994年
- 用途:体育館
- 住所:秋田県秋田市八橋字下八橋181-2
- URL:参考ページ
秋田市立体育館は、バレーボール・バスケットボール・ボクシングなど、様々な協議の大会会場として使用される、秋田県秋田市に建つ総合体育館である。
設計を務めたのは、ポストモダニズムを象徴するかのような作品を数多く残す、秋田県出身の建築家・渡辺豊和である。
建築としては、コンクリートの基壇の上に、メタリックな素材でできたドーム型の大屋根が乗る構成が異様な雰囲気を作り出しており、まるで体育施設だとは思えないような外観となっている。
コンクリートでできた下層部分だけを見ると、柱が連続する様子が「西洋建築」を想起させるが、その上にメタリックなドームを乗せることで、すべての常識をひっくり返した、ポストモダニズムを代表する建築である。
9.仙北市立角館樺細工伝承館【大江宏】




- 設計:大江宏
- 竣工:1978年
- 用途:展示施設+教育施設
- 住所:秋田県仙北郡角館町表町下丁10―1
- URL:参考ページ
仙北市立角館樺細工伝承館は、秋田県仙北市角館町で有名な伝統工芸品「樺細工」を中心に、民俗資料を展示する施設として1978年に建設された建築物である。
設計を務めたのは、「国立能楽堂」や「乃木神社」など、格式高い建築物を数多く手がけた建築家・大江宏だ。
建築としては「大きな中庭」を囲うようにして「切妻屋根を持った棟」が配置されており、大江宏建築でよく見られる複数の屋根が重層する構成となっている。
また、切妻屋根という日本伝統の形態を用いつつも、外壁は「レンガタイル」で仕上げていたり、内部では西洋建築特有の「アーチ形状」が用いられているなど、大江宏特有の和と洋を混合した「混在併存」スタイルが採用されているのも特徴的だ。
10.渡辺翁記念会館【村野藤吾】




- 設計:村野藤吾
- 竣工:1937年
- 用途:文化施設
- 住所:秋田県秋田市雄和椿川字奥椿岱193-2
- URL:公式ページ
渡辺翁記念会館は、宇部市の発展に大きく貢献した実業家「渡辺祐策」の顕彰を目的として、1937年に建設された文化施設である。
設計を務めたのは、昭和期を代表する建築家・村野藤吾である。
村野藤吾は、宇部市で複数の建築作品を手掛けており、その第一作となったのがこの「渡辺翁記念会館」であった。
建築としては、緩やかな曲線を持った平面形態と、外壁の黒褐色タイル張りが象徴的な外観を作り出しており、村野藤吾自身はこの建築を「私の出世作」と語っていたという。
11.秋田県立博物館【安井建築設計事務所】




- 設計:安井建築設計事務所
- 竣工:1974年
- 用途:博物館
- 住所:秋田県秋田市金足鳰崎字後山52
- URL:公式ページ
秋田県立博物館は、秋田県の歴史・民族・考古学など様々なジャンルを取り扱う、秋田県立小泉潟公園内に建つ県立博物館である。
設計を務めたのは、昭和初期にモダニズム建築を数多く手がけた「安井武雄(1884~1955)」が創立した設計事務所・安井建築設計事務所である。
緑豊かな秋田県立小泉潟公園の中に建つ施設であるため、周辺環境との調和が最優先されており、前面に単層の「展示棟」、後方にやや高層となる「収蔵庫棟」を配置して景観に配慮している。
また、レンガタイルの外壁が落ち着いた外観を作り出しつつ、高低差のある敷地形状を利用した動的な空間構成も、本施設の魅力の一つとなっている。
12.あきた芸術劇場ミルハス【佐藤総合計画】
- 設計:佐藤総合計画
- 竣工:2022年
- 用途:劇場
- 住所:秋田県秋田市千秋明徳町2-52
- URL:公式ページ
あきた芸術劇場ミルハスは、2022年、秋田市の千秋公園内に新たに建設された、大小2つのホールからなる劇場施設である。
設計を務めたのは、日本の大手組織設計事務所・佐藤総合計画である。
建築としては、前面道路に面してわずかに円弧を描く平面形状が特徴的であるが、この前面道路側には大きな「ロビー空間」が配置されており、市民が自由に活用できる場となっている。
また、前面道路側には重量感のあるコンクリートの「水平庇」が何層にも重なっているが、この庇は、高さがある建物の威圧感を和らげると共に、内部からの景色の見え方に奥行きを与える効果を持っている。
13.秋田県立近代美術館【山下設計】




- 設計:山下設計
- 竣工:1993年
- 用途:図書館・美術館・博物館
- 住所:秋田県横手市赤坂字富ヶ沢62-46
- URL:公式ページ
秋田県立近代美術館は、秋田県横手市のテーマパーク「秋田ふるさと村」の敷地内に存在する、近代美術を中心に取り扱う美術館建築である。
設計を務めたのは、日本の大手組織設計事務所・山下設計である。
本施設は、「縦長の2棟」とその間を橋渡しするかのように架かる「横長の1棟」が組み合わされた構成が特徴的で、テーマパークの施設らしいダイナミックな建築物となっている。
建築に詳しい方であれば、この建築を見ると、両国駅の目の前に建つあの巨大な建築物「江戸東京博物館」を思い出すのではないだろうか。
14.横手市増田まんが美術館【不明】




- 設計:不明
- 開館:1995年
- 用途:美術館(旧複合施設)
- 住所:秋田県横手市増田町増田字新町285番地
- URL:公式ページ
横手市増田まんが美術館は、増田町出身の漫画家・矢口高雄の顕彰を目的に、日本で初めて「まんが」をテーマにした美術館として開館した文化施設である。
本美術館は、公民館や図書館などが入った秋田市の複合施設「増田ふれあいプラザ」に併設する形で開館しており、その増田ふれあいプラザの設計者は不明。
しかし、この施設は2019年にリニューアルオープンしており、現在は複合施設ではなく「まんが美術館」単体の施設として運営されている。
建築としては、アーチ形状がデザインに取り込まれていたり、石造り風の外観をしているなど、西洋建築を思わせる構成が特徴的な施設となっている。
15.角館町平福記念美術館【大江宏】




- 設計:大江宏建築事務所
- 竣工:1988年
- 用途:美術館
- 住所:秋田県仙北市角館町表町上丁4-4
- URL:公式ページ
角館町平福記念美術館は、日本画家「父・平福穂庵」と「子・平福百穂」の顕彰を目的として、彼らの出身地である秋田県仙北市角館に建てられた美術館建築である。
設計を務めたのは、「国立能楽堂」や「乃木神社」など、格式高い建築物を数多く手がけたことで知られる建築家・大江宏だ。
建築としては、大きな「中庭」とその周りを囲う「回廊空間」が特徴的であるが、回廊を作り出す柱の連なりといい、ゴシック建築を思わせる尖頭アーチ(風)といい、西洋建築を思わせる要素がふんだんに取り入れられている。
一方で、屋根には日本伝統の「切妻屋根」を採用しており、和と洋画が混在併存した、大江宏らしい建築作品となっている。
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