和歌山県の有名建築物7選【SANAA・黒川紀章など】

田辺市立美術館

みなさんこんにちは、本サイト・建築LIFEを運営している「たけ」です。

今回は、和歌山県にある有名建築物7選をご紹介したいと思います。

和歌山県には、SANAAや黒川紀章などの有名建築家が設計した建築物が、多くはありませんが確実に存在しています。

本記事では、それら魅力的な建築物の特徴や概要などをわかりやすく解説しているので、和歌山観光をする際には是非参考にしてみてください。

では早速本題に入ります。

目次

和歌山県の有名建築物7選【SANAA・黒川紀章など】

1.熊野古道なかへち美術館【SANAA】

  • 設計:SANAA
  • 竣工:1997年
  • 用途:美術館
  • 住所:和歌山県田辺市中辺路町
  • URL:公式ページ

熊野古道なかへち美術館は、世界遺産「熊野古道」の中辺路(なかへち)に建つ美術館として、1997年に建設された和歌山県の公立美術館である。

本美術館では、日本画家「野長瀬晩花」と南画家「渡瀬凌雲」の2人の作品を中心として、地元にゆかりの作品の収蔵・展示などを行っている。

建築の設計は、妹島和世西沢立衛による建築家ユニット「SANAA」が担当しており、2人が初めてSANAAとして活動した最初の作品でもある。

本館最大の魅力は、展示室周りに設けられたガラス張りの回廊空間(写真2枚目)であり、この回廊が展示室と外部空間をシームレスに繋ぐ役割を果たしている。

2.和歌山県立近代美術館【黒川紀章】

和歌山県立近代美術館
photo by 663highland/CC 表示 2.5

和歌山県立近代美術館は、和歌山県にゆかりのある作家の近代美術作品・近代版画作品を中心に収集・展示などを行っている、和歌山県の公立美術館である。

建築の設計は、日本建築界を牽引した建築家「黒川紀章」が担当。

上の写真にある通り、本施設の前面には大きな複数の灯籠が立ち並んでおり、重層する庇が特徴的な建物と呼応しながら、魅力的なアプローチ空間を形成している。

また、本施設のすぐ隣には、同じく黒川紀章が設計した「和歌山県立博物館」が存在しており、両者の棟は連絡ブリッジによって結ばれ、一体的な利用が可能となっている。(写真奥に見えるガラス張りの建築物が和歌山県立博物館)

和歌山県立博物館については、次の項で解説する。

3.和歌山県立博物館【黒川紀章】

和歌山県立博物館
photo by 663highland/CC 表示 2.5

和歌山県立博物館は、和歌山県にゆかりのある文化財の保存・展示などを目的として、1994年に建設された公立博物館である。

本施設の設計は、日本建築界を牽引した建築家「黒川紀章」が担当。

建築は、緩やかな曲面を持ったガラスのファサードが印象的な外観を形成しており、この曲面の内部には2層吹き抜けのエントランスホール空間が配置されている。

また、写真の右端を見ると、ガラスのファサードに「連絡ブリッジ」が1本貫入していることがわかるが、このブリッジは隣接する「和歌山県立近代美術館(黒川紀章が設計)」と本博物館を接続しており、美術館と博物館の一体的な利用を可能にしている。

4.フラワーヒルミュージアム【黒川紀章】

フラワーヒルミュージアムは、江戸時代の医学者「華岡青洲」の顕彰を目的として整備された「道の駅 青洲の里」の一施設として建設された博物館である。

本施設の設計は、日本建築界を牽引した建築家「黒川紀章」が担当。

建築は、華岡青洲が麻酔薬に使用したとされる「チョウセンアサガオ(マンダラゲ)」の形態をモチーフに設計されており、コンクリートでできた有機的な曲面がユニークな外観を作り出している。

館内には展示室の他にも、魅力的なテラス(写真2枚目)を持った「レストラン」や「物産ショップ」「情報コーナー」なども併設されている。

5.丹鶴ホール【山下設計+金嶋正人】

丹鶴ホール
photo by Asturio Cantabrio/CC 表示-継承 4.0

丹鶴ホールは、図書館や多目的ホール、熊野学センターなど複数の機能からなる和歌山県の複合文化施設である。

建築の設計は、日本の大手組織設計事務所「山下設計」と、和歌山を中心に設計活動を行う「金嶋一級建築設計事務所」の共同設計で行われた。

施設全体は、大きな多目的ホールを中心として、その周囲に動線や個室などが配置された「四角環状」の平面配置となっており、その内部構成が外形にも現れ、印象的なファサードを作り出している。

質感の良い外壁は、コンクリート打ち放しを縦目地で分割したもので、これは周囲に存在する瓦屋根を持った建物群との調和を意識した仕上げとなっている。

6.南方熊楠顕彰館【IDA】

  • 設計:I.D.A.
  • 竣工:2005年
  • 用途:博物館
  • 住所:和歌山県田辺市中屋敷町
  • URL:公式ページ

南方熊楠顕彰館は、日本の博物学者「南方熊楠」の顕彰を目的として、出身地である和歌山県に設置された博物館である。

建築の設計は、東京と香港を活動拠点とする設計事務所「I.D.A.(インテグレーティッド・デザイン・アソシエイツ)」が担当。

本施設は、現存する南方熊楠の邸宅と隣接する位置に建設されており、南方邸が顕彰館の一展示物となるように意識して、平面計画が行われている。

また、建物の外観は、耐力壁としても機能する「木造の格子壁」が、ガラスカーテンウォールから透けて見え、独特なファサードを形成。

通常、このような木造建築物は耐力壁によって閉鎖的な空間になりがちであるが、ここでは透過性のある「格子壁」を採用することで、外部との繋がりを保ち、豊かな内部空間を作り出している。

7.田辺市立美術館【坂倉建築研究所】

田辺市立美術館
photo by 663highland/CC 表示 2.5

田辺市立美術館は、和歌山県田辺市の新庄総合公園内に建つ公立美術館である。

田辺市出身の実業家「脇村禮次郎」のコレクションをを基に、日本の「文人画」や「近代絵画」などの収蔵・展示等を執り行っている。

本施設の設計は、巨匠・坂倉準三が設立した「坂倉建築研究所」が担当。

建築全体は、複数の展示棟を集合させた「クラスター型の美術館」として展開されており、それぞれの展示室を独立することによって、多様な展示にも耐えられる柔軟性の高い空間を作り出している。

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今回はこれで以上になります。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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