みなさんこんにちは、たけです。
今回は、栃木県の有名建築物16選をご紹介します。
隈研吾・内藤廣・藤森照信といった有名建築家の作品を多数紹介しているので、是非最後までご覧ください。
では早速本題に入ります。
栃木県の有名建築物16選【隈研吾・内藤廣・藤森照信】
1.那珂川町馬頭広重美術館【隈研吾】

那珂川町馬頭広重美術館は、江戸時代の浮世絵師「歌川広重」の作品を収集・展示するために建てられた美術館である。
建築の設計は、和風建築でおなじみの建築家「隈研吾」が担当した。
コンセプト「広重の芸術と伝統を表現する、落ち着きのある外観」
このコンセプトを基に、日本家屋特有の切妻屋根を持った建物を細い木製ルーバーが覆う、伝統的ながら芸術性のある建築物が完成している。
建築詳細ページ

2.ちょっ蔵広場【隈研吾】

ちょっ蔵広場は、栃木県高根沢町に建つ宝積寺駅の東口広場として整備された施設で、多目的展示場とちょっ蔵ホールの2棟が中央広場を挟むようにして建てられている。
建築の設計は、和風建築でおなじみの建築家「隈研吾」が担当。
本施設最大の特徴はなんといっても、重量感と軽快さを兼ね備えた多孔質な外壁である。
この特殊な外壁は、元々この敷地に建っていた石蔵の「大谷石」に「スチールプレート」を組み合わせる形で構成されており、その2つの素材がダイアゴナルな形を描きながら、印象的な外観を形成している。
また、この大谷石と鉄の外壁は、構造材としても仕上げ材としても作用しており、デザインと構造が一体になった魅力的な建築作品となっている。
3.宝積寺駅【隈研吾】

宝積寺駅は、栃木県塩谷郡高根沢町大字宝積寺に建つJR東日本・JR貨物の駅舎建築である。
建築の設計は、和風建築でおなじみの建築家「隈研吾」が担当した。
本施設は、線路によって分断されてしまった高根沢町の街並みを、透明度の高い自由通路によって再接続しつつ、その自由通路の天井面にはラワン合板の木架構を設置することで、親しみ深い空間を作り出している。
また、この幾何学的な形態を持った木架構は、宝積寺駅のすぐ隣に建つ隈研吾設計の「ちょっ蔵広場」のダイアゴナルなファサードデザインを連続させたものとなっている。
宝積寺駅

4.石の美術館【隈研吾】

石の美術館は、米を貯蔵していた古い石蔵を再生利用して、石を使ったアート作品を展示するための美術館として生まれ変わらせた、栃木県那須町に建つ建築物である。
建築の設計は、和風建築でおなじみの建築家「隈研吾」が担当した。
建築全体は、地元産の芦野石を用いた組積造(一部鉄骨造)の建築物となっており、施設中央に建つ既存の石蔵の周りを池で囲い、さらにその池を囲い込むように低い塀が配置された全体構成となっている。
また、この周囲に配置された塀の内側には、一部屋内空間や通路が配置されており、施設全体として回遊性のある魅力的な美術館を形成している。
5.那須歴史探訪館【隈研吾】

那須歴史探訪館は、那須町の歴史に関する資料を展示するための施設として、2000年に栃木県那須町芦野に建設された資料館である。
建築の設計は、和風建築でおなじみの建築家「隈研吾」が担当した。
施設全体は、陣屋裏門・土蔵・展示館の3つの棟で構成されており、主要棟となる展示館は中央に事務室やトイレなどのコアを集中させている。
その上で、外周部にサッシュを兼ねたスチール柱を配置することによって、透明度の高い展示空間を作り出している。
6.ライトキューブ宇都宮【隈研吾】

ライトキューブ宇都宮は、JR宇都宮駅に直結する形で建てられている、大中2つのホールと会議室群からなるコンベンション施設である。
建築の設計は、和風建築でおなじみの建築家「隈研吾」が担当。
施設全体は、容積率を重視する再開発ビルとしては珍しく、大きな広場が1階・2階・3階に設けられており、都市に豊かなくつろぎの空間を提供している。
さらに、建物の外構にはフランクロイドライトが旧帝国ホテルで使用したことで有名な「大谷石」のパネルと、隈研吾を象徴する「木ルーバー」を同一のスケール感で設置しており、外観に特定のリズムを付与している。
7.那須塩原市図書館・みるる【UAo】

那須塩原市図書館・みるるは、JR黒磯駅の西口広場に面する位置に建つ公立図書館である。
本施設は、栃木県出身の建築家・伊藤麻理が代表を務める設計事務所「UAo」が設計を担当。
建物全体を覆う「多面体の大屋根」によってシンボリックな外観を形成しつつ、屋根の裏面には木ルーバーを設置することによって、来館者を優しく包み込むような親しみ深い図書空間が完成している。
また、施設内部に設置された本棚や壁は、中心から外に向かって拡散するように放射状の配置がなされており、規則性のない多様な読書空間を作り出している。
8.塩原温泉湯っ歩の里【杉本洋文】

塩原温泉湯っ歩の里は、栃木県那須塩原市に建つ日本最大級の足湯施設である。
建築の設計は、神奈川県出身の建築家「杉本洋文」が担当。
本施設では、敷地中央に建つエントランス施設「歌仙堂」が、切妻屋根の木造架構によって象徴的な外観を形成しており、周辺地域のシンボル的存在にもなっている。
そして、歌仙堂の前面には、大きな楕円形の鏡池を囲うようにして「足湯回廊」が配置されており、周囲の豊かな自然環境を楽しみながら足湯も堪能できるという、魅力的なくつろぎ空間を作り出している。
9.道の駅ましこ【Mount Fuji Architects Studio】

- 設計:Mount Fuji Architects Studio
- 住所:栃木県芳賀郡益子町長堤
- 竣工:2016年
- 用途:道の駅
- URL:公式ページ
道の駅ましこは、栃木県道41号つくば益子線の道の駅として建設された、栃木県益子町に建つ建築物である。
建築設計は、原田真宏と原田麻魚によって設立された設計事務所「Mount Fuji Architects Studio」が担当した。
建築全体は、異なる位相で隆起した3列の大屋根が、周辺の山並みと呼応しながら象徴的な外観を形成。
さらに、この大屋根は地場産のスギ集成材を用いて構成されているため、内部には最大32mの大スパンを持ちながらも、木材の温もりであふれる魅力的な空間が作り出されている。
10.フォレスト益子【内藤廣】

フォレスト益子は、益子県立自然公園「益子の森」の入り口近くに建つ、遊歩道情報施設とレストラン・宿泊施設を兼ね備えた複合施設である。
建築の設計は、日本を代表する建築家「内藤廣」が担当した。
建築全体は、わずかな弧を描く帯状の建物が2棟並列で並べられた構成となっており、外側の長い棟にはレストランと宿泊施設、内側の短い棟には公園の休憩所や展示室を配置している。
また、本施設の構造は、細いスチールパイプとスギLVL合板という木材を使用した、面と線で支えるハイブリット構造となっている。
この構造によって、内藤廣建築らしい木材の温もりであふれる豊かな内部空間が形成されている。
11.那須野が原ハーモニーホール【セルスペースアーキテクツ】

- 設計:セルスペースアーキテクツ
- 住所:栃木県大田原市本町
- 竣工:1994年
- 用途:劇場 展示場 集会場
- URL:公式ページ
那須野が原ハーモニーホールは、3つのホールと2つのギャラリーからなる、栃木県大田原市に建つ複合施設である。
建築の設計は、早草睦惠が代表を務める設計事務所「セルスペースアーキテクツ」が担当した。
建築全体は、小ホールが入る「ガラスドーム型の棟」や、螺旋階段が入る「円筒型のコンクリートの棟」、三角錐型をした複数の「排気塔」など、基本要素は幾何学的な形態を用いて構成されている。
一方で、屋上の一部を緑化して丘のように擬態させるなど、自然環境を取り入れた構成も見られ、自然と人工が入り混じる不思議な施設となっている。
12.栃木県立美術館【川崎清】

栃木県立美術館は、栃木県にゆかりのある作家の作品を中心に収蔵・展示する施設として、栃木県宇都宮市に開館した公立美術館である。
建築の設計は、京都大学の名誉教授として知られる建築家「川崎清」が担当した。
施設全体は、反射率の高いガラスの「事務棟」と水平性の高い「展示棟」、そして両者の建物に囲われる形で配置されている「屋外展示広場」によって構成されている。
垂直性が高く現代チックな「事務棟」と、水平性が高く落ち着きのある「展示棟」の対比が魅力的な施設である。
映画『デスノート』のロケ地になったことでも知られている。
13.日環アリーナ栃木【梓設計・大成建設・安藤設計設計】

- 設計:梓設計・大成建設・安藤設計設計
- 住所:栃木県宇都宮市西川田
- 竣工:2021年
- 用途:観覧場
- URL:公式ページ
日環アリーナ栃木は、栃木県総合運動公園内の屋内水泳場と体育館を併設した観覧場として、2021年に建設されたスポーツ施設である。
建築の設計は、梓設計・大成建設・安藤設計設計が共同で行った。
本施設は、3つの箱型ボリュームが「交流の丘」と呼ばれる広場を囲うようにしてL字型に配置されており、公園と一体になった全体構成となっている。
また、建物本体は栃木県宇都宮市にある「大谷石採掘場」をイメージした重厚感のある外観となっている一方で、低層部分をガラス張りにすることによって浮遊感も演出。
重厚感と軽快さを兼ね備えたシンボリックな外観を形成している。
14.栃木県立博物館【日本設計】

栃木県立博物館は、考古・歴史・民族・美術・工芸など、栃木県に関する資料を総合的に展示する施設として1982年に竣工した博物館である。
建築の設計は、日本の大手組織設計事務所「日本設計」が担当した。
本施設は、宇都宮市にある栃木県中央公園の敷地内に建てられており、水平性の高い形態と石張りの外壁によって、公園の風景に自然と馴染むような落ち着いた外観を形成している。
また、建物中央に設けられた円筒型の棟が印象的だが、この内部はスロープ展示空間となっており、展示を眺めながら緩やかに次の展示空間へとたどり着くことができる、回遊的な動線計画がなされている。
15.コールハウス【藤森照信】

コールハウスは、栃木県宇都宮市の住宅街に建つ、木造2階建ての住宅建築である。
建築の設計は、自然と一体になった建築作品を数多く手がけることで知られる建築家「藤森照信」が担当。
この建築は一目見ただけだと、藤森照信らしさをあまり感じない一般的な建築作品に見えるが、実はこの建築では外観というよりは内部空間に特徴が現れている。
具体的に言うと、写真左下に変わった形をした開口部があるが、この中には床・壁・天井の境に直角がない、まるで「洞窟の中」のような空間がつくられている。
さらに、写真右上には茶室があり、外から梯子を上ってたどり着くという面白い動線が巡らされている。
16.ボタニカルガーデンアートビオトープ「水庭」【石上純也】

最後に紹介するのは建築ではなく「庭園」である。
ボタニカルガーデンアートビオトープ「水庭」は、ガラス工芸や陶芸を楽しむことができる滞在型体験施設につくられた庭園となっている。
この施設は建築ではなく庭園であるが、設計は建築家の石上純也が担当している。
この庭園は、元々あった「318本の雑木林」の形状や大きさなどを1本1本調査した上で、計画的に再配置し、その間を縫うように「160個の池」を作ることで全体像が形成されている。
ここまで念入りに計画されたい庭園は、もはや建築と言えるのではないだろうか。
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今回はこれで以上になります。
最後までご覧いただきありがとうございました。