宝積寺駅とは?
東北本線宝積寺(ほうしゃくじ)駅は、国立競技場や高輪ゲートウェイ駅を手掛けたことでも知られる隈研吾さんが設計した栃木県の駅である。
宝積寺駅の駅前広場は、同じく隈研吾さんが設計した「ちょっ蔵広場」という展示・集会場に直接つながっており、隈研吾さんの作品を堪能できる名所となっている。
建築の特徴としては、天井が構造用合板という木質材料による木組みによって構成されていることが最大の魅力である。
隈研吾とは?

- 1954 生誕
- 1979 東京大学大学院建築意匠専攻修士課程を修了
- 1979 大手設計事務所の日本設計に就職
- 1990 隈研吾建築都市設計事務所を設立
- 1997「登米町伝統芸能館」で日本建築学会賞作品賞を受賞
- 2009 東京大学工学部建築学科教授に就任
隈研吾氏は、木質ルーバーや木組みなどによる木材をふんだんに利用した建築で知られている。
さらに、「負ける建築」や「見えない建築」といった、自然環境と調和し溶け込むような建築の在り方も追及されている。
建築概要
- 所在地:栃木県塩谷郡高根沢町大字宝積寺2374-1
- 竣工 :2008年3月
- 用途 :自由通路 駅舎
- 構造 :鉄骨造
- 階数 :地上2階
- 高さ :12.750m
外観の特徴




宝積寺駅の外観的特徴としては次のような点が挙げられる。
- 橋上化された駅舎
- 「ちょっ蔵広場」と接続した東口
- 「孔」としての駅
橋上化された駅舎




宝積寺駅は、既存の東口に対して線路を挟んだ反対側に西口をプラスし、橋上化している。これによって、線路によって分断された街並みを西と東でつなぎ再生することを目的としている。
「ちょっ蔵広場」と接続した東口




写真の右側に見えるのが宝積寺駅と同様に隈研吾さんが設計した「ちょっ蔵広場」である。
この建物は、「光と風が通り抜けるイメージ」で設計された広場であり、大谷石による幾何学的形態「ダイアゴナル」の外壁が特徴的である。
この広場と宝積寺駅が連続することによって隈研吾さんの作品を堪能できる名所ともなっている。
「孔」としての駅




この駅舎は、従来の「箱」としての駅ではなく、「孔」(あな)としての駅をコンセプトに設計されました。「孔」の始点となるのが東口のちょっ蔵広場であり、終点となるのが西口ということになる。
内観の特徴




宝積寺駅の内観の最も特徴的な点は、天井の構成である。
この凸凹した天井は、東口につながる「ちょっ蔵広場」の大谷石による外壁から影響を受けたもので、構造用合板という木質材料を幾何学的に組み合わせて構成している。
「ちょっ蔵広場」と形状の似た天井で連続させることで、全体としてのつながりを意識した構成となっている。
ちなみに、2020年に開業した、隈研吾さん設計の高輪ゲートウェイ駅では、優しい色合いの木材を利用していた。しかし、宝積寺駅では強い色合いの木材+黒の外壁によってかっこいい駅舎となっている。




最後に・・・
以上が隈研吾さんが設計した栃木県の宝積寺駅でした。
「ちょっ蔵広場」と連続した空間性、木質屋根の形状などが魅力的な、隈研吾さんらしい建築作品となっていました。
栃木県には、「那須川町馬頭広重美術館」や「石の美術館」など、隈研吾さんの建築作品がたくさん存在するため気になる方はぜひ訪れてみてください!!
ご覧いただきありがとうございました!!
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