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国立西洋美術館【ル・コルビュジエ】

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photo by 663highland/CC 表示 2.5
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国立西洋美術館とは?

国立西洋美術館は、東京・上野に建つ、西洋の美術作品を専門として扱う国立美術館である。

設計を務めたのは、近代を代表する建築家ル・コルビュジエ。

日本に唯一残されたル・コルビュジエの作品

7か国17のコルビュジエの作品が2016年に「ル・コルビュジエの建築作品群」として世界遺産に登録されたことをきっかけに、日本に唯一現存する国立西洋美術館が再度注目されている。

たけひこ
たけひこ

そんな、国立西洋美術館の特徴を今回ご紹介します!!

ル・コルビュジエとは?

ル・コルビュジエは、近代に生まれた新しい技術「鉄筋コンクリート」を巧みに利用し、近代建築の先駆者となった建築家である。

近代建築の三大巨匠(四大巨匠)
  1. ル・コルビュジエ(1887~1965年、スイス)
  2. ミース・ファン・デル・ローエ(1886~1969年、ドイツ)
  3. フランク・ロイド・ライト(1867~1959年、アメリカ)
  4. (ヴァルター・グロピウス(1883~1969年、ドイツ))

代表作としては、「サヴォア邸」「ラ・トゥーレット修道院」「ユニテ・ダビタシオン」などが挙げられる。

さらに、ル・コルビュジエは建築家としてだけではなく、画家としても有名であり、「ピュリスム(1918~25年)」と呼ばれるフランスで展開された絵画運動の先導者としても知られている。

建築の特徴

国立西洋美術館の建築的特徴としては、次のような点が挙げられる。

  1. 日仏友好のシンボル
  2. 無限に成長する美術館
  3. 光の落ちる「19世紀ホール」
  4. 実現されなかった写真壁画
  5. 空間に変化をもたらす高低差
  6. 自然光を取り込む「照明ギャラリー」
  7. 増設された「新館」「企画展示室」

日仏友好のシンボル

第二次世界大戦後、日仏の友好のシンボルとして建設されたのが国立西洋美術館である。

日本に西洋美術館を創設するにあたり、当時日本で活躍していた「前川國男」「坂倉準三」「吉阪隆正」らの師匠ル・コルビュジエが設計者として推薦された。

その後、ル・コルビュジエは一度だけ日本を訪れ現地調査をしたのちに、基本設計を行い、その設計案を基に3人の弟子が主導して実施設計(詳細な設計)が行われた。

無限に成長する美術館

コンセプト イメージ図

「無限成長美術館」

国立西洋美術館は、このようなコンセプトを基に設計されている。

この考えは、美術館や図書館など年を重ねるごとに収蔵物や展示品が増える用途に対して、建築自体成長できるようにして、変化に対応していこうというものである。

この考えを実現するためにとられた構成が、中心をスタートとして、ぐるぐる渦巻き状に広がる展示室というプランである。

このコンセプトは実現せず、現在は「完成型」の美術館となっている。

光の落ちる「19世紀ホール」

国立西洋美術館の中心にあり、展示空間のスタートとなる「19世紀ホール」。

  • 三角形のトップライトからの光
  • 2階展示室へのワクワク感を演出するスロープ

これらの要素によって、19世紀ホールは魅力的な空間となっている。

しかし、実はこの空間、当初ル・コルビュジエが想定していた空間とは異なるものになっている。

実現されなかった写真壁画

最初ル・コルビュジエは、この19世紀ホールの壁面を「写真壁画」によって彩る計画を立てていた。

しかし、締め切り日になっても具体的な案が提出されなかったことから、その写真壁画が実現されることはなかった。

このことに関して、二つの意見がある。

  1. コルビュジエが思い描いた空間を体験してみたかった
  2. 収蔵作品以上のインパクトを与えてしまうため、なくてよかった

どちらも、もっともな意見であるが、美術館という用途上、今の状態がベストではないかと私は考える。

空間に変化をもたらす高低差

19世紀ホールにあるスロープを上がると現れる展示空間は、壁などの仕切りがほとんどなく全体が一続きの空間となっている。

この構成だけでも画期的であるが、さらに注目したいのが天井の高低差である。

四角形の展示空間の天井は、内側が低く、外側が高くなっているため、単調な一つの空間にリズム的な変化がもたらされている。

自然光を取り込む「照明ギャラリー」

展示室から、中に照明ギャラリーが入ったガラスを見る

さらに、天井の高低差による空間の変化を強調しているのが、差の部分に設けられた「照明ギャラリー」と呼ばれる空間である。

この空間は、上部が屋根上に出ているため外光を取り入れることができる。

ル・コルビジェは、その外光を展示室まで照明ギャラリーを通して取り入れようと考えたのである。

しかし、安定した光が好まれる美術館という用途上、この自然光は受け入れられず、現在は、人工照明だけで展示空間が照らされている。

増設された「新館」「企画展示室」

配置概略図

無限に増築できるようにするというコンセプトが実現されなかったため、国立西洋美術館は収蔵品が収まらなくなり、それを補うために増設が行われた。

  • 1979年「新館」を本館の裏側に建設
  • 1997年「企画展示室」を地下に建設

「新館」の設計を務めたのは、弟子である前川國男であり、本館と一体的に利用できるように設計されている。

さらに、上野の豊かな自然を建物内部にも反映させるために、大きな中庭が設けられ、それを囲うような「コ」の字型の建物となっている。

建築概要

  • 所在地:東京都台東区上野公園
  • 竣工 :1959年
  • 用途 :美術館
  • 構造 :RC造
  • 階数 :地上3階、地下1階、塔屋1階
  • 設計 :ル・コルビュジエ
  • 施工 :清水建設株式会社
  • 設計監理:坂倉準三、前川國男、吉阪隆正

施設概要

  • Tel    :050-5541-8600
  • 営業時間:9:30〜17:30、〜20:00(金曜・土曜日)
  • 開館日 :毎週月曜
  • URL  :https://www.nmwa.go.jp/jp/index.html
  • アクセス:JR上野駅から徒歩1分
  • 料金  :無料(国際博物館の日、文化の日)
個人団体
一般500円400円
大学生250円200円

最後に・・・

以上が国立西洋美術館の特徴でした。

無限成長美術館というコンセプトと、随所にみられるよく考えられた構成が魅力的な、ル・コルビュジエらしい空間になっていたと思います。

たけひこ
たけひこ

是非一度、国立西洋美術館を訪れてみてください!!

ご覧いただきありがとうございました。

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